除外診断の必要性
お久しぶりの更新となりました。
梅雨前線が活躍する季節となり、体調不良に悩まされている方も多いかもしれませんね。
今回は「除外診断の必要性」について、ご紹介したいと思います。
思い起こせば、息子が約3年半前に体調不良になり、学校へ全く行けなくなった頃のこと…
めまいや頭痛、耳鳴り、体温調節異常、光過敏、記憶力低下、思考力低下などなど、次から次へと様々な症状が出ていました。
こんなに沢山の症状が出ているにも関わらず、様々な検査を複数の病院でしてもらっても異常が見つからず、ようやく診断がついたのが「起立性調節障害」でした。
しかしその頃、医師から言われた訳ではありませんが、似たような症状の「脳脊髄液減少症」の存在を知りました。
「もしかして息子も…?」と気になり、脳脊髄液減少症について、色々と調べました。
今は有難い事に、ネット上で様々な情報を探す事ができます。
患者さん自身が書いたブログや、患者さんのご家族が書いたブログなども大変参考になりました。
調べれば調べるほど、息子が脳脊髄液減少症である可能性が捨てきれないように思いました。
しかし…脳脊髄液減少症の検査は入院して行なうもので、かなり患者に負担のかかるものでした。
検査をするべきかどうか、正直すごく迷いました。
それでも検査をしようと決めたのは、1年も2年も今の体調不良が続いて、やっぱりあの時に検査をしておけば…という後悔をその時になってしたくはないと思ったからです。
つまり我が家の場合は「除外診断」のつもりで、脳脊髄液減少症の検査をしたのです。
検査をしても脳脊髄液減少症でなかったなら、起立性調節障害の治療に専念すればいいし、万が一、脳脊髄液減少症だった場合は適切な治療が受けられる、そう思いました。
その結果…息子は脳脊髄液減少症である事が分かったのです。
その後、3度の治療を重ね、まだまだ通常の生活とはいきませんが、それでも3年前に比べたら雲泥の差と言えるほど、体調は改善されてきています。
現在残っている症状は、発症当時に比べ、かなり少なくなっています。
朝起きられない、疲れやすいといった、主に自律神経症状が残っています。
息子の場合は、恐らく脳脊髄液減少症が原因で、起立性調節障害を合併したのではないかと思っています。
でも、もし「起立性調節障害」という診断がついた時点で、他の病気が隠れている可能性に気づけなかったら…
きっと今も息子は、寝たきりに近い生活を送っていたのではないかと思います。
重度の起立性調節障害なのだと思い込み、息子の大切な時間を寝て過ごすだけに費やしていたかもしれません。
そんな事を思うと、診断がついても他の病気が隠れていないとは言い切れないので、症状に合わせて「除外診断」を受ける事は大切なのではないかと思います。
特にお子さんの体調不良は、本人がうまく伝えられなかったり、診断が難しかったり、思春期で反抗しているだけだと勘違いされたり…様々な事が重なり、本来の病名に辿り着きにくい面もあると思います。
起立性調節障害が発症しやすい年齢のお子さんの場合は、医師もそう思い込んでしまい、もしかすると他の病気の可能性を見落とす事もないとは言い切れません。
何かしらの治療をしても、なかなか改善されない場合には、他の病気が隠れていないか、他の病院でセカンドオピニオンを受けるといった事も大切だと思うのです。
子供に限らず、闘病生活が長引いている方にもそれは当てはまると思います。
症状が似ている病気がある場合は、よく調べて、必要に応じて除外診断を受けるなど、ぜひなさってくださいね。
それによって治療法が違ってくる場合もあると思うので。
最後に…以前、ご紹介したWeb学習教材の「すらら」ですが、闘病生活が続いて勉強の遅れが気になるお子さんにおすすめなので、過去記事のリンクを貼っておきます。
ご興味のある方はぜひご覧くださいね。