「WPP」と「FIRE」について投稿しています。
「WPPは、FIREは、どういう人におすすめすべきなのか?(どういう人にはおすすめすべきでないのか?)」について、現時点の考えをまとめてみました。
以下のすべてに該当する人は、是非WPPの実践を!
- 就労を阻む健康面の事情がない
- 就労を阻む家庭の事情がない
- 雇われる働き方に満足している(または、我慢できる)
正規雇用で就労できない事情を抱えている方は、実際には結構いらっしゃると感じています。そのような方々に、軽々しくWPPをおすすめすることはできません。
また、雇われる働き方に苦痛を感じている(感じるようになった)方々に対して、「定年後もできるだけ長く働きましょう(雇われ続けましょう)」とは、なかなか言いづらいです(雇われ続けないと暮らしていけない家計状況であれば、苦痛であっても我慢するしかありませんが)。このような方々は、WPPの「W」を抜いた「PP」でリタイアメントプランニングするのがよいと思います。
以下のすべてに該当する人は、FIREも視野に!
- 雇われずに生活できるなら(FI)、できるだけ早くそうしたい(RE)
- 節約が苦にならず、貯蓄と投資が好きであり、投資においてはおおむね安定的なリターンを得て実際に資産を増やせている
- 税・社会保険料を含め、現在の支出を把握・管理できており、今後数10年間の支出をおおむね予想できる
- 公的年金・私的年金の仕組みを理解している(早期退職することが、将来の年金受給額や、万一の際の障害・遺族給付に及ぼすデメリットを理解している)
1.は、FIREを目指す人の、そもそもの動機ですね。
2.は「節約(貯蓄)と投資の資質・能力」、3.は「支出の管理・予想能力」、4.は(重要度は相対的に低いものの)「日本の年金制度の理解度」を問う要件です。
1.を実現するために必要なスキル・知識・経験が2.~4.である、と考えます。
2.と3.に該当しない方に、軽々しくFIREをおすすめすることはできません。
現時点でのまとめ
- 金融リテラシーに自信がある会社員・公務員で、雇われる働き方に苦痛を感じている方は、FIREを目指すのもよいのではないでしょうか。
前回書いたように、FIREを目指すことは、結果としてRE(早期退職)に至らなかったとしても、資産形成の進捗を早め、人生の進路選択の幅を広げることにつながると思うからです。
ミニマリスト指向の方であれば、FIREを実現できる可能性は高いと思います。
- 金融リテラシーに自信がなかったり、雇われる働き方に苦痛を感じていない方は、WPPを実践しましょう。
引退後の暮らしを「年金」と「資産の取り崩し」で賄う、すなわち不労所得で生活するという意味では、「PP(私的年金+公的年金)」も「FI(経済的自立)」戦術の一つであるといえます。
実際、総務省の家計調査年報などを見ると、高齢夫婦無職世帯の大部分は「年金」と「資産の取り崩し」で生活しています。働かずに生活する。まさにFI(経済的自立)ですね。
- WPPとFIREの最大の違いは、希望する退職時期がいつなのか、つまり、
・定年後もできるだけ長く雇われたいのか?
・定年前にできるだけ早く退職したいのか?
ではないかと考えます。
「定年後もできるだけ長く雇われたい方」は、国や会社の制度(公助・共助)を最大限に活用してWPPを実践することが、もっとも有効かつ現実的でしょう。
「定年前にできるだけ早く退職したい方」は、自分の資質や努力(自助)によって、FIREを目指すのもよいでしょう(貯蓄と投資に限っていえば、努力は無駄にはなりません)。