2021年最初の記事です。本年もよろしくお願いいたします。
いつも『源氏物語』に関することを綴っているこのブログですが、今日は『伊勢物語』について書いてみようと思います。『伊勢』は『源氏』に影響を与えていますし、『伊勢』の「昔、男」つまり在原業平は光源氏のモデルの一人ですから、この記事も『源氏』に大いに関係があるということになるんですけどね。
先日、『伊勢』をじっくり読み返してみて感じたこと。
・『伊勢』は125の短編的章段から構成されている歌物語だから『源氏』ほどの構成の奥深さと複雑な人間関係はないけれど、『伊勢』は『伊勢』で面白い。
二条后(藤原高子)や伊勢の斎宮(恬子内親王)との悲恋はせつなくて胸が締めつけられましたよ・・・。
高校の国語の教科書に載っていた「筒井筒」の話(幼なじみの男女が結婚する話)や「梓弓」(夫が三年帰ってこないから再婚しようとしたら夫が帰ってきてしまって「私が本当に愛しているのは誰?」と悩む話)も好きです。
・『源氏』の時代よりも男女が対等?
『源氏』では例えば夕顔巻で「女性(夕顔)から男性(光源氏)に歌を詠みかけるのは異例」という注釈が必ずつくじゃないですか。でも『伊勢』では「女性のほうから男性に歌を詠みかけるパターン」がけっこう多いですね。
『伊勢』の成立年代は未詳ですが、在原業平は平安前期の人です(ちなみに『源氏』は平安中期に成立)。
『源氏』の時代には恋愛も結婚も男性主導で進みますが、業平の時代にはまだ上代の気風が残っていて、男性の優位性はまだそれほどでもなかったのかなと感じました。
・古代日本人はフリーダム!
白髪の老女が息子に「お母さん恋人が欲しいの」って相談したら息子が当代一の貴公子(業平)を連れてきてくれたから関係を持つ話とか、業平が留守にしていた舅に向かって「あなたを待っている間、「ああ、これが恋なんだ」って気づきましたよ」って言う話とか・・・古代日本人の感覚って凄いなぁと(笑)。
現代の婿が舅に向かって「これが恋なんですね」なんて言います? 冗談でも言わないでしょう?(笑)
『源氏』を読んでも同じことを思いますけど、古代人って物の考え方がおおらかですよね。現代人は真面目。真面目なのは良いことですが、常識とか世間体とかに囚われすぎて、古代人と比べたらつまらない部分もあるかもしれませんね。
・びっくりする風習
一番目を見張ったのは「筑摩祭」に関する章段です。自分で詳しく説明するのは恥ずかしいのでリンクを貼っておきます。
・・・こんなこと誰が始めたんですか。古代人は一体何を考えているんですか^^;
「下紐」の話は素敵だなぁと思いました。
現代にもこんな雅な風習があればいいのになぁ。現代人は古代人と比べるとドライですよね(笑)。
最後に直近の講座のご案内です。本年よりカルチャータウン広島校さんでも講座を持たせてもらうことになりました。
①テーマ:紅葉賀巻を読む
日時:1月18日(月)10時半~12時
場所:カルチャータウン高陽校
(広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)
受講料:1100円/回(税込)
※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具
普段は第1月曜日と第3月曜日に行っておりますが、1月の第1週はカルチャータウン高陽校さんがお正月休みのため、2021年1月は合同授業という形で第3月曜日に開催いたします。
興味を持ってくださった方はカルチャータウン高陽校さんまでお問い合わせください。
070-1443-3396
(10時~20時オープン。日曜祝日はお休みです)
②テーマ:『源氏物語』に見る、モテる男とモテない女
日時:2月18日(木)10時半~12時
場所:カルチャータウン広島校
(広島市中区宝町2-1フジグラン広島4階)
受講料:1100円/回(税込)
※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具
興味を持ってくださった方はカルチャータウン広島校さんまでお問い合わせください。
090-2820-0740
(10時~20時オープン。日曜祝日はお休みです)
よろしくお願いします。