「目に指を入れる」
それもかなり深くまで・・・。
そう言うと、あなたはどのように思われるでしょうか?
"いきなり何のこと?″
"非常識にもホドがあるよ″
"ムチャしたら、失明するかもよ″
おそらくこうした答えが返ってくるのではないかと思います。
私たちの体はどの部位も大切で欠かせないものではありますが、中でも目は特に大切なところ。
そんな場所に指など入れてしまえば、トンデモない結果を招いてしまう。
入ってはいけない場所に、入ってはならないモノが入っていく。考えるだけでオゾマシくなりますよね。
でも、目ではなくても、本来入ってはイケない場所に、トンデモないものが入っているとしたらどうでしょう?
しかもたまにではなく、日々そんな行為を繰り返しているのだとしたら・・・。
■防御機能の姿
私たちの体と外部のもの。
基本的に、体に外部のモノが侵入できる場所。その入り口はたった2つしかありません。
1つは「口」から、もう1つは「鼻」から。
口は、食べものや飲みものを体内に摂り込む入口。
鼻は、空気、主に酸素などを体内に摂り込む入口。
この2つ以外に外部のものが体内に入り込む入り口はないのです。
目にゴミが入ったりもしますが、そうなれば痛くて仕方がありません。目には本来、何も入れないわけなのです。
また耳に水が入るケースもありますが、その不快感といえばMAXなもの。
片足立ちで体を倒してケンケンするなどして、どうにか入った水を外に出そうと躍起になるもの。
耳も本来、外部のものは入らないようになっているわけです。
でも、皮膚はどうなの?皮膚呼吸っていうじゃない??
そう思われるかもしれませんが、皮膚が呼吸する割合はたった、
「0.6%」
といわれています。
ほとんどが肺呼吸で、皮膚は本当にわずかな呼吸しかしないものなのです。
皮膚呼吸ができるのはカエルなどの両生類の特徴で、その条件は皮膚が薄いものであること。
太古の人類の祖先はできたのかもしれませんが、進化の過程でに皮膚が分厚くなり過ぎてしまった。
その結果、皮膚呼吸はほとんどできなくなったのが経緯と説明されています。
0.6%だけにしろ、機能を残している理由は、″太古の名残“、"進化の痕跡“
このように言えそうです。
皮膚呼吸ができなくなったら死ぬ!だなんて言われていますが、それはウソ!
人類は肺呼吸で生きているのです。
■皮膚の防御機能
そもそも、私たちの皮膚は、外部のモノを何も通さない。
こうした仕組みになっています。
皮膚の一番外側には、10~15層のいわば高層建築の
「角質層」
があるからです。
私たちの表皮層、真皮層の上には、死んだ皮膚細胞で構成される「角質層」が存在している。
それが体内の水分を蒸発させない機能を持つのと同時に、異物を中に入れない。
そのためのバリアになっているのです。
日光に含まれる紫外線も角質層は遮断するわけなのです。
水分の蒸発防止については、以前にもこのブログで述べさせていただきましたので以下を参照のこと。
※参考
『角質・角栓のナチュラルビューティー分析・美肌実現は自然尊重を本義とセヨ!【後編】』
角質層と真皮層との間にできる皮膚細胞が、表皮に向かって上へ上へと押し上がっていく。
約4週間・28日間で10~15層の角質層はすべて生まれ変わる。これが
「ターンオーバー」
と呼ばれる現象。
このように角質層は新陳代謝を繰り返すことで、水分の蒸発を防ぎ、常に新手の角質を繰り出して、体を異物の侵入から守っているのです。
■四重構造でガード!
角質細胞は、固いタンパク質のケラチンと保湿因子の「NMF」。
細胞間脂質、皮脂膜などから構成され、このNMFが充分に保たれている状態が
"肌の潤いや瑞々しさ″
を保った状態。それが失われてしまうと、ガサガサ・カサカサ肌の原因になってしまうと解説されます。
皮膚の厚さを上から順に見ておくと、
「角質層」:厚さ0.02ミリ。
「表皮層」:厚さ 0.2ミリ。
「真皮層」:厚さ 1.8ミリ。
その下に、脂肪組織が形成されている。これが人の皮膚の断面図になります。
このように四層構造で、内側からの水分蒸発を防ぐと同時に、内側への異物の侵入を阻む。
こうした構造になっているのです。
一見、脆弱なようにも見えますが、角質層は容易なことでは異物を通すことはありません。
切り傷、スリ傷、ヤケドなどの外傷を負うケースを除けば、かなり強固な構造物であることが言われるのです。
ちなみに、皮下組織の脂肪は、体全体を包む包装紙やクッション材のようなもの。
弾力を持たせることで外部からの刺激の緩和に役立っていることが指摘されているのです。
重要なのは「角質層」。角質層はその下の生きた細胞を守る役割をしていて、武士がつける
ヨロイカブトのようなものと解説されています。
ヨロイを纏った状態で、皮膚の中には何も入れない工夫が施されているのです。
角質層は水を弾いたり、異物が体内に入ることを防ぐための重要な役割を果たしています。
私たちがお風呂に浸かっても、プールに入っても、体が水膨れにならない理由は、外の水分を角質層が遮断しているから。
角質層を構成する保湿因子や細胞間脂質・皮脂膜の働きで、脂溶性の状態がキープされている。
“水と油の関係”で、水を弾き返してしまう。だから水ブクレにならないわけなのです。
この角質層を剝いでしまえば、たちまち水が侵入して、ブクブク膨れ上がってしまうことが言われます。
つまり角質層は、皮膚内部に何者の侵入も許さない。異物も、栄養も、空気もすべて、
「立ち入禁止!」
体内に外部からのモノが入って良いのは、口と鼻だけ。
私たちの体はこの2つの入り口からしか、外部のものを受け付けない仕組みになっているのです。
正しい入口から異物が入ったとしても、肝臓の解毒力で分解できる備えができている。
※参考
『毒の吸収・異物侵入の経路のヒミツに迫る!蓄積回避のナチュラル健康美容学』
このように私たちの皮膚は、基本的に何も通さない仕組みになっています。
でも、この皮膚の何層にもわたるバリアをいともカンタンに、潜り抜けてしまうものが存在している。それが、
「界面活性剤」
になるのです。
この界面活性剤こそが角質をはじめとした皮膚のバリアをいともカンタンに潜り抜けさせてしまう。
まさしく、「異物」。
それが体内で色んな不具合を起こしてしまうのです。
界面活性剤により角質層が壊されると、異物は体の中にドンドン侵入していきます。
私たちの角質層と植物の葉っぱのクチクラ層はよく似ていることがいわれます。
植物の葉っぱに水を落とすと、水を弾いて「水玉」になります。
これは脂成分でのクチクラ層のワックスが水を弾くことで起こる現象です。
でも、界面活性力のある石鹸水で葉っぱを拭いた後に再び水を落としてみると、今度は
水玉ができない。
葉っぱの内部に水分が入り込んでしまうのです。
もっと分かりやすい例が、白い花が咲いている植物の葉っぱを石鹸水で拭いておく。
その後葉っぱに、赤いインクを落としてみると、時間の経過で花は白から赤に染まっていく。
界面活性作用とは防御を壊し、内部の奥深くまで浸透する、
"浸透性が高い物質″
であるといえるのです。
■侵入者の如く!
人工の化学物質は、人体にとって、
「異物」
です。異物とはそこにあってはならないものを指す言葉です。
現在、日本人の2人に1人はガンになり、2人に1人が何らかのアレルギーを持つ。
このように言われますが、人工の化学物質がその原因になっている。
そう指摘する声が後を絶たないわけなのです。
合成界面活性剤を含め、人工の化学物質の特徴は
「脂溶性」
にあります。
脂に馴染みやすい特徴があるので、界面活性力で角質層が壊されてしまえば、人工の化学物質は皮膚の奥にまで侵入していきます。
そして脂肪組織である皮下組織に入り込み、そこに蓄積し、残留することになるのです。
皮下組織から漏れ出た化学物質は血液やリンパ液に乗って全身を駆け巡ることになる。
界面活性剤は私たちの皮膚の防御システムを
「台無し!」
にする恐ろしい異物といえるのです。
冒頭に目に指を入れることを申し上げましたが、それと同じくらい、皮膚から人工の化学物質を入れることはキケンなこと。
界面活性剤も、その他の人工の化学物質も、私たちの体には全く無用で、必要のない物質です。
口から入る分には解毒のシステムが備わってはいますが、皮膚は角質層がある程度で、解毒機能がかなり弱い。
体は皮膚から人工の化学物質が入ってくるなんて、全く想定もしていないし、当然、入れて欲しいなんて、一切思っていないわけです。
何か外からモノを入れるなら、
「口と鼻を経由してください」
私たちの体はその構造からこう叫んでいるにも関わらず、
“潤い肌”、“モチモチ肌”、“赤ちゃん肌実現!”
などといった宣伝文句に乗せられて、
キケンな合成界面活性剤などの人工の化学物質を皮膚の奥深くにまで招き入れてしまう。
体は無言でありながらも、そう発しているにも関わらず、
外壁を乗り越え、屋根の瓦を外して、家の中に侵入するといった乱暴な破壊行為に加担してしまっている。
基本的に体には、口と鼻以外から何も体内に
「入れてはならない!」
こういうことになるのです。
■台所洗剤のリスク
合成界面活性剤の
「ラウリル硫酸ナトリウム」
はシャンプーや台所洗剤などによく使われています。
洗い物をする際に、台所洗剤を使うと手がガサガサになりやすい。
それは泡立ちの良いラリウム硫酸ナトリウムの界面活性力によって、角質層が破壊された姿
でもあるのです。
その状態のまま、人工の化学物質のカタマリであるハンドクリームなどを塗ってしまえば、
どうなるか?
角質のガードがないので、クリームの成分がドンドン皮下組織に送り込まれることを意味する。
肌トラブル、炎症、ビラン、吹き出物が起こるのは当たり前だし、ガンなどの深刻な症状に発展する危険性も充分想定できる。
だからお皿洗いは合成界面活性剤の入ったものは使わないこと。基本的にお湯洗いを励行し、油の強いものは、
「天然の重曹」
などを使うようにすること。こうした努力が大切になるのです。
どうしても、お皿洗いに合成界面活性剤を使いたいのなら、せめてグローブをして洗うこと。
薄い手袋なんかも100円ショップなどで買えるので、それを装着してから合成洗剤を扱う必要があるのです。
またシャンプーも本当に気を付けてもらいたいと思います。
頭皮は脳に近く、人体にとって本当に大切な場所になります。
頭は皮膚の薄い部分で、しかも角質層がとりわけ薄いことが言われています。
まさか外部から毒物を塗り込まれることを、私たちの体は想定していなかったからなのでしょう。
薄い角質層と髪の毛の2つの防御器官を備えておけば、コレで脳は大丈夫!
そう判断していたように思われます。
でも、頭皮にラリウム硫酸ナトリウムを始めとした合成界面活性剤を使ってしまえば、
正直、大変です。
浴室は温かいので体温も上がる。体温が上がれば人工の化学物質の吸収率がより一層高くなってしまうことが理由です。
繰り返しになりますが、人の体から出る汚れは、すべて
「水溶性」
のものばかりです。
塗装業でペンキやインクを頻繁に扱うような仕事をしていない限り、シャンプーもボディシャンプーも一切必要ないのです。
使えば角質が壊されてしまい、その後の体内吸収・蓄積の流れとなってしまうので本当に注意をしてもらいたい。
お湯で充分だけど、どうしても洗剤を使いたいなら脂肪酸カリウム・脂肪酸ナトリウムを成分にした石鹸を使うこと。
そして石鹸といえども洗い過ぎないように注意して使うことが大切です。
洗浄の主力はあくまで「お湯」と心得て、石鹸であっても洗剤は「サブ」の位置にすること。
こういう意識が大切になるのではないかと思います。
ココまで言っても、ラリウム硫酸ナトリウムなどの入った合成洗剤を使いたいなら、決して地肌には使わないこと。
髪の毛部分だけに使い、根元の毛根にまで摺り込まないこと。そして使用後は、とにかく徹底してお湯で洗い流すこと。
シャンプーの回数をなるべく減らすなどの工夫も大切になるのです。
■ボリューミーのはずが!
また、
「プロテアーゼ配合」
なんて書かれたシャンプーも売られています。
“プロテアーゼ”なんて言われると、髪をふっくらボリューミーにしてくれるような印象を与えますが、これが何であるかといえば、「タンパク分解酵素」です。
タンパク汚れをキレイにする!そうしたコンセプトで配合されているのですが、よく考えてみて下さい。
確かにタンパク質は汚れにもなります。でも、私たちの体は60兆の細胞から成り立っています。
その細胞の約70%は水分で、その次に多いのが15%のタンパク質です。
プロテアーゼが汚れだけを選別して洗い落としてくれるならまだ良いのでしょう。
でも洗剤に意志はありません。
合成界面活性剤により破壊された角質層から、タンパク分解酵素が細胞に入り込む。
そうなれば、細胞のタンパク質を変性させ、次々に破壊していくことがいわれています。
タンパク分解酵素はガン細胞に似た動きをすることが解説されているのです。
当然、体の中では活性酸素が増えていきます。
活性酸素は「老化促進物質」でもあるので、たかがシャンプーがエイジングに加担する結果
を招いてしまう。
エイジングどころか、活性酸素の過剰は、ガンやアレルギーなどの難治性の病気の原因、
もっといえば
「張本人になる」
ものなので、こうしたリスクを踏まえることが大切です。
あなただけならまだしも、次の世代、子や孫へと引き継がれてしまうので、とにかく注意が必要です。
いずれにしろ、有害化学物質を排除することが、健康と美容の一丁目一番地で、肝腎カナメとなるので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。