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社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

映画『フォックスファイア』その2

2021年03月30日 | 映画
 

 というのも、この映画、自分たちの居場所がない少女たちが、自分たちで集まって「自律した」共同生活を送っていくのだけれど、当然、経済的に行き詰まって、ある男の身代金誘拐を企てる。

 この後、意図しない出来事になって……。ということになるのだけれど、やはり、少女あるいは女性が自分で経済的に自律して生活を送っていくことの難しさが、少女の視点から描かれていて、この映画には、あらためて感心させられたのだった。

 で、『オーシャンズ8』について言うと、女性たちが軽やかに犯罪行為(ただし人を傷つけない)をこなして世渡りをしていく姿が、あまりにも現実と反対である種のモヤモヤ感を感じさせる原因だったことがわかったのだった。(無論、楽しく現実を忘れさせる映画というものも重要だと思うが)

 この『フォックスファイア』を監督したローラン・カンテは、『パリ20区』も良い映画だったけれど、当事者たちの視点で物語を描くのが特異な監督なのかな? とも思った。

 それから、DVDなどで映画を何回も見直せたり、細部を気にしながら見ることが出来るのも良いことだと思ったのだった(映画館の大きなスクリーンで見るのも映画の醍醐味だけど。他方で、私は同じ映画を何回も映画館で観るほどの映画ファンではないし、あと、お金もかかるのでそれは出来ないので……)。

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