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コンタクト再定義

コンタクトレンズ市場 


コンタクトレンズ協会の調査によれば、国内コンタクトレンズ市場は2019年で2,889億円となっており、2010年からのCAGRは約3%と安定的に成長している。

この成長要因の一つには、メガネからコンタクトレンズへのスイッチがすすんでいることがあげられる。以下は、家計調査の1世帯あたり消費支出額のデータであるが、メガネが減少している一方で、コンタクトレンズは70代を除く全ての世代で伸長している。

コンタクトレンズ1世帯あたりの消費支出額



眼鏡1世帯あたりの消費支出額



コロナ禍におけるコンタクトレンズとメガネ


以下は国内主要メガネ・コンタクトブランド6社の売上高を比較したグラフである。人の移動が少なくなったことで、メガネ・コンタクトの売上高は減少している。メガネの落ち込みは特に顕著で、これは店舗営業が自粛となったことが主因であると推測される。一方で、コンタクトは相対的にブレ幅が小さく、緊急事態宣言後も経済活動の再開に伴って回復していることが見て取れる。

個別企業に目を向けると、JINSは緊急事態宣言後に急回復している一方で、三城や愛眼は回復に乏しい。コンタクトレンズにおいては、シードやシンシアが前年の上昇もあって大きく下落しているものの、メニコンはじめ売上自体の下落は限定的なものにとどまっている。

コンタクト主要国内3社と眼鏡3社の売上高


 コンタクト:シード、メニコン、シンシア 眼鏡:三城、JINS、愛眼
HOYAはメガネ、コンタクトで別々の開示がないため除外

コンタクト主要国内3社と眼鏡3社の売上高YoY




【参考】売上高



コンタクトのカタリスト


・視力の低下

推測の域を出ないが、在宅勤務の増加でPC時間が増加し、人々の視力が低下している可能性がある。筆者がTwitterで実施した調査によれば、約73.2%の人が視力低下を感じたと答えている。よって経済活動が再開すれば、コンタクトやメガネの対象者が拡大する可能性がある。

・ファッション志向(メガネ→コンタクトへの切り替え)

20代から30代の男女で特に顕著なように思うが、ファッション志向が高まっているように思う。コンタクトレンズはこうしたファッション志向のトレンドと相まって、需要が高まる可能性が大きい。

・マスクとメガネの相性悪

2点目とも合致するが、マスクとメガネは非常に相性が悪いように思う。まず、メガネの種類によってはマスクとメガネが不審者のような印象を与えること、またマスクを着用すると呼吸でメガネが曇りやすいため、消費者のストレスとなる可能性がある。

国内ではメニコンが突出、割安のシードに期待


株価パフォーマンスを見るとメニコンが突出している。メニコンは100万人以上の会員を有する定額制プランを基軸に、今後も売上を伸ばしていくと見られる。そのほか、割安のシードにも注目である。コンタクトレンズの売上が軒並み2桁減という状況を受けて、株価が軟調に推移しているが、経費の圧縮等も進んでおり、今後売上の回復に伴って利益率水準の底上げが期待される。

主要上場アイウェア銘柄パフォーマンス(年間)


Source:Bloomberg、会社資料より筆者作成



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