おつかれさまです。
どうすんだ、これ
いやちょっと予告編にまんまと釣られてしまったといいますか。ちょろっと映画館で観てきた次第でございます。
まぁ率直な感想として
「どうすんだ、これ」
っていう感じでございました、はい。いや予告編は全然間違ってなくてその通りだったんだけどね。しかし。しかしですよ。スカッとするわけでもなくて、涙腺を刺激されるわけでもなくて、ボディにキツイ一撃を喰らったような痛みがあるわけでもなくて。
映画としてはこれはちょっと
「困ったニャー」
といいますか。猫ちゃんだったらそんな風に言ってると思いますよ。感想って言ってもね、ここまで中身がないと、とくに何も思い浮かばないだよね(失礼)。いやあたくしの感受性が劣化しちゃっているだけかもしれないけど。もしかしたらナウなヤングにバカ受けテイストなのかな。う~ん、どうだろう。
だから、どうすんだ、これ
なんだろうな。
「こういうシーンが撮りたい」
ってのがあって実際、そういうシーンが撮れている感じ。確かに伝わってきます。それはそれでいいわけよ。
まぁ映画というものは多かれ少なかれどの作品も
「こういうシーンが撮りたい」
ってところから、じゃあどうやってそこに辿り着くかってのはあると思うのね。で、物語としたら、そこがすごく大事よね。見せたいもの、見せたいシーンがあるってのはいいと思うんだけど、じゃあそこに
「伝えたいもの」
があるのかっていうとそういうわけでもないwってパターンかしらね、今回。
「映像はええぞ!」
ってそれだけじゃね。。。
とにかく、どうすんだ、これ
まぁ映画館でお金を払って
「う~ん、う~ん。。。」
って唸りに行ったわけじゃないんだけども、まぁお金を払った以上はそこ、作品に何らかの意味というかメッセージを無理矢理にでも見つけないといけないタイプの強迫神経症に囚われ気味のあたくしですが、流石に今回はね、
「どうすんだ、これ」
っていうね。いや寧ろそれこそが作り手側のメッセージだったのではないかって気すらしてくるのね、本当に(何が?)。
で、どうすんだ、これ
まぁなんだ
「自分の居場所のない世界を破壊するには?」
って物語だと思うんだけれでも、居場所のない感じってのは、自分自身の内面の話で、なかなか外側、他人様にはわからないわけですよ。椅子取りゲームみたいに物理的に
「おめーの椅子ねぇーから!!」
っていうのと違ってね。表向き、居るところってのはあるんだけれども、ずっとそこに対して違和感を抱いている。でもそれはやっぱり他人様からはわからないわけですよ。本人が望んでいない境遇だとしても一応、傍から見ると収まっているからさ。
世界とは、その人が居ても居なくても回っていくわけで、じゃあそもそもいる場所なんてはじめからなかったじゃねぇかって話で、居場所のなさはある意味正しい感覚で、だからこそ人はあがき苦悩していくわけですよ。
まぁある意味この映画の登場人物たちが感じている疑問はまともというかwやっていることは全然まともじゃないんだけど。
いやさ、どうすんだ、これ
血で血を洗う。絵面的にはそんな感じなんだけど、そういう方向に吹っ切れている登場人物たちを観ていると、スクリーンのこちら側だと感情移入っていうのは難しいわけです。そこにリアリティはないからね。いや作り物なんだからリアリティなくてもいいんだけどw説得力はないとおかしいでしょ。
稲葉浩志先生おっしゃるところの
「はずれていく 自分のピッチを どうにかしたいんだろう」
っていうところで、あがいている姿が人の胸を打つのであって、ここまで吹っ切れちゃっていると「特殊な事例」というのかなw
パフォーマンスが過ぎるというか、完全にパフォーマンスに特化して中身がない(失礼)。これ、ぶっちゃけ元ネタの映画のパロディなのかなと(失礼)。
結局、どうすんだ、これ
理解に苦しむ、ぶっ飛んでる状況と行動原理のエピソードもあれば、ああ、そうだろうなと思えるエピソードもある。だけど折角共感できそうな物語があっても最終的に思考が常軌を逸しているから泣けもしないし笑えもしない。
このシーンを撮りたかったんだろうな、って感じのラストシーンなんだけど、やっぱりさ、スクリーンのこちら側からするとそれだけっていうかね。120分以上の上映時間をかけてまったく何も残らないっていうのかな(失礼)。話がわからないんじゃないのよ。ラストシーンまで辿り着いての、この
「で?」
って感覚。伝わりますかねw
え~総評
まさしく
「どうすんだ、これ」
っていうのかしらね。
「この世界を、この人たちをどうすんだ?!」
って話なんだろうけどさ、こっちとしたらお金を払って観ているわけだから
「どうすんだ?!」
って投げっぱなしも困るというかwいやそういうの好きな人も世のなかには居ると思いますよ。投げっぱなし。
でもねぇやっぱり作り手側の答えってのはいちおう用意しておくべきじゃないかしらん。思想なんて大層なものじゃなくていい。ただ「想い」っていうのはあってほしいじゃない?う~ん、まぁそんな感じの映画でしたね。