https://biz-journal.jp/2020/12/post_198245.html

  福井県などの住民約130人が「大地震への耐震性が不十分だ」として、国に大飯原発3、4号機の原子炉設置許可の取り消しを求めていた裁判の判決が12月4日にあった。大阪地裁は原子力規制委員会の審査過程に看過しがたい誤りや欠落があるとして、原発の設置許可を取り消す判決を言い渡した。

 2011年の東京電力福島第一原発の事故以降、原発の運転停止につながる司法判断は仮処分を含め6例目だが、原発の設置許可を取り消す司法判断は初めてだ。今回の司法判断で規制委の審査基準自体に疑問符がつけられたことにより、安全性の水準がさらに上がることも予想され、全国の原発に影響する可能性もある。

原発事故や廃炉への備えが皆無だった大手電力
 原発をめぐる裁判には、原発の安全性を争うものや東電福島第一原発事故での損害賠償請求などさまざまある。15の生協などでつくる「グリーンコープ共同体」が設立した小売り電気事業者「グリーンコープでんき」は、電気料金をめぐって10月15日、福岡地裁に提訴した。福島第一原発事故に伴う賠償金や廃炉費用などを一般家庭の電気料金に上乗せし徴収することを国が認可したのは違法と訴えている。

 コロナ報道一色の大手メディアではあまり報道されなかったが、10月1日から「福島第一原発事故の『賠償費用』と『廃炉円滑化負担金』の託送料金への上乗せ」がこっそり始まった。もっとも、これが決まったのは電力全面自由化から日も浅い2017年なので、大手メディアはスルーしたのかもしれない。

 原発事故によって東電が背負う賠償金は莫大だ。現在係争中の裁判もあり、最終的に何兆円になるのか見通しがつかない。そこで、賠償金を国民全員に負担させようというわけだ。具体的な金額は、事故前に確保されておくべきだった賠償への備えの不足分の一部2.4兆円で、年間約600億円程度が40年間にわたって回収される。

 原発事故後、廃炉が決まった原発が全国に7社15基(女川1号機や美浜1、2号機など)ある。「廃炉円滑化負担金」は、これらの円滑な廃炉を促す環境整備の観点より一時的に生じる費用を分割計上するものだが、これも本来は各大手電力が責任を持って負担すべき費用だ。

 上乗せされる「託送料金」とは、電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の「利用料」のことだ。送配電網は一般送配電事業者(東京電力パワーグリッドや関西電力送配電など10社)が保有・運営しており、料金は事業者が設定し、国が認可する。

 当然のことながら、新規参入した新電力各社も託送料金を払ってこの送配電網を利用している。新電力は太陽光や風力など、CO2や放射性廃棄物を出さない、再生可能エネルギーに力を入れている事業者が多い。提訴したグリーンコープでんきもそうだ。

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 そして、新電力と契約している消費者は、電気料金の安さばかりでなく、自然エネルギー由来の電気を選んで使いたいという意識の人が少なくない。さらに言えば、原発産業にはお金を払いたくないということであり、託送料金への上乗せは、そうした消費者の意志を踏みにじるものだ。電力会社を選べるという電力自由化の趣旨にも反する。環境NGO「FoE Japan」の吉田明子さんはこう話す。

「賠償負担金は1kWh当たり0.03~0.12円、廃炉円滑化負担金は0円~0.05円と、金額としては一見わずかなものですが、40年間にもわたって続くものです。賠償負担金は明らかに東電救済が目的。大手電力会社が責任を負うべき負担が、広く薄く長く全消費者に転嫁されるわけです。金額的にどうかというよりも、倫理的に大きな問題があります。グリーンコープさんは託送料金の値上げ分を利用者から取らないと言っています。経営的に大きな負担にはならなくても、原発問題のさまざまな不条理が凝縮されている問題なので、それを世に問うために提訴したようです」

実際の値上げは新型コロナの影響で1年間先送り
 では、すぐにでも電気料金が値上げされるのかといえば、そうではない。10月1日から託送料金への2つの上乗せが始まったが、同時にこれまで(05~20年9月)行われていた「使用済燃料再処理等既発電費相当額」の上乗せが9月30日で終了し、正確にいえば、入れ替わるかたちになった。

 よって、実際は差し引きで、託送料金の値上げになる地域と値下げになる地域がある。また、値上げの場合でも、コロナの影響により1年間は据え置きされることになっている。ほとんどの消費者は将来も、月々の電気料金を見ただけでは、託送料金への上乗せの不条理に気づくことはないかもしれない。それだけに姑息で狡猾なスキームだといえる。

 福島原発事故でいえば、賠償金を含む事故処理費用について、16年の経産省の議論では「21.5兆円」と試算していた。しかし、そもそもこの金額は極めて不十分で低い見積もりであり、日本経済研究センターのレポート(19年3月7日)では、35~80兆円と試算している。東京電力の経営陣、株主、債権者の責任が問われないまま、ズルズルと将来的に国民にツケ回しされるのである。

(文=横山渉/ジャーナリスト)

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 引用以上

 東京電力は、憲法上も、商法上も、資本主義社会における一企業にすぎない。
 国策企業と屁理屈をつけてみても、資本主義の原則を曲げてまで無条件に守る法的根拠は存在しない。

 国策企業=特殊会社は、以下の裏付けによって成立している。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%AE%8A%E4%BC%9A%E7%A4%BE

 【国策上必要な公共性の高い事業ではあるが、行政機関が行うよりも、会社形態でこれを行う方が適切であると判断される場合に設立される。規模が大きく、また後に完全に民営化して普通の会社に移行させる可能性もあることから、「株式会社」形態で設立される。特殊会社は、公的資本があるかどうかによって決まるのではなく、あくまで特別な法律に設立根拠があることで判断される。】

 上のリンク内を見れば分かるように、法的な裏付けのある企業のなかに、電力企業は一社も含まれておらず、あくまでも普通企業の位置づけである。
 東電を経営的に救済すべき法的根拠、義務など、日本政府のどこにも存在しない。

 電気事業法による法的位置づけは以下のとおり
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E4%BC%9A%E7%A4%BE

 ここでも、「政府が責任を持って倒産をさせない」などの文言はまったく出ていない。それなのに、国民が東電の失敗の尻拭いをさせられるのは、完全な憲法・民法違反である。
 東京電力が、大事故を引き起こして債務超過になった場合、政府が支援すべき法的根拠は存在せず、会社法における倒産処理に委ねられなければならない。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%92%E7%94%A3%E6%B3%95#:~:text=%E5%86%8D%E5%BB%BA%E5%9E%8B%E3%81%AF%E3%80%81%E5%82%B5%E6%A8%A9%E8%80%85,%E5%9F%BA%E3%81%A5%E3%81%8F%E5%86%8D%E7%94%9F%E6%89%8B%E7%B6%9A%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

 自民党政権は、どのような理由で、東京電力に脱法的支援を強要しているのか?
 国民に問答無用で無理矢理、失敗の尻拭いをさせているのか?

 それは、自民党政権の大半の議員が、東京電力の株式を保有していること。
 何よりも、天皇家はじめ、日本のエスタブリッシュメントが東電の大株主であること。
 彼らが、東電株のフクイチ事故による下落を回避させている。
 東電の経営陣も、また大株主であり、彼らの莫大な(勝俣の場合、20億円)退職金を確保するために、東電を潰させない働きかけをしたこと。

 要するに、東電、勝俣や清水の判断で、震災に対する備えは金がかかるからと回避し安上がりですませたことにより、津波で非常用電源が破壊され、フクイチ巨大放射能汚染事故が起きたが、その尻拭いを東電は、全部国民の税金や電気料金につけ回しさせた。
 これを決定容認したのが、安倍晋三・麻生太郎ら自民党政権である。

 日本国民は、東電の金儲けのための失敗の尻拭いだけをさせられ、電気料金で東電幹部の退職金を守り、自民党議員の持っている東電株の下落を防がされているのである。
 さらに、100兆円近い巨額の税金で、東電放射能の後始末をさせられている。

 東電の姿勢はどうかといえば、環境を汚染した放射能は「無主物」であると、究極の屁理屈を通して、除染賠償を拒否している。
 
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2015/04/03/45974/

 もうここまでくると、東京電力と自民党は、イタリアやアメリカのマフィアと、その非合法性、非道徳性において、何一つ変わらない。
 反社会勢力であり、暴力的にでも排除すべき勢力である。
 こいつらを、いつまで、のさばらせておくんだ!