卒業して数年が経ち
活動再開の目途が立った僕らの次の目標は
都内の名の通ったライブハウスへの本格的な進出だった
当初僕らは名の知られたライブハウスに
それも土日祝日などにこだわって出演することは
出演を希望するバンド同士での競争率が当然高くなるであろうことから
そう簡単ではないだろうと考えていた
だが意外にもそれほどの問題もなく審査は通り
三軒茶屋Heaven’s door、新宿Loft、下北沢Shelter、六本木Club edge、渋谷Chelsea hotel
などのライブハウスに次々と出演していった
当時の僕らは都内の週末のクラブが
毎週のように満員の客で賑わっているのと同様に
ライブハウスにも注目のインディーズバンドをいち早くチェックしようと
考えている音楽ファンが集まり連日のように大いに賑わっているだろうと考えていた
そのため今はバンドの知名度が低くても
都内の有名なライブハウスで良いライブを重ねていけば
自然と僕ら自身のお客さんも増えていくだろうと考えていた
だが
都内のライブハウスで数本のライブに出演していく中で
確かに客席が超満員となる日もあったが
日によっては明らかにお客さんの数が少ない日もあった
これは連日クラブのような賑わいを想定していた僕らにとっては予想外の事だった
僕らはライブハウスは出演の審査こそ厳しいものの
そこを通りさえすれば
バンドの成功は約束されたも同然だと考えていたのだ
またライブを行うにあたってバンド自身が保証するチケットノルマ(ライブハウスがバンドに集客保証をかけて、達成できなければバンドがその差額をライブハウスに支払う仕組み 三軒茶屋Heaven's doorはこのノルマ制度を強く批判し、実際にノルマ制度をとっていない)の存在も
バンドがライブ活動を続けるにあたって予想以上に大きな壁となっていった
ライブ出演を繰り返しながらもバンドの知名度が思う様に上がっていかず
ジレンマを抱え苦しみながら活動を続けていた僕らに大きなヒントを与えたのは
僕らRed Colored Gunのベーシストの中島大介だった
2018年夏のライブ出演に際して
彼は自ら立ち上げたSNSを通じて知り合った友人を
お客さんとしてライブに連れてきたのだ
それまでの僕らはライブ開催の日取りが決まると友人や知人に直接声をかけて
ライブに誘っていた
だがこれから先の活動を見据えれば
この方法でこれ以上活動をしていくのはさすがに無理が生じていた
そしてそのことからライブの本数も最小限に抑えざるを得なかった
メンバーの全員が活動を継続するにあたって何らかの形でバンドの知名度を上げていかざるを得ないという意識は共有していたもののそれに対する答えが出せず
有耶無耶にしたまま活動を続けてしまっていたのだ
だがSNSを通じたバンドプロモーションには大きな可能性があると感じ
バンドは2018年にインスタグラムを
2019年にブログをそれぞれ立ち上げることとなった
これらはバンドとして事実上初めてのプロモーション活動となり
結果としてバンドの予想をはるかに上回る反響をいただくことができた
もともと作成していたバンドのホームページに加え
バンドの動きを即座に発信できるインスタグラムと
ステージでは語ることのできないバンドの音楽観や歩みを綴り
バンドをさらに深く知っていただくためのブログはお互いを補い合う関係となっていて
今ではRed Colored Gunの活動に
欠かすことのできない大切なツールとなっている