手術しない変形性股関節症と親の介護ブログ

親の介護体験や 変形性股関節症 保存療法への取り組みに関する記録

施設にいる母とようやく直接会えました。2021年11月

感染者数がだいぶ落ち着いていることから、母が入所している介護施設では、11月から面会の制限がだいぶ緩和されました。

 

要介護4で、介護施設に入所している母親(95) とは、今月1年と8ヶ月ぶりに直接会って触れ合える形での面会を果たすことが可能になったのです。

 

10月まではパーテーション越しに2m位の距離をあけて会うことしかできなかったので、触れることも会話もままならず、もどかしい思いをしてきたものです。

 

距離を置いて面会していた頃は、アクリルボードの先にいる母が、まるでバーチャル空間に存在するアバターのような、実体のないものに思えるように。。

 

ようやく直接会えて、1年8ヶ月ぶりに母の手を握った瞬間は、涙がこぼれるほどの感動でした。

 

触れ合うことで、ようやくリアルに母親を感じることができました。

 

母が生きている間には、もう触れることはできないかもしれない、という覚悟もしていました。

 

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約2年ぶり位に手を握って、顔を間近で見て、身体に触れてみたことで、「ずいぶん痩せちゃったな。。」という、悲しい驚きもありました。

 

在宅から施設に入ったこの2年ほどの間に、母はもう支えられても歩けなくなったし、固形物は食べられなくなったし、認知能力もだいぶ落ちてしまいました。

 

それでもまだ耳元で話しかけると、反応してくれることは多いのですが、会話としては成立しません。

 

母が勝手にしゃべり始めても、意味不明なことばかり。

 

でも、今回帰る時に

 

「じゃあね。また来るからね!」

 

と言って私が母の傍から立ち去ろうとすると、母は

 

「ありがとね。いつもいろいろと ありがとね」

 

と、初めてまともなことを口にしたのです。

 

今の母はもう、状況に応じた会話ができる人ではなかったので、偶然にして嬉しい感動を与えてもらえたな、と思い、涙が溢れました。

 

そう言えば、母は在宅で介護されている頃から、私たち家族やデイサービスのワーカーさん達に対しても、「ありがとう」という言葉はたくさん口にしている人でした。

 

自然と口からこぼれ出るくらいに、母はありがとうを惜しまず口にしていました。

 

それが頭だけで考えた口先だけの言葉だったら、認知症状が進んだ母の中からはもう消え去ってしまった言葉だったかも。

 

でもそれが、心の底から出た言葉だったからこそ、今でも母の中にしっかり残されているのかもしれません。

 

 


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