不足し続ける日本のIT人材。就職・転職・副業・起業・学び直しで、飛躍の一歩を踏み出す

こんにちは、Gene-K(@SmileWork_LAB)です。

IT企業で長く人事の仕事をしていましたので、どうしてもIT業界やIT人材の動向に注目してしまいがちです。

ということで、今回は「不足し続ける日本のIT人材とチャンス」についての話です。

近ごろ、ビジネスも人材も「DX(デジタルトランスフォーメーション)」がトレンドです。と言うと、なんだか「IT・ICT・IoT」というワードには少しレトロさを感じてしまいますが、日本における社会基盤・産業基盤を下支えしているのは、IT企業であり、IT人材であることは変わりません。変わらないのですが、変わる必要はあります。デジタル社会への変貌に先駆けて。

日本におけるIT人材についての課題感は、以前から経済産業省のレポートでその問題提起がされています。いたるところで引用・解説されていますので、すでにご覧になっている方も多いかと思いますが、ポイントをしぼって、簡単に振り返っておきたいと思います。

IT業界やIT関連の仕事に携わっている方に限らず、社会システムの中核を担うIT(DX)の動きを大まかでも知っておくと、社会が必要とする人材像必要なスキル(能力)のヒントが見えてきます。

就職活動や転職の際はもちろん、社会人としての学び直し、さらには、副業や起業を考える際も、こうした次世代へと移り変わる社会動向をつかんでおくことは重要です。VUCAと言われる先行き不透明で不確実で何が起きるのか分からない今の時代は特にです。自分のキャリアの行く末を見失わないためにも。

日本における「IT人材」が2030年には最大79万人不足する?

経済産業省による「IT人材需給に関する調査(概要)・平成31年4月」では、2030年時点で最大79万人のIT人材が不足すると試算されています。

出典:「IT人材需給に関する調査(概要)・平成31年4月」(経済産業省)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

これは、情報通信業の労働生産性上昇率により変動されるとしていますが、日本と諸外国の生産性の差異は以下のとおりです。

日本の情報通信業の生産性の低さが際立っています。IT人材不足とIT企業の生産性の低さがIT先進国との間に大きな差を生じているという課題は、残念ながら長く解決できていません。

これは、日本のIT産業の構造的な問題、人への投資の問題、働き方の問題など根深いものが複雑に絡み合い、長く業界と人材の成長の障壁になったままという要因がその背景にあります。

出典:「IT人材需給に関する調査(概要)・平成31年4月」(経済産業省)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

AI人材の必要度合い

AI を実現する数理モデルについての研究者(ただし、学術・研究機関を除く)や AI 機能を搭載したソフトウェアやシステムの開発者、AI を活用した製品・サービスの企画・販売者を「AI人材」として定義し、その需給及び需給ギャップを試算しています。

こちらもAI市場の需要や生産性にも左右されますが、2030年時点で最大24.3万人のAI人材が必要とされています。

出典:「IT人材需給に関する調査(概要)・平成31年4月」(経済産業省)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/gaiyou.pdf

人手不足感はコロナ禍前の水準に

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2022年7月)」によると、人手不足が最も顕著となっていた新型コロナ禍前の水準に、既に近づきつつあるようです。

この調査の見出し「人手不足の企業 47.7%と半数に迫る。旅館・ホテルは約 7 割で正社員不足、コロナ禍で最高 ~ 飲食店は 73%が非正社員不足で深刻な状況 ~」と、この具体的な数字だけ見ても人手不足の深刻さが伝わります。

また、2番目に正社員の人手不足割合の高い「情報サービス」について「IT 人材の不足が顕著に表れている「情報サービス」は 64.9%で、依然として慢性的な人手不足が続いている」と報告されています。

出典:「人手不足に対する企業の動向調査(2022年7月)」(株式会社帝国データバンク)https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220812.pdf

また、正社員が不足している企業の7割超が「賃上げ」を実施しているとのことです。

IT人材を積極的に採用する背景

IT企業は「人材」がすべてです。特に、日本のIT産業の構造自体がそうなったままですし、IT企業の多くのビジネス・スタイルが、それ前提で確立されていますので。良いか悪いかは別としてその実態は長く変わりません。

新卒採用におけるIT企業の採用活動は群を抜いて早いのですが、こうした慢性的な人手不足がその背景にあるわけです。

できるだけ早期に長期に新卒採用を行いながら、並行して経験者はもちろん、「未経験者も歓迎!」とする第2新卒を含めた中途採用も積極的に行わざるを得ないのが人手不足の実情です。もちろんその企業のブランド力によって活動力とパターンに当然違いはありますが。

従来のIT人材はもちろん、AI人材やDX人材など高度IT人材については、あらゆる産業や業種でその必要が高まっていますので、その人材争奪戦については、今後ますます過熱していくことでしょう。

「先にやる・複合的にやる」で活躍のチャンスを掴む

成長分野への円滑な労働移動を進め、労働生産性を向上させ、更に賃金を上げていくために・・・」とする政府の政策意図を読み取ると、たとえば、不足する情報サービス業(IT企業)にその活躍の場を求め、IT人材への転身を図ることも未来に繋がるキャリア形成のひとつです。

また、DXに取り組むことが未来への生き残りのために重要な経営課題とされている今、すべての産業・業種においてIT人材、DX人材が必要とされています。これにより、IT人材の活躍の場は、もはやIT企業に限らず、IT業界以外の産業・業種へとどんどん広がっています。

なぜ「ⅮX人材(デジタル人材)」なのか? 政府の政策から読み取る、これからの時代に必要なスキルとキャリア、マインドについて

日本が目指すデジタル社会においては「全ての国民が、役割に応じた相応のデジタル知識・能力を習得する」「現役のビジネスパーソンの学び直し(=リスキリング)が重要」という政府の提言がすべて社会に求められる人材像そのもになっているのです。

近ごろ話題の「リカレント教育」と学びの支援

就職・転職・副業・起業・学び直しの先のチャンスはここにある!と言っても過言ではないでしょう。

重要なポイントは、「皆がやってる、やりだしたからやる」のではなく、「先にやる」「単一でなく複合的にやる」。

これが他者との差別化になり、飛躍のためのチャンスを引き寄せることに繋がります。そう、チャンスは単なる偶然性ではなく、準備する者の前に現れます。その一歩を踏み出した者に。

賢者はチャンスを幸福に変える。

ジョージ・サンタヤーナ

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