「白いゴミ」
雪国において雪は、こんな風に言われています。
雪が積もれば、外出が困難になる。転倒などによりケガが多くなる。
家の屋根が潰れ、崩壊する危険だってある。こうしたことから、雪はゴミではなく
『凶器!』
そう呪うような声まで聞こえてくるのです。
昨年の今ごろ、母の介護で我が家を訪れていた往診医も看護師も、私たちがコワイのはコロナではなく、
「雪!」
こんなことをよく話していました。コロナは全く怖くない!
このことをよくよくご存知だったからなのでしょう。
でも、今年は昨年と打って変わって、雪の量が本当に少ない。実にラクチンな時間を過ごしていたのですが、昨日までの積雪は本当に凄かった。
家から周囲を見渡せば、どこもかしこも銀世界。
家では雪かき。夜勤においても休憩時間を削っての雪かき。休日の今日も朝から雪かき。
よって体は全身筋肉痛。農作業も山仕事もない、なまり切った冬場の私の体にとって、今回の雪は少々酷だった模様です。
思えば、こんな雪深い場所から天下に覇を唱えた上杉謙信公。謙信は本当に強い武将だったことがいわれています。
戦国最強の武将は武田信玄。なぜ信玄が最強なのかといえば、かの軍神・上杉謙信と戦い引き分けたから。
謙信ばかりは別格!アレコレ思い巡らせながら、重たい雪をかいているところです。
■雪と土
雪はゴミであり、凶器である。そうした面も確かにあるのですが・・・、でも、
無肥料・無農薬、自然栽培歴50年のベテラン農家さんは、これとは全く異なる見方を提示しています。
雪の浄化力は、ハンパない。雪こそが土の汚れを隅々までキレイにしてくれるありがたいもの。
雪が降ってくれる恩恵は、この栽培に取り組む者にとっては、
"計り知れない・・・"
こんな風に話すのです。
昔から雪が降った後の空気は澄む!なんてことがいわれていますが、それは土の中の汚れであっても同じこと。
雪国は農業に不利だなんて言われるケースも多いのですが、雪には素晴らしい自然の浄化力が備わっている。
肥料農薬を駆使する、この辺りの農家さんであっても、雪が少ないと春からの虫が多くなる。
こんな感想をもらすのです。
この均整の取れた左右対称の素晴らしい雪の結晶1つ1つが、自然界からの使者であり、
「お掃除部隊」
であるとも言えてしまう。
虫や病原菌と全く同じで、雪も風も雨も嵐も、自然界が派遣する地上のクリーンアップ部隊である。
肥料も農薬も一切使わない自然栽培においては、このように伝承されているのです。
我が畑も無農薬・無肥料の自然栽培に取り組み始めて、今年で9年目になります。
昨年は少数の方々に対してではありましたが、自然が育てた自家採種・自然栽培の野菜たちを実際に食べて頂くことができました。
今年も、さらに力を入れて春から取り組み始めよう!そう決意を新たにしているところです。
その前に為すべきは、土のお掃除から。雪が土の性能をより引き出してくれることを願いながら、除雪作業を続けております。
思えば、私の住む新潟のコメが美味いといわれる由縁は、夏場と冬場の寒暖差がホドよいことにあるといわれています。
また寒仕込みなんていわれるように、新潟が酒処といわれる由縁も雪の恩恵なのかもしれません。
さらに日本海の魚介類は身が引き締まって絶品!
雪がどうのとイヤがってばかりはいられない。雪国だから農業は難しいだなんて嘆いているヒマはありません。
自然の力を存分に頂いて、土をもっともっとキレイな状態に変えていく必要を思っているのです。
とはいえ、雪かきはやっぱり大変なので、ホド良い程度に降って欲しいものだな。
日々空を見上げながら、そんなことを思う今日この頃です。
■轟音の正体
そういうわけで、今日も朝から雪かきをしていました。
我が家はもちろんのこと、施設に預けた義理の両親の家。この空き家も除雪作業をしておかなくてはなりません。
そこで義家の雪かきしていると、家の中からゴー!という奇妙な音が鳴り響いている。
おかしいと思って玄関を開けると、そこは水浸し。寒波で水道管が破裂した!この事態に気づいた次第です。
大急ぎで、水道管の大元を止めたのは良いけど、全身ずぶ濡れ。水の量からして、今朝がた破裂した模様です。
濡れたままだったので風呂~!と叫びたくもなったのですが、このままでは家がダメになってしまう。
そこで、家中のタオルや布切れを総動員して、水浸しの床をふき取る。その作業を終えて家に戻ってきたところです。
誰も住んでいない家をそのままにしておくのはやっぱりリスク。人が住んでこその家である。
これから間もなく、日本の家の3件に1件は空き家になることがいわれています。
特に田舎における空き家問題は本当に深刻。そこかしこ空き家だらけであるのが偽らざる実感です。
日本政府はこの問題を海外からの移民によって解決しようとしている模様・・・。
人口が減ってしまえば、経済成長もGDPの拡大も絵に描いたモチになってしまう。
そうなれば、誰も銀行に金利なんて余計なモノを支払えなくなっていく。ただでさえ、預金者への金利の支払いに困り抜き、
「マイナス金利」
が囁かれ始めているのが現在の状況。
救世主は労働者にもなり、消費者にもなれる。そんな数多の移民を呼び込み、そこから再度の経済成長を図ろうする。
こうしたことがいわれているのです。
幸運なことに、この家を譲って欲しい!そう仰ってくれている方もおられるので、速やかに段取りを進めていこうと思っております。