1. 「古今和歌集」に掲載されている「秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」という和歌でも有名な、小倉百人一首18番の歌の作者である歌人は誰でしょう?


2. 小倉百人一首では河原左大臣という名前で登場し、14番の歌を詠んでいる嵯峨天皇の12番目の皇子で、「源氏物語」の主人公・光源氏のモデルの最有力候補とされているのは誰でしょう?


3. 一人で百首詠む「百首歌」を創始するなど、斬新な形式や技法・言葉などを多く取り入れた小倉百人一首46番の歌の作者で、八代集の1つ「詞歌集」には17首と最も多くの歌が選ばれているのは誰でしょう?


4. 「都をば 霞とともに 立ちしかど 秋風ぞ吹く 白河の関」という歌を詠む際に、実際には行っていない白河の関に行ったという噂を流し、自らは身を隠して日焼けをし、行ったふりをして発表したという逸話が「古今著聞集」に記されている、小倉百人一首69番の歌の作者である歌人・僧は誰でしょう?


5. 「正義部」「作法部」「枝葉部」「言語部」「名所部」「用意部」の全6巻からなる、小倉百人一首100番の歌の作者である順徳天皇が著した、現代においても非常に資料的価値が高いといわれる歌学書は何でしょう?






1. 藤原敏行朝臣

         「住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ」

        この時代は、夢に出てきた人が自分のことを思っているという考え方が主流でした。今とはちょっと違いますね。夢路を通ってくるのは男性の方なので、これもやしきたかじんパターンです。「秋来ぬと~」は教科書にも載るほどの有名な歌なので、御存知の方も多いでしょう。


2. 源融

        「陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰故に 乱れそめにし 我ならなくに」

        「しのぶもぢずり」とは、福島県信夫(しのぶ)地方で作られる乱れ模様の摺り衣のこと。摺り衣は忍草で染めた染物。忍摺りともいいます。なお「ネジバナ」という植物も別名を「モジズリ」というようですが、こちらは関係なさそうです。


3. 曾禰好忠

        「由良の門を わたる舟人 かぢをたえ ゆくへも知らぬ 戀の道かな」

        「変人」「偏屈」といわれ、丹後の役人を長く務めたことから「曾丹(そたん)」と呼ばれていた可哀想な人。どう考えても、いじめられてるよね? まぁ、新しいことをやろうとする人は、いつの世もそんなもんです。そして彼もまた御多分に漏れず、死後に高く評価されることとなるのです。


4. 能因法師

        「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の にしきなりけり」

        芭蕉にも影響を与えている元祖ご当地ソング歌人です。「能因歌枕」という本も出しています。問題文から「その本、信用できんのか?」と思った方もいるかもしれませんが、むしろ信じられないのは「古今著聞集」の方ですね。これは、あくまでも説話集ですから。


5. 「八雲御抄」

        「百敷や 古き軒端の しのぶにも 猶あまりある 昔なりけり」

       百敷とは宮中のこと。ここでいう昔とは、醍醐・村上両天皇のいわゆる「延喜・天暦の治」を指すと言われています。貴族文化の衰退を詠んだ歌と共に小倉百人一首も終わりを告げます。単に100番目の歌として記憶している方も多いでしょうが、華やかな貴族たちの歌物語は、こんなにも物悲しい形で終わってたんですね。



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