忘れられた奥社              娘のヘアードネーションと石倉巨石群 | 黄昏黒猫屋敷ー布人形とイラストの小部屋

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世間からかなりずれている管理人、黄昏黒猫堂こと黒猫が自作人形やイラストを発表しつつ、ニート、ひきこもりなど生きずらさを考える。(画像一覧で作品を見ていただけるとうれしいです。)

 

それは山の奥の奥の奥社

誰も訪ねる者なき奥の宮

長く長く忘れられたる奥社

精霊物の怪だけの奥社

 

 

 

 

 この週末の土曜日、娘が隣街のヘアードネーション提携美容室行くので、車で送迎した。ヘアードネーションとは、抗がん剤治療などの医療行為で頭髪が抜けた時に使う医療用カツラのために自分の頭髪を提供するボランティアだ。提携美容室で、カツラ用に刈ってもらえる。連れ合いが今、抗がん剤治療中なのだが、個人差はあろうが、見事に髪の毛が抜けてしまい、まるで尼さんにでもなったかのようだ。連れ合いは帽子を被って対応しているが、若い女性にとっては過酷なことだろう。ある程度の年になると、「出家したのさ、アハハ!」とやりすごすこともできるが、それはやはりむつかしい。やはりお洒落をすることで気持ちを上げて、病気に立ち向かっていく力をつけることは大切なことだと思う。

 

 

 茨城県笠間市街を見下ろす佐白山(205m)の南斜面にある石倉巨石群。奇妙な巨石の群れ。行こうと思いつつ延び延びになっていたが、10月21日(土)、排気量110ccの小型自動二輪、スーパーカブ110プロ(カブプロ)を走らせて、佐白山北麓に到着。山麓公園の駐車場の隅にバイクを停める。ここから佐白山を登って、南斜面を降りると石倉の巨石群に着く。

 佐白山の山麓公園は江戸時代の笠間城主(牧野家八万石)の藩主下屋敷のあった場所らしく、時鐘楼が江戸時代の風情を感じさせる。牧野家が笠間藩主となる前は、忠臣蔵で有名な赤穂藩の浅野家が五万石で藩主を務めていた時期があり、筆頭家老の大石家の屋敷跡もある。といっても、おそらく社宅と同じで、その後は牧野家の重臣が住んだのだろう。浅野家の笠間藩主の時期は江戸時代前期の短い期間で、すぐに赤穂に国替えとなっている。

 時鐘楼を過ぎると治功神社。明治維新まで長く笠間藩主を務めた牧野家の氏神。牧野家笠間藩は八万石だが、物産に乏しく、藩財政は豊かではなかったらしい。そこで焼き物を名産品にと製陶業を奨励して、それが現在の笠間焼となっている。

 治功神社から佐白山の登山道となる。佐白山は今でこそ緑豊か低山だが、実はここは中世以来の山城の笠間城で、藩政時代は政庁だったわけで、30分ほどの山登りだが、藩士たちは裃袴姿の山歩きで通勤していたのかと思うと、ちょっと可笑しくなる。

 標高182mの三角点のある山上の平地。このあたり一帯に藩政時代の建物があって、勘定方の役人が算盤でも弾いていたのだろうか。今は樹々に隠れてわからないが、山上は結構広い平地だ。

 笠間城には天守閣はないが、天守曲輪があり、写真はその石垣。修復中でシートが被されていたのが残念。

 天守曲輪の一角にある佐志能神社。急な階段(立ち入り禁止の看板があるが、実質通行されている模様。)の上にあり、三角点はないが、ここが佐白山の山頂(205m)になる。写真ではトタン作りにも見えるが、木で作られている。中世に笠間城築城のおり、里に降ろされたが、明治になって、笠間藩最後の藩主だった華族、牧野子爵が神社を元の場所に戻したという。とにかくかなり危ない石段なので、足元注意。

 さて、いよいよ本命の石倉巨石群に。南面に降りる道がわかりにくい。まさかこれが?というような獣道のような踏み跡に入ると、すぐに明瞭な山道になる。

 山頂からほどなくして、これ。巨石が折り重なった不思議な光景。折り重なったひとつひとつの岩塊が人間よりずっと大きい。こういう岩の集まりが斜面のあちこちに点在している。風化による自然地形なのだろうが、古代信仰の遺跡のように見えなくもない。どことなく山の神の御座所である磐座(いわくら)を思わせる。

 山はまだ緑なのだが、この巨石のところでは色づいた葉が。小さい秋というものか。

 岩の上から見た八溝山地筑波山塊の山々。ザイルを使うほどではないにしろ、かなり足場が悪いので、岩を登って写真を撮るのはお薦めではない、と思った。それと、あまり人が来るところではないようなので、こんなところで怪我をすると厄介なことになる。

 佐白山の全景を撮るため、佐白山の向かいの、山頂がオートキャンプ場になっている山(標高140mくらい)に登って佐白山を撮った。かつては笠間藩の政庁だった笠間城も、明治維新で廃城となり、150年以上の時をかけて、今は中世以前の山の姿を取り戻したのだろう。

 

 

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