短編小説  初老オヤジの願いごと | ノベルの森/アメブロ

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※突然ですが、閃いて短編小説、参ります。



初老オヤジの願いごと


 

 

何故だか寝付けずにいた。
Amazonプライムの映画も面白そうなのやってない。
追加料金払えばましなのあるけど、月に500円の視聴料払ってんのに
まだ取るのかよー、「見たい放題」ってなんなんだ!

「ピンポーン」

 

壁の時計を見る・・・。
 

「なんだよこんな夜遅く・・・」
「ピンポーン」
「だから、女房起きちまうって!」


 

急いでドアホンの向こうの不届き者を確かめる。
「うん?・・・どなた?」
「こんばんは。昨日はどうも」
「昨日はって?・・・! あ、あんた昨日の・・・」
「あ、はい、昨日は助けていただきありがとうございました」
「それは・・・で何です、今頃?」
「すみませんが、ちょっとだけ開けていただけませんでしょうか」
「ええ?今、この時間に?」
「すみません、お願いします」

仕方なく、本当に仕方なくだがドアを開けた。
「こんな時間に何の用ですか?非常識でしょ?」
お邪魔しますと言って玄関に入ってくる

「ちょっと、何だよ勝手に人んちに・・・。」
「すみません、明日は帰らなければなりません。直ぐに済みますので、玄関先で結構ですので」
「なんか訳わかんないけど、なに?」

 

「昨日は危ないところを助けて頂いて、お強いんですね」
「まあ、若い頃は空手やってたから、二人位なら追っ払えるかな」
「それはそれは・・・。」
「あのね、ここで話してると女房に聞こえてあいつ起きちゃうから寝てるとこ邪魔されると機嫌悪くって困るんだよ」
「それなら大丈夫です。聞こえませんから」

 

?なんだこいつ?やっぱ入れるんじゃなかったか・・・。

 

「大丈夫です、私はこう見えてもマジシャンを超えたマジシャンですから。
はい!」
「あんた酒でも飲んでんのか?いい加減にしないと警察呼ぶぞ」
「ごめんなさい、直ぐに消えます。その前に昨日のお礼をさせて下さいませんか」
「お礼?そんなのいいから、もう帰ってくれ」

と、そいつが玄関で土下座をしたではないか!

「お願いします!どうか恩返しをさせて下さい!」
訳の分からない情熱を迸らせているが、悪い奴には見えない。
「分かった、早く終わらせてくれ」
「はい!・・・なにか願い事はありませんか?」

(何を言うかと思えば、やっぱおかしい奴か?)

「何それ?」
「はい、ですから何か願い事がございましたら、仰って下さい」
「それを叶えてくれるって訳?」
「はい、一つだけでございますが、何でも結構です」

こいつ、・・・しかし、危ない奴ではなさそうだし、乗ったふりして早いとこ帰ってもらおうか。

「願いごとねえ・・・急に言われてもなあ・・・」
(!あっと、そうでもないぞ。さっき想像してたこと・・・あれが叶えば・・・な訳ないだろう。どうせ叶う訳ないんだ、適当に言って帰ってもらおう)


 

「あれだ、うちの子供たち、二人だけど女の子と男の子、ってももう大人だけど・・・最近あんまり顔を見せてくれないし、来ても生意気言って・・・
 

で、女房とも話したんだが、小さい頃は二人共可愛くてね・・・それこそ『目の中に入れても痛くない』っての・・・一年に一度でいいから小学生の頃に戻ってくれたらどんなに嬉しいだろうねって・・・。無理なのは分かってるんだ。バカな夢だろ」
 

「いえとんでもない。素晴らしい願い事だと思います。 いいですねえ・・・分かりました。その願い事叶えて差し上げます。恩返しですから、きっと叶えます」

 

「・・・ま、いいけど・・・そんなところで・・・」
「わかりました。これで恩返しができます。有難うございました」
「ん、まあ、あんたの気が済んだのなら結構だ。じゃあこれで」
「はい、夜分に失礼いたしました。これで帰ります。どうぞお楽しみにして居て下さい」


 

帰って行った・・・。女房のやつ起きてこなかったな・・・。
訳の分からん奴が訳のわからんこと言って帰ってったか・・・・・

 

何だか眠れそうだぞ・・・。


 

 

つづく

 

 

 

 

 

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