糖質制限食の問題は?空腹と満腹からヒモ解く・和食のチカラを再考察! | 医者ギライ・クスリギライのための1日10分!医食同源・自然食実践ブログ

医者ギライ・クスリギライのための1日10分!医食同源・自然食実践ブログ

自然食業界歴15年の管理人が1日10分で医者にもクスリにも依存しない自然食実践術を公開。衣食住、生活環境、医を含めた医者ギライ・クスリギライのあなたに贈る!実践術をブログで毎日公開中!

テーマ:

「似て非なるもの」

 

世には、こうしたモノがよくあります。

 

食の分野でいえば、野菜と野菜ジュースとは同じようなもの。

 

とかく私たちはそう思ってしまいがちなのですが、実際はそうではない。

 

それは似て非なるものだといえてしまうのです。

 

野菜不足の解消には、このジュースを

 

"毎日1本!"

 

こうした文言で健康に良いといわれる、さまざまな野菜が入ったジュースなどが売られているのです。

 

あたかもそれ一本飲めば、現代人に足りない栄養を補えるかのような言いっぷり。

 

そんな感じで終始しているのが現状です。

 

でも実際の野菜ジュースはというと、本物の野菜には遠く及ばない。

 

試しにジューサーミキサーを用いて、野菜や果物のジュースを作ってみると・・・。

 

ドロッとしたり、ザラッとしたりと、口当たりの悪い部分が残ります。

正直、飲み口″スッキリ!″にはどうしてもならない。これは多くの人が経験していることではないかと思うのです。

でも、売られているジュースには、あのドロッとした感じが一切ない。

 

飲めばスッキリで、舌触りもノド越しも、とても良い商品に仕上がっている。

現代の高度な製法を用いれば、口当たりの悪い部分も上手に加工しているんだろうな。とかく私たちはこのように思ってしまいがち。

でも実際はどうかというと、この口当たりの悪い部分を取り除く製法はいまだ

"開発されていない″

その部分は、野菜ジュースから単純に取り除かれているだけ。これが現状になるというわけです。


野菜に含まれる食物繊維やカルシウムなどは、取り除かれる野菜カスの中にほとんどが含まれています。

この面からも、野菜と野菜ジュースとでは同じものではない。

野菜ジュースとは、大根やショウガを下ろして、ギューと搾って汁の部分だけを飲んでいるようなもの。

野菜ジュースでは野菜を摂取したことにはならない。こういうことになるのです。

また売られている野菜ジュースは、

「攪拌処理や熱処理」

などの製造工程が加えられています。

野菜を摂る際に期待するビタミンCやビタミンBなどのビタミン群は、酸素と触れたり、熱を加えられたり、光を浴びたりすることで、大きく損なわれてしまうことが分かっています。

熱処理を加えてしまえば、酵素だって失われてしまうわけなのです。

野菜ジュースを飲むことと野菜を食べることの間には、大きな差があるのが偽らざる現状。

 

野菜ジュースでは野菜の代わりには、なり得ない!

このようにいえるのです。

だからといって野菜ジュースが悪いわけでも何でもありません。野菜ジュースも果物ジュースも、心を養う目的の嗜好品として楽しんで飲めば良いのです。

あたかも1本丸ごと野菜そのものであるかのように宣伝を繰り返すメーカー側の姿勢にこそ問題がある。

野菜不足を解消するには、野菜を食べる以外に方法がない。こういうことになるのです。

 

※キレイなニンジンが採れました☆彡これから収穫期を迎えます!

 

■糖質のみが!

また最近では、糖分が問題!糖質はキケン!炭水化物は食べるな!

 

こんな感じで、盛んに糖分が問題視されている傾向が強く見られます。

 

でも、同じ糖分を含んだ食材であっても、その働きや機能。さらには体の中での影響についてもかなりの違いがあるのです。

 

そうした違いを弁えることなく、十羽ひとからげに、糖がワルイ!と頻りに騒ぎ続けている・・・。

 

それには大いなる違和感を覚えてしまうのです。

 

糖質制限を主張する側の人は、よくアメリカの栄養摂取の推移を引き合いに出す傾向があるようです。

 

1971年~2000年の29年間で、アメリカ人の肥満有病率は14.5%から30.9%へと倍増しました。

 

この間の平均エネルギー摂取量は男女ともに増加してはいるものの、総脂肪摂取の割合は男性で36.9%から32.8%。

 

女性で36.1%から32.8%へと低下している。

 

飽和脂肪酸の割合も男性で13.5%から10.9%、女性で13.0%から11.0%へとコチラも低下。

 

タンパク質の割合だって男性で16.5%から15.5%、女性で16.9%から15.1%と微減。

 

軒並み減少が続く中、糖質由来のものだけは、男性で42.4%から49.0%、女性で45.4%から51.6%

 

こんな感じで、糖質のみが

 

"上昇している・・・"

 

※参考:『エネルギーと主要栄養素の摂取傾向-アメリカ,1971~2000年

 

ゆえに糖質こそが肥満の原因であり、メタボ化を推進する張本人であり、糖尿病を始めとした万病の元になっているはずのもの・・・。

 

こんな感じで糖質制限食や糖質制限ダイエットなどに火がついたのが経緯になるというわけです。

 

糖質こそが諸悪の根源。でも、一口に糖質といってもさまざまな食材群があることだって事実。

 

小麦やお米に含まれる糖質(多糖類)もあれば、砂糖に含まれる糖質(二糖類)だってある。

 

さらにはこの間にアメリカで爆発的に広がり、伝統的な米国の食卓を一変させるに至った。そんな

 

「異性化糖」

 

だって、糖質由来のものであるといえるのです。

 

異性化糖とは、インスタントフードなどの表記でよく見かける「ブドウ糖果糖液糖」などのこと。

 

含まれる果糖が50%未満のものは「ぶどう糖果糖液糖」、50%以上90%未満のものは「果糖ぶどう糖液糖」、90%以上のものは「高果糖液糖」と分類されているのです。

 

トウモロコシを原料に、化学的・人為的に製造された異性化糖こと、高フルクトース・コーンシロップ。

 

これこそが肥満症や高血圧、糖尿病などの原因になっていることが明らかになっています。

 

糖が!糖が!と騒ぐ前に、お米などに含まれる糖質と異性化糖の糖質。

 

その違いについて、きちんと踏まえておく必要を思うのです。

 

では、異性化糖はどうして肥満や糖尿病を引き起こしてしまうのでしょうか?

 

■日本とアメリカ

そもそも異性化糖は、1960年代に日本で開発され、その後にアメリカで商用化されました。

 

当時のアメリカは砂糖の供給地であったキューバにおける社会主義革命の影響で、砂糖不足か深刻化していたことがいわれています。

 

そこで人が化学的に作り出した異性化糖という反自然な糖分に着目せざるを得なくなった。

 

砂糖は高額なため、安価な異性化糖に食品メーカーが飛びついたのが流れになるというわけです。

 

でも最初に開発された果糖42%の異性化糖(HFCS42)は、甘みが不十分だったため、消費量はあまり伸びなかったことがいわれています。

 

当時の技術では果糖含有量42%が限界であったことが解説されるのです。

 

でもその後の技術革新で、より甘みの強い果糖55%含有の異性化糖(HFCS55)が開発されると、瞬く間に支持を集め、米国の食卓を一変させるに至りました。

 

アメリカ政府は莫大な金額の補助金を拠出して、トウモロコシの生産拡大を強力に後押したことが伝えられているのです。

 

その後に遺伝子組み換え技術が導入され、現在に至っているのが流れになるというわけです。

 

こうして異性化糖は1970年代に爆発的に広がり、1999年には1400万トンにまで急拡大したのがコトの経緯。

 

異性化糖は、炭酸飲料、果実飲料、スポーツドリンク、シリアル、ジャム、パン、ヨーグルト、菓子類、ケチャップなどの調味料類・・・。

 

米国人のみならず、日本を含めた世界の人々が普通に食べる食材の中に混ぜられているのが現状です。

 

この普及に併せて、肥満症と二型糖尿病の罹患率は飛躍的に増え続けていることが指摘されています。

 

米国では使用制限や禁止運動なども盛んで消費量は減少傾向にあるのですが、日本ではそうした動きほとんど見られず増加している傾向が見られます。

 

飲食店などでは、いまだにガムシロップなどが普通に提供され続けている。

 

反自然な人工の糖分が私たちの体を蝕み続けているのです。

 

 

■ゼロ・オフとは?

異性化糖の何が問題なのかといえば、脳の満腹中枢が働きにくくなること。

 

お米などに多く含まれる「ブドウ糖」の場合だと、食べれば食欲を抑えてくれる消化ホルモンのグルカゴン様ペプチド1(GLP−1)の分泌が促進されていく。

 

それにより食欲増進を図るための腹ぺこホルモンこと、グレリンの胃からの分泌が抑えられていく。

 

かくして脳の満腹中枢はもうお腹いっぱいだから、これでもう

 

「ごちそうさま!」

 

こうした感じで、それ以上食べないようにと脳は指令を出すのです。

 

でも果糖の場合は、食べても食べても脳の満腹中枢は満足することがない。

 

胃からのグレリン分泌は続いたままの状態になってしまう・・・。

 

果糖は肝臓でほとんどが代謝され、そこで中性脂肪へと変換されていき、余剰分は内臓脂肪や皮下脂肪となって体内に蓄積されます。

 

さらに果糖の摂取は血糖値が上がりにくいため、糖尿病対策食やダイエット食などにも極めて都合の良い糖分であることがいえてしまう。

 

"カロリーゼロ!カロリーオフ!"

 

などと書かれた食品や飲料を見たならば、異性化糖が使われている確率が高い。そう疑ってみる必要があると思うのです。

 

メーカー側としても、血糖値対策に!なんて美名をつけて売りやすくなるわけだし、食べても満足しないわけだから、健康やダイエットの美名のもとにたくさん買って食べてもらえる。

 

異性化糖はメーカー企業にとっての

 

"利益の源泉!"

 

こうしたことが言えるのではないかと思うのです。

 

アメリカ・イエール大学で行われた実験においても、小麦やコメなどのブドウ糖の摂取後は空腹感が減り、満足感を得られたことが報告されています。

 

対して果糖の摂取後では満腹感が得られにくく、空腹感が残ってしまう・・・。

 

こうしたことが実験で明らかになってているのです。

※参考:

天然甘味料でも要注意!米国で使用制限広がる「異性化糖(果糖ぶどう糖液糖)」があふれる日本

 

異性化糖を摂るくらいなら砂糖を食べる。砂糖を摂るくらいなら、主食のお米をたくさん食べる。

 

このことの方がより合理的ではないかと思います。

 

お米のデンプンこと糖分は難分解性といわれる特徴を持っているため、胃や腸でゆっくりじっくり消化されていく。

 

そのため、血糖値の急上昇が起こりにくいこともいわれています。

 

また粉を固めた粉食のパンと違い、米は粒状であるため腹持ちが良い。

 

食事の際にしっかりお米を食べておけば、ついつい間食などに手が伸びにくくなっていく。

 

ササニシキに代表される"うるち系"のお米こそが最良のダイエット食材ではないかと私自身は思っているのです。

 

■和食のチカラ!

糖質制限食とは、お米などの糖質の摂取量を制限して、肉や乳製品などの高タンパク・高脂質食に置き換える。

 

こうしたダイエット法であるといえるのでしょう。

 

でも、そうした制限食では異性化糖と同様で、満足感が得られにくいことも厳然たる事実。

 

糖質制限を行うと、常に空腹感に見舞われ続け、胃からのグレリン分泌が継続することになってしまう。

 

ゆえに満腹感を求めて、日に何度も食事をせざるを得なくなる、こうした結果を招くのです。

 

これに対してお米などに含まれるデンプンはブドウ糖のカタマリで、食べればグレリンの分泌が低下し、満足感を得られやすいのに加えて、なおかつ長持ちする。

 

このことが明らかになっています。

※参考:『パンよりご飯! 朝からタンパク質! 食欲をコントロールする8つのセオリー

 

それはお米などの糖質が体にとってどれほど大切な栄養分であるか。このことを体の自然な仕組みが教えてくれているのではないかと思うのです。

 

肉や乳製品などの糖質制限食は、人体にとってあまりに効率が悪い。

 

そんな食事のあり方といわねばなりません。

 

それに加え、肉や乳製品などは肥育に莫大な時間と労力と資源とがかかってしまうもの。

 

さらには肉牛も乳用牛もどちらも、抗生物質や成長ホルモン剤に代表されるように

 

"薬剤まみれ"

 

で育てられているのが偽らざる現状です。

 

糖質制限食は人体にも地球環境にも、あまりにも負荷がかかってしまうもの。

 

糖質制限などに興味を持つのではなく、主食のお米にこそ再度光を当てる必要がある。

 

日本人なら和食の素晴らしさについて、再認識する必要を思うのです。

※参考:『本物とニセモノの違いを再度復習!肉と油の自然・不自然を考察する


早稲田大学の柴田重信教授が行っている研究で、小中学生の朝食に関する実に興味深い調査報告があります。

 

それはタンパク質をテーマにしたもので、肉類、魚、卵、乳製品、大豆製品の5つのタンパク質をどのように組み合わせているかについて調べたものです。

 

結果は、乳製品だけという小中学生の割合が36%、卵+肉の組み合わせの洋食派が24%、魚+大豆製品の組み合わせの和食派が5%という数値が割り出されたとのこと。

 

どの組み合わせであるにしろ、朝からタンパク質を摂っているグループは摂らないグループより、総じて成績が良く、体力面でも高かった。

 

さらに興味深いのは、和食スタイルでタンパク質を摂っている子どもたちは、成績、体力、メンタルのいくつかの項目が、

 

「特に優れていた!」

 

と報告されているのです。

 

子どもは和朝食で育てるべし!、こうした結果が導き出されたそうなのです。

 

世界中の人々が日本食の素晴らしさを称賛し続ける中、本家本元の日本人が伝統的な食事のあり方をあまりに軽視し続けてしまっている。

 

それは本当に忌むべき状況ではないかと思うのですが、あなたはいかが思われるでしょうか。

 

 

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村