Divo537, 259g (silver), 76mm, mintage ?

 

パリ市内にあるPetite Ceinture:小環状鉄道線のうちCeinture Rive Gauche:左岸線

の開通を記念するメダル。

小環状鉄道線は大部分が貨物線として開業した後に旅客線となりましたが

他の路線と競合が激しくなり1990年代以降はほとんどが廃線となったそうです。

 

今回のメダルのエッジにはBee:蜂の刻印がありますが

1880年に再鋳造されたものではCornucopia:豊穣の角の刻印があります。

参照:メダルのエッジは語る

 

これまで何度も指摘している通り、ナポレオン3世の内政には評価すべき点があり

中でも特筆すべきは鉄道網の整備でした。

鉄道が描かれるナポレオン3世のメダルは

1枚目:1866 France Yssingeaux Agriculture Show Medal

2枚目:1855 France Opening of Paris-Marseille Line Md

に続いて3枚目となります。

1枚目62g、2枚目275g、3枚目259gといずれも超大型。

特に、今回のメダルは非スラブ入で259gですから

持った時にはメダルそのものの重量をずっしりと手に感じることができます。

 

表のデザイン

ナポレオン3世の100gを超えるメダルはこれで4枚目となりますが

1枚目:1855 France Paris Universal Exposition Medal

2枚目:1854 France Battle of Inkermann Medal

3枚目:1855 France Opening of Paris-Marseille Line Md

初めて有冠の肖像です。

 

裏のデザイン

セーヌ川にかかるパリのベルシー橋は、元々、吊り橋だったのですが

鉄道を敷設するため1863〜1864年に石橋へと造り替えられました。

よく見ると、左からも右からも蒸気機関車が渡ろうとしていることが分かります。

橋の下を流れるセーヌ川にはヨットと蒸気船が浮かんでいます。

なお、パリの紋章の左右にパドルを持った天使ような人魚が描かれていますが

その由来は分かりませんでした・・・