それからの「ミー」
三毛猫の「ミー」はあれからも変わらず
あらかじめ母が少しだけ開けておく裏手の勝手口から
侵入を果たし、朝食時の我が家の居間で立ち止まり
「ニャー」と挨拶をして玄関の入り口を開けるように促す「ニャー」を残し
て縄張りを巡視すべく出ていく。
思い出したが、2回目の時だけは「ニャー」のあとで
家族全員による「お早う」の挨拶を受けて顔が空間に張り付いたようになっ
たミーだったが、気を取り直したのか直ぐにいつものように目を細めて
「ニャー」と鳴いて去って行った。
そうこうしている内に季節は脚を早め、涼しさは寒さに席をゆずる決意を固
めたらしく、早朝に吐く息は白くなって登っては消えるようになった。
そんなある夜のこと・・・。
布団以上の重みを感じて目が覚めた。股間の辺りだと気づく。
「ニャー」
驚いた!まさしくミーお嬢だったのである。
「ミー?」
「ニャー」(わたししかいないでしょ)
変かも知れないが、そう言っているように聞こえた。
しかし、よくも懐いたなここまで・・・
股間の間で丸くなって寝ている姿、それはそれは可愛くて
とても
「どいてくれよ」とは言えないなあ・・・。
けど・・・そう、けれどもである。僕はすこぶる寝相が悪かった。
このままだととても眠れそうにない。どうしよう・・・。
というところで今回を収めます。
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