ルイ・アームストロング、NHK朝ドラ「カムカムエブリバディ」、この素晴らしき世界、サッチモ、On the Sunny Side of the Street、トロンボーン・ショーティ、玉響(たまゆら)、女王陛下の007、米国 ニューオーリンズ、ジャズ、ポップス、洋楽。
 
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各コラムで紹介した曲目リストは、「目次」で…

  

あの曲や動画はどこ… 音楽家別作品

 

*今後の予定曲

音路(68) ひだまりのたまゆら… カムカム・サニーサイド!



◇カムカム「るい」

前回コラム「音路(67)ハレルヤ!晴れるや!張れるや!」の「晴れ晴れ(はればれ)」にひきつづき、今回は「ひだまりのたまゆら」です。
漢字で書きますと、「日溜まりの玉響 (ひだまりのたまゆら)」です。

* * *

世の中には、ひとつの音楽の楽曲が、自身にとって、趣味の音楽の域を越えて、自身の中に、「太陽」のような大切なものとして存在するようになることがありますね。
作詞作曲者や演奏者のことが知られなくなったとしても、その楽曲自体が、時代を越えて、生き続けていくことがあります。
まさに音楽という域を越えて、多くの人たちの人生の中の大切な存在として、長く生き続けていきますね。
今回のコラムの楽曲も、そのような楽曲です。

* * *

最近、テレビやラジオで、この楽曲を耳にすることが多くなってきましたね。
楽曲「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート(On the Sunny Side of the Street)」。

実は、今放送していますNHKの朝ドラ「カムカム・エブリバディ」の中で、この曲が非常に重要な意味を持っており、今は、ほぼ毎回のように流れています。

今回の朝ドラは、主役の女性が三人おり、全体が三部に分かれています。
ただ、この三部はつながっているスト―リーです。
第一部が「安子(やすこ)編」、第二部が「るい編」、第三部が「ひなた編」です。

「安子(演:上白石萌音さん)」の娘が「るい(演:深津絵里さん)」で、「るい」の娘が「ひなた(演:川栄李奈さん)」です。
ちょうど今の時期の放送内容は、1960年代あたりの「るい編」です。

* * *

安子の夫は、米国のミュージシャンのルイ・アームストロングの名前から、娘に「るい」と名付けました。
たしかに、世の中には、彼から名前をもらった方が少なくないと思います。
男性でも、女性でも、性別を問わず付けられる名前ですね。

ルイ・アームストロングには有名な楽曲がいくつもありますが、その中のひとつに、前述の楽曲「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」があります。
日本でも、当時から知名度抜群の楽曲でした。

この楽曲タイトルには、いくつかの邦題がありますが、直訳すれば「通り(人生)の日の当たる場所を…」といったところでしょうか。
ドラマの中の「るい」の命名については、母親の安子から、「日の当る道を歩んで行こうね…」という主旨のことが語られました。

* * *

日本では、死者を弔い、その生前の功徳を称える文章や挨拶を、「誄詞(るいし)」、「誄辞(るいじ)」、「誄文(るいぶん)」などといいますね。
漢字の「誄(るい)」は、前述のような「哀悼の意」をあらわすという意味です。
大昔は、「誄」を「しのびごと(偲び事)」とも読みました。
「しのびごと(偲び事)」の意味は、前述の「誄(るい)」と同じです。
今現代でも、「故人を偲ぶ会」などが、各地で行なわれたりしますよね。

「偲ぶ」とは、過去の遠い思い出や事柄、遠く離れたところにいる人物などに思いを寄せたり、それらを賛美するという意味があります。
ルイ・アームストロングという人物や作品を思い出し、それを賛美するのに、まさに「るい」というお名前は合致していますね。
主人公の「るい」は平仮名のお名前ですが、私は個人的に、漢字をあえて、あてはめるなら「誄(るい)」ではないかと思っています。


◇カムカム・エブリバディ

音楽ファンの私としては、興味津々で、このドラマを見ています。
この朝ドラをご覧になっていない読者の方もおられると思いますが、少しだけ面白いお話しを書きます。

故郷の岡山を離れた「るい」の向かった先の大阪では、ひょんなことから、クリーニング屋さんで、住み込みで働くことになりました。
まさか、クリーニング屋さんとは、なかなかの演出!

今現代のクリーニングは、水を使わず、専用溶剤と大型機械を使うドライクリーニングが主流で、職人さんが店内でアイロンをかけることも少ないとは思いますが、このドラマの「るい編」の1960年代前半あたりに、街のクリーニング屋さんがどのような方法で行なっていたのか、私は記憶にありません。
ただ、ドラマのように、店先で大汗をかきながら、職人さんがよくアイロンをかけていた姿は覚えています。
エアコンが普及していない時代は、クリーニング屋さんの店内が、相当に暑かったような記憶があります。
戦後、日本で洗濯関連の法整備がなされたのは、1950~60年代の頃だと思います。

洗濯専門業者が、洗濯ものを、明るい日差しの下で干していた時代は、江戸時代から明治時代頃までのお話しですが、日本の一般家庭では、まだまだ日干しが主流ですね。
近代以降では、日干しを行なわないクリーニング屋さんは、天気に左右されることなく、安定的に商売できています。

ですが、何となく、クリーニング屋さんと、太陽の「日差し」は、頭の中でつながりやすいような気がしてきます。
まっさらな白いシャツと、明るい日差しが、よく似合うせいでしょうか。

ドラマのストーリーの中で、楽曲「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」にあわせてなのか、懐かしいクリーニング屋さんの風景が登場してきたのには、少しうれしい気持ちになりました。
クリーニング屋さんには、今も、汚れのない清潔な「サニーサイド」のイメージを抱きますね。

朝ドラの中の「るい」のお相手の「ジョー(演:オダギリ ジョーさん)」は、それはもう、シャツを汚す天才という人物です。
クリーニング屋さんで働く「るい」に、世話になりっぱなしになりますね。

* * *

その「ジョー」の名前の苗字は、太陽ではなく、なんと「大月(おおつき)」。
ジョーが暮らし、二人がよく会う、ジャズ喫茶の店名は、ジャズのスタンダード曲のタイトルと同じで、「ナイト・アンド・デイ」。
「夜と昼」…つまり「夜の月のジョー」と「昼のお日様のサニーサイドのるい」。
運命の結びつき…、ビッグ・ラッキー…、ドラマでも夜空の大きな満月がたくさん登場します。
二人の「サニーサイド」は、もうすぐ…。

ここで、カール・ポーターがつくった前述のジャズの名曲「ナイト・アンド・デイ」を…。
後で、ルイ・アームストロングの愛称「サッチモ」の命名のことを書きますが、その愛称を名付けた(?)歌手エラ・フィッツジェラルドの歌唱で、この曲を…。
エラさん…、あなたも「サッチ・ア…(Such a … )」…、素晴らしい名歌手でしたね。

♪ナイト・アンド・デイ

 


◇童話がいっぱい! 妄想いっぱい!

さて、この朝ドラのドラマの始まりの舞台は、「桃太郎」伝説の「鬼ヶ島(鬼島)」のある岡山…、桃太郎のお話しには鳥の「雉(キジ)」が登場…。
そうなんです…「るい」の苗字は「雉真(きじま)」です。

るいの母親の「安子(やすこ:旧姓は橘)」は、ドラマ内で愛称として「アンコ(餡子)」と呼ばれています。
安子の実家の家業は「おはぎ」が自慢の甘味屋さんですが、さすがに「吉備団子(きびだんご)」からの「団子(ダンコ)」は避けたのかもしれませんね。

なんと、安子の父の名が金太(金太郎から?)、祖父の名が「杵太郎(さるかに合戦から?)」、兄の名が「算太(サンタクロースから?)」、雉真家の奉公人の女性の名が「雪衣(ゆきえ)」で、物語「雪女」の着物は「雪衣(ゆきご)」ですね。
ちょっと、うすら怖い雪女…。
おまけに、楽曲「カムカム・エブリバディ」の原曲は「証城寺の狸囃子(たぬきばやし)」です。

* * *

安子の旧姓の苗字は「たちばな」で、漢字の「橘」ですので、平安時代の巨大四豪族「源平藤橘(げんぺいとうきつ:源氏・平氏・藤原氏・橘氏)」のひとつの橘氏のことかもしれません。
「橘(たちばな)」とは、大昔、天皇が、不老不死の国にある果物を家来たちに取りにいかせますが、その果物が今の「みかん」で、その果物こそが「橘(たちばな)」です。
橘氏系の一族の家紋には、みな、この「みかん」が描かれていますね。
ここは、岡山の「桃」ではありません。
古代の「桃」は神様に捧げる大切な果物で、貴重な薬の役割も果たしていましたから、桃と桃園は、天皇家一族だけのもの…。
歴史のお話しはここまで…。

* * *

私はドラマの最初から「きじま(雉真・鬼島)」の名が登場し、「アンコ(安子・餡子)」が出てきて、他にも童話の世界観いっぱいの、何かのコント・ドラマかと思ってしまいましたが、いたって真面目に、英語講座とジャズ音楽の方向に向かい、ちょっと安心(あんこ)!

ドラマの「るい編」では、渡辺貞夫さん、秋吉敏子さん、日野皓正(ひの てるまさ)さんなどの、世界的なジャズミュージシャンのお名前も登場してきます。
ジョーのライバルのトランぺッターのトミーの、あの衣装の格好…、あの演奏スタイル…、まさに「日の当たる(日の照る)」ようなサニーサイドの御方を、私はすぐにイメージしてしまいました。
妄想が違っていたら申し訳ありませんが、ドラマに、ご本人の登場はない…?

* * *

お名前やら、街の看板名やら、映画のポスターやら、当時のテレビ番組やらも、遊び心が満載で、私はそちらも楽しんでいます。
いろいろ ひねりながら詰め込んでくるドラマですね。
まだまだ、これからも登場してくるのでしょうか… 楽しみです。

NHKの「カムカム・エブリバディ」サイト


◇ルイ・アームストロング

後で、さまざまな演奏者による「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」をご紹介しますが、このNHKの朝ドラでは、トランぺッターでボーカリストでもあったミュージシャンのルイ・アームストロングが重要な意味を持っています。

彼は、1901年(明治34)、米国のジャズ音楽の聖地ニューオーリンズの貧困地区に生まれます。
冒頭写真は、路面電車が走るニューオーリンズの通りの風景です。
2001年に、ニューオーリンズの国際空港の名称は、彼の生誕100年を記念して、「ルイ・アームストロング・ニューオーリンズ国際空港」と改名されましたね。

彼は、少年時代に少年院送りになり、そこで習得したトランペット演奏の技術を持って、1920年代に大都市シカゴに向かい、後に、その実力で認められるようになります。
30歳頃には注目されはじめ、あの女性歌手エラ・フィッツジェラルドとも共演します。
その後も、多くの有名ミュージシャンたちと共演していきます。
1950年から60年代には、米国でヒット曲を連発!

1969年の映画007シリーズの「女王陛下の007」では、挿入歌を歌いました。
あのクチで、主題歌(同曲の歌詞なし)を食ってしまいましたね。

♪愛はすべてを越えて(映画「女王陛下の007」挿入歌)

 

* * *

先般の2021年の東京パラリンピックの閉会セレモニーでも、彼の1968年の楽曲「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(この素晴らしき世界)」が流されましたね。

この楽曲は、泥沼化するベトナム戦争(1965~1975)への嘆きから生まれた楽曲でしたが、戦争当事国で、この曲の母国の米国では、それほどヒットにはなりませんでした(しませんでした)が、世界中で評価されヒットしました。
当初レコード会社も製作に反対であったため、ルイは秘密裏に収録しました。
今も、ベトナム戦争をあつかった映画やテレビ番組には、ほぼ使用される楽曲ですね。

世界中がコロナ禍で苦しむ中で開催された、東京パラリンピックのセレモニーで、日本は、よくこの楽曲を流してくれましたね。
世界は まんざらでもない… ホワット・ア・ワンダフル・ワールド!

和訳付きです。
♪ホワット・ア・ワンダフル・ワールド

 

* * *

彼は、黒人たちから、白人たちに媚びを売る人間だと嫉妬の対象になったり、麻薬にどっぷり浸る人間などとも言われていたこともありましたが、多くの輝かしい音楽の実績を残し、1971年に69歳で亡くなります。

今回は、楽曲「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」のことに触れますが、あらためて別の機会に、彼の別の楽曲についても書きたいと思っています。


◇サッチモ

このNHKの朝ドラの中では、主人公の「るい」が、周囲から「サッチモ ちゃん」と呼ばれています。
もちろん「サッチモ」とは、ルイ・アームストロングの愛称ですが、この「サッチモ(SUTCHMO)」とは、前述の歌手エラ・フィッツジェラルドが、ルイの大きなクチを見て「サッチ・ア・マウス(Such a mouth)」と叫んだことから生まれた愛称とも いわれています。

この「サッチ・ア・マウス(Such a mouth)」を、日本人が日本社会で言うなら、「すっげぇ クチ!」、「なんてすごいクチなの!」、「そのクチ、何とも素晴らしい!」といったところでしょうか。


もちろん彼の顔をあざ笑ったものではなく、そのクチからあふれ出る、見事なボーカルとトランペット演奏を称え、親しみを込めた表現だと思います。

黒人男性歌手のルイのことを、黒人女性歌手のエラが、もうひとつの、よく似た別の言葉表現による、人種差別的な、相手をさげすんだ意味あいの表現をしたとは考えにくい気がします。

「サッチモ(SUTCHMO)」は、「Such」の文字列の中に、おそらくは偉大な意味あいのほうだととらえたいですが、「T」の文字が入っています。
この「T」入り表現は、よくない意味あいを含むこともありますが、さて、この「T」とは…、Such and Such (かくかく しかじか)!?

 

当時は、人種差別が、世界的に、違法ではなく当たり前だった時代で、「サッチモ」の意味や由来については、オブラートに包まれた部分も感じますが、私は、このまま そっとしておいてもいいと思っています。

 

過去も現在も、日本人やアジア人を差別する意味あいの表現もありましたが、かなり減少しました。

新しい世紀となり、過去の人種差別の誤りは、すでに多くの人が理解していますね。

ただ、人種差別が復活してきた時には、サッチモの不屈の音楽が、再び息を吹き返してくるのだろうという気がします。


* * *

さて、朝ドラの主人公のるいちゃん…、自身のクチのことを言われたと思わないでほしいものです。
ドラマの中で、るいちゃんは、ルイ・アームストロングの顔を初めてポスターで見て、「サッチ・ア・マウス」ではなく、「ルイって、あげな顔だったの…」と、心の中で叫びましたね。

彼は、クチだけでなく、その歯並びも、鼻も、目も、それはそれは立派!
これだけのボーカルとトランペット演奏は、このクチならと、うなづける気がしてきます。

下記映像で、彼のご尊顔をどうぞ…。
こういう顔立ちの昭和世代のお父さん… 日本にも結構いますね。


ルイ・アームストロング
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ルイ・アームストロング(1957年 エド・サリバン・ショー)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ルイ・アームストロング(1934年)。和訳付きです。
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ルイ・アームストロング(1956年・昭和31年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

朝ドラの中で、るいのお相手のジョーが、「冒頭の高らかなトランペットの音…」と語っていましたが、それは1956年版の演奏スタイルのことかもしれませんね。


◇「サニーサイド」のイメージ

もともと、この楽曲は、1930年(昭和5)に、ハリー・リッチマンとガートルード・ローレンスが主演した米国ブロードウェイのミュージカル「ルー・レスリー・インターナショナル・レビュー (Lew Leslie's International Revue)」で最初に発表されました。
作曲者はジミー・マクヒュー、作詞者はドロシー・フィールズです。

その後、ジャズのスタンダード・ナンバーとなり、多くのミュージシャンたちが演奏、レコード化していきます。
1930年代に、ルイ・アームストロングも、レコーディングしました。

ここで、古い時代から現代まで、順にこの楽曲の演奏を、私の独断と偏見で選んで少しだけご紹介しますが、当初は、やはりミュージカル用であったこともあり、歌詞にあわせた明るいイメージの軽快な演奏が多いです。

徐々に歌詞の意味あいに、深みが加わり、人生の愁いや願いもイメージされるようになっていった気がします。
いつしか、この楽曲は、明るい「日溜まり」を探すかのように、作詞作曲者の手を離れ、しっかりと「ひとり歩き」を始めましたね。


◇1930~40年代の「サニーサイド」
*楽器名のないミュージシャン名は、ボーカルか、楽団のリーダー名です。
*1945年が第二次世界大戦の終結です。

ロジャー・ウルフ・カン・オーケストラ&ディック・ロバートソン(1930年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ナット・キング・コール・トリオ(1930年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ベニー・グッドマン(クラリネット)& ペギー・リー(1941年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ジョー・スタッフォ―ド&ポール・ウェストン・オーケストラ(1944年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

レスター・ヤング(サックス)(1946年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

トミー・ドーシー・オーケストラ(この演奏年は不明ですが、この楽団は演奏は大人気)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

フランキー・レイン(1946年頃の映像か?)…ミュージカルを彷彿とさせますね。
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

フランキー・レインがヒットさせます。(1949年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

フランキー・レインは、コラム「音路54、信じてもいいですか(3)ビリーヴにイン!」で書きました、楽曲「ローハイド」のあの方です。

 


◇1950~60年代の「サニーサイド」

チャーリー・パーカー(サックス)、ディジー・ガレスピー(トランペット)(1951年)の演奏。
バド・パウエル(ピアノ)、マイルス・デイヴィス(トランペット)も参加しているよう…。
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

エレキギターにその名が残る… レス・ポール(ギター)(1955年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ナット・キング・コール&トニー・マーティン(1956年 エド・サリバン・ショー)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ディジー・ガレスピー(トランペット)、ソニー・スティット(サックス)(1958年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ボブ・ブルックマイヤー(トロンボーン)(この演奏は1960年頃か?)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

キーリー・スミス(1959年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ブレンダ・リー(1961年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ドリス・デイ(1961年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

愛称「サッチモ」の名付け親(?)…エラ・フィッツジェラルド(1963年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ちなみに、こんな子供たちも…(1966年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 


◇1970~90年代の「サニーサイド」

オスカー・ピーターソン(ピアノ)(下記の演奏年不明)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ジェームズ・ブッカー(ピアノ)(1977年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

カウント・ベイシー・オーケストラ(1978年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ケニー・バロン(ピアノ)(1990年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ジョシュア・レッドマン(サックス)(1993年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

バーバラ・クック(1993年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

バリー・マニロウ(1994年)

前述のトミー・ドーシー・オーケストラの音源にボーカルをのせたもの
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 


◇2000年以降、現代までの「サニーサイド」

NHKの朝ドラ「カムカム・エブリバディ」には、トランぺット奏者や楽団、ライブホールなどが多く登場し、この楽曲「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」を演奏します。
歌手で俳優の世良公則(せら まさのり)さんも、朝ドラの中でたっぷり熱唱され、話題になりましたね。
「♪あんたに~」のあの曲を歌ったロックバンドのツイストの世良さんです。

* * *

これだけの名曲で、ミュージシャンごとの個性やセンス、テクニックを周囲に見せつけることができるタイプの楽曲ですので、昔から、名演奏や名唱が相当に多くあります。
本当に、この楽曲は、ミュージシャンの個性を際立たせてくれますね。

日当たりのいい屋外で、思わず踊りたくなるような、明るく軽快な演奏から、哀愁いっぱいのスローテンポ、個性いっぱいのスタイルまで、さまざまなカバーがありますね。
この楽曲は、楽器も選びません。
さまざまな楽器でのソロ演奏が存在します。

ジャズ音楽界に限らず、ミュージシャンであれば、一度はトライしてみたくなる楽曲ですね。
日本人ミュージシャンの素晴らしいカバー演奏もたくさんありますが、今回は外国勢だけに絞らせていただきました。

ここからは、2000年以降の、現代の自由で個性いっぱいの「サニーサイド」を…。
今回のコラムの中に、皆様の気に入った「サニーサイド」演奏があればいいのですが…。

* * *

エリザベス・モンゴメリー(2020年:「奥様は魔女」の方ではありません)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ジャズ・ラグ・オーケストラ
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ロッド・スチュワート(2010年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ジェーン・モンハイト(2021年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

アンドレア・モティス、ボビー・ゴードン(クラリネット)他(2010年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ハリー・ローレン(2013年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

Natalya Obukhova(ウクレレ)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ジョン・バティステ(ハーモニカ、ピアノ、ボーカル)(2013年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

BBC ビッグバンド・オーケストラ
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

エスペランザ・スポルディング(ベース、ボーカル)(2016年)
♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

ウィリー・ネルソン & トニー・ベネット

♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート



◇「サニーサイド」を求めて

この楽曲の歌詞内容は、通りの日の当たる場所…、つまり、日の当たる人生を歩みたいという願いが込められたものですね。
日の当たる場所には、いろいろなものが待っています。

* * *

人生… 日なたを歩くこともあれば、日陰を歩くこともありますね。
日なたが暑すぎて、日陰に逃げ込むこともあります。
ずっと日陰しか歩いてこなかったとおっしゃる方も、いるかもしれません。

どちらにしても、日当たりのよい場所は、居心地がいい…。
でも、居心地が良すぎると、これもまた、刺激が無さすぎて、あまりよくない…。
日陰ばかりも、身体に悪い…。

この楽曲は、日陰で聴いても、日なたで聴いても、室内を暗くして聴いても、何となく、よい気分にしてくれますね。
これからも、この楽曲が、若い次世代に受け入れられていくのかどうか…。

そして、私はいつか、日当たりのいい天国に行けるのかな?

書いていて、身体も心も温かくなって、眠くなってきました。
「カムカム」の放送時間まで寝るとします。
るいちゃん zzz…。


◇日溜まりの玉響

「玉響(たまゆら)」という、日本に古くからある言葉は、「玉の響き」を短縮したもので、小さな玉が触れあう時の やさしい音色を指します。
その連想から、この言葉は、「あれ今聴こえた?」というくらいの、ほんの瞬間的な些細な時間や空間のことを意味します。

一方、この漢字の「日溜まり」は、日の光がたくさん当る、暖かな場所のことです。
犬や猫たちは、人間が知らないような「日溜まり」の場所をよく知っていますよね。

そういう場所では、人間の目には見えませんが、カメラで写真撮影をすると、写真に光の玉である光球(オーブ)があらわれることがあります。
太陽を前面にして写真撮影をすると、こうした写真が撮れたりしますが、心霊現象ではなく、科学的な現象です…おそらく?
その現象を、「たまゆら現象」と呼ぶこともあります。

そうなんです…、目には見えないけれど、「日溜まり」には、「音玉」「光玉」がいます…。
この楽曲「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」も、そんな「玉響(たまゆら)」?

* * *

最後に、次世代の若い音楽家「新人類」にむけて、下記の演奏を…。

サニーサイドは、いつも明るく、自由に演奏できます…。
「るい」は、ルイの「るい」、明るいの「るい」…。

「サニーサイド」には、希望の「玉響(たまゆら)」が、きっと います…。
みんなで、見つけに行きましょう!

Go Go Sunny Side!
Come Come Sunny Side!

では、トランペットも、トロンボーンも、ボ―カルも、カッコよくキメる… トロイ・アンドリュース(愛称:トロンボーン・ショーティ)の、2011年の演奏です。
私は、何となく、ショーティの中に、ルイを少し感じるのですが…。 Such a …!

♪オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート

 

* * *
 

1930年代に、米国にルイ・アームストロングがいたのなら、日本の邦楽界には、あの方がいました!

次回のコラムは、そんなお話しです。

 

コラム「音路(69)」につづく

 


【追伸】
朝ドラ「カムカム・エブリバディ」の中の楽曲「カムカム・エブリバディ」のことは、コラム「音路59.昭和の香り(3)ぴょこぴょこ、ピクペプ、早クチ言葉に噛むカム!」で書きました。

 

2022.1.14 天乃みそ汁
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