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【会計事務所のM&Aの体験談 ③ (2/3)譲受側 S税理士法人(大阪市内)】

(1/3よりつづき)

4.スタッフの引継ぎ状況について
スタッフの引継ぎについては、残念ながら経営統合後の2年経過後に2人ともに退職されました。
税理士法人としては継続勤務を慰留しましたが、70歳で年齢的に退職を予定されていた方と、両親の介護を機に退職希望の方(50代)でした。引継ぎ業務を熱心に手伝っていただき、大変感謝しております。

5.会計ソフト、税務申告ソフトの状況について
会計ソフトは、譲渡側の事務所が有名な専用システムを利用されていました。
こちらでは、一般的な市販の会計ソフトと税務申告ソフトでしたので、統合から最初の決算までは、専用システムを利用できるように更新し、その次の年度からこちらの市販の会計ソフトに変更しました。税務申告ソフト(法人税、所得税、年末調整、消費税など)は、統合後の最初の決算・税務申告からこちらの市販の税務申告ソフトに入れ替えました。
クライアント側で同じ専用システムを導入して自計化しているケースがあり、コストメリットを説明して次の年度から市販の会計ソフトに変更していただくようにお願いしました。クライアントの協力もあり、ほとんど問題ありませんでした。1社だけ、請求・支払業務にも専用システムを活用している会社があり、クライアントだけ専用システムを継続しているケースもありました。
なお、譲渡側事務所の専用システムが統合後から1年経過後は、更新せずに使用不可となるため、統合前の3年間の決算書、会計帳簿、申告書類などをすべてPDFデータとして保管するようにしました。

6.譲渡側の先生のフォローについて
統合前の準備期間から統合後のフォローまで一緒に対応していただき、大変感謝しております。先生もできるだけ、クライアントの離脱が無いように一生懸命にクライアント毎の特徴、注意点などを教えていただきました。統合後は、決算前の訪問時、決算処理後の報告時、税務調査の立会時、クライアントの重要な会議の時などには同席していただきました。クライアント側も安心されていました。実際のところ、引継ぎ期間は1年から1年半ぐらいでしたが、3年間の顧問契約で必要な時にアドバイス、過去の申告内容、過去の取引経緯と背景、経理上の特徴、決算時の注意点、親族の人間関係などを教えていただきました。
譲渡側の先生と引受側の税理士が一緒になって、クライアントへ今までと同じようにサービスすることが秘訣と思いました。
急にやり方を変えたり、前のやり方を否定したり、税務上の観点から変更したり、などはできるだけしないことが良いと思いました。やはり譲渡側の税理士先生に感謝して、クライアントへの配慮だけでなく、譲渡側の先生への気遣いが必要と思います。
この業界には、細かい人間が多く、すぐに申告書上や会計処理のミスを指摘したり、前任の税理士さんのやり方を否定して得意げに対応する税理士がいますが、M&Aでは、良好な人間関係が一番であり、お互いの気遣いが一番重要と思います。

7.M&Aをして良かった点、大変だった点
良かった点は、もちろん、クライアントの増加、売上高の増加が一気にできることと思います。社歴が長く、しっかりしたクライアントも多く、多くの経営者の方と仕事を通じて懇意にさせていただき、私の人脈も一気に増えました。ゴルフをされる経営者の方とは意気投合して、定期的にお誘いをいただくようになりました。
また、今までに経験のない業界のクライアント、新しい税務知識も勉強になります。
譲渡側の税理士先生の事務所のやり方、ノウハウ、トークスキル、情報管理、書類整理なども大変参考になりました。参考にするべき点はすべて取り入れて、サービス向上に役立てております。
大変だった点は、統合前後の準備とあいさつ回り、クライアント毎の引継ぎ対応業務、経営者の方とのコミュニケーション、初めてのクライアントの業務が、一気に来ましたので、さすがに業務量・処理量が多く、時間的・精神的にきつかったことを覚えています。
当然ですが、現在のクライアントの業務も気を抜かずに今まで通りに対応しなければならず、引継スタッフ2人と事務所のスタッフ全員の力を合わせてなんとか乗り切ったと思います。
(3/3へつづく)

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