鞄に二冊

少しでも空き時間ができると、本が読みたくなる。

「モニタリング闇サイト」

表題作シリーズが三作および短編「殺したがりの姫」一作の短編集。初出は不明。単行本は2011年7月刊。デジタル版は2012年1月刊。早いな。

表題作は、モニターさせる商品が、幸運を呼ぶペンダント、ペットの犬、シェアルームであるが、商品や管理人・管理方法に、超自然現象や超能力が付随しており、それによって、ルール違反をしたモニターがあと一歩で命を落とすという事態に陥る。SFサスペンスとでも呼ぶべき作品。ただし「超自然」の部分は本質ではない。人の忠告を聞かない・約束を守らない人間が闇に引き込まれそうになるという物語である。

ただし三話とも、すんでのところで救世主が現われ、命が助かる。三話目の主人公は、いい加減なところはあるけれど、彼自身はルール違反は犯していないので助かってよかったが、一話目、二話目の主人公はかなりひどい性格なので、別に救われなくてもよかったのではないか。

「殺したがりの姫」は面白かった。予想と異なる展開という、ミステリー的面白さに加えて、主人公の出す結論が前向きで救われる。


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