夏の森の小径を精霊物の怪が往く
僕が好きな奥華子の「変わらないもの」という曲に
<僕は今すぐ 君に会いたい> というフレーズがあります。
それを想って書いた詩のようなもの。
まだ幼い君が夏の森の小径を歩いている
その頃の君と出会いたかった
一緒にクロアゲハを追いかけて
君が編んだシロツメクサの髪飾りをつけて
君と一緒に笑いたかった
制服の君が駅のホームで電車を待っている
その頃の君と出会いたかった
一緒に校門までの道を歩いて
川の土手を一緒に歩いて
同じ夏雲に手を伸ばしたかった
やみくもな夢に向かって君は走り出した
その頃の君に出会いたかった
高い空の夏雲を眺めながら
届きそうもないような
馬鹿みたいな話をしていたかった
そんな君の全部に出会いたかった
全部の君と一緒にいたかった
全部の君の隣に僕がいて
いつでも君の隣で僕は君を見ていたかったんだ
君は道に迷ってうずくまって膝を抱えた僕に出会った
それまでの全部が消えてしまった僕らがいた
それまでなんて何もなくなった僕らが手をつないだ
だから僕らは今も一緒にいるのかもしれない
だからやっぱりぼろぼろだったあの時に出会ってよかったんだ
ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると励みになります。