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万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

D510-19「「フランス!軍隊!デボワチーヌ!」エレール1/72製作記

この"デボワチーヌ製作記"もあっちへ行ったりこっちへ行ったりでいつの間にか19回を数えている。ほとんど半完成から始めたはずなのに「一体いつになったら終わるのだ!」とお怒りの諸兄、どうかご安心召されたい。お題の通り今回でご臨終、じゃなかった大団円を迎える。

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前回から風防がない、風防がないと横山やすし状態であたりを見回している工房主だが、今更出てくるはずもないのは分かっている。四十年の歳月に加えて三回の引っ越しである。豆粒ほどの透明部品がどこかへ行ってしまったとて、なんの不思議もない。

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実機写真を見れば風防は簡単な風除け程度のものだ。透明プラ板をカットして適当に折り曲げてデッチ上げればいいだろう。

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いくつか作ってうまくフィットするものを採用する。数を作ればどんどん上手くなる、とは限らないからムキになっても仕方ない…と気づいた。何事も「無理をしない」「のめり込まない」が座右の銘である。

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窓枠はハセガワのメタルシートのステンレス色を細く切ったもので再現。「スジボリしないのかよ!」とイキリ立つ声が聞こえそうだが…「しいひんしいひんそんなんしいひんて」 (工房主の関西弁は変だ、とよく指摘されるが生息地域は京都文化圏でどちらかというと京都弁なのだ。大阪弁なら「そんなんせえへんわ!」となる)
コクピット横のベンチュリー管さんもあらへんし。行方知れず続出やん」

最近見た覚えはあるから、少しは探してみた。まあアリの胴体ほどの大きさなので見つかる方が奇跡に近い。亜空間物質転送機(通称"ソウジキーヌ")にでも吸い込まれたか、と早々に諦める。

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無いものは仕方ないので新しく作る。伸ばしランナーをリューターのチャックに咥えて回転させ、挽物(ひきもの)の要領で刃物をあてて鼓形に削り出す…
といっても挽物の経験などあるはずもないからTV番組などでの職人芸の見よう見真似。前後に穴を開けて完成。上の画像ではアップなのでなんだか縄文土器みたいだが…
機体に付ければそれなりに…見える…見えるて…見えるっちゅうに!

(このあと紛失したパーツがひょっこり姿を現した。模型作り"あるある"である)

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アンテナや足掛けなども自作して取り付けて完成…

…のはずが…ピカピカでなんだかオモチャっぽい…と気になりだす。
以下、脳内の独り言。

戦間期の機体だから、と当初はミュージアムなどの展示物のミニチュア的なツルンとした仕上げを目論んではいたんだよな…

…クラブの人たちはみんな綺麗な作風だから汚い作品は持って行きにくいしなあ…
…でもまあ筆塗りはやっぱり”風合い”みたいなものが積み重なってくるわな…
やっぱりいつも通り”実感重視”仕上げにしよう…

 

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ウェザリングマスター各色で味付け。それなりにバランスがとれ、実感は出たが、やっぱりいつもの様に少しコ汚くもなった。…こりゃモウ手癖みたいななもんか…

結局、ミュージアムというより小さなアンティークショップの棚の方が似合いそうな出来に。作ってる本人が骨董品的佇まいの方を嬉しがる種類の人間なのだから当然のことかもしれない。他人に高い評価をしてもらう為に作っているのか、自分のために模型を作ってるのか。う〜む。難しい問題だが、まずは自分の満足がなければ・・・

 

f:id:sigdesig:20210212120806j:plainともかく、粋でいなせなデボワチーヌD510の完成である。めでたしめでたし。マーキングも赤地に白のお稲荷さんと年初の作にふさわしくお目出度い絵柄である。

脳内で"ラ・マルセイエーズ"がフルボリュームで鳴っている。思えば最初に手をつけたのは80年代初頭だった。

「諸君!四十年の歴史がこのデボワチーヌ製作記を見つめている!」

 

 

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