越冬野営ナチュラルシェルター(暖房付き)冬の森編【野営】
みなさん明けましておめでとうございます☆
どうも、サバイバル愛好家のワンパクでございますぅ
当ブログは、アウトドアにおいてなるべく何も持ち込まず、現地で道具を作ったり、食糧などを現地調達したりするアウトローな内容の記事であるにも関わらず、昨年みなさまにはご愛読いただきまして誠にありがとうございました
2021年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします
諸事情により久しぶりの記事更新ですが、さてさてこの冬は、北海道でも過去最高の積雪量となっている地域があるなかで、この地域は例年通り積雪ゼロとなっています(12月最終週撮影時)
気温の方も最高気温マイナス5℃、最低気温マイナス8℃と例年並み
陸別町や朱鞠内、旭川市、北見市など北海道の厳寒地と比べると『厳しい寒さ』とは言えないけど、この環境でサバイバルをするにはこの寒さを克服しなきゃね
てことで、2021年一発目の記事もアウトローな内容『暖房機能付きのナチュラルシェルター』のご紹介です
それじゃあ、早速いってみよー☆
越冬野営ナチュラルシェルター(短期野営用)
【ナチュラルシェルター】とは、テントやタープを使わず、さらにはパラコードや麻紐なども使わずに、木の葉や蔓など自然の中にあるものだけで作ったサバイバルシェルターのことだとワンパクは勝手に定義しています
今回はシェルター設営の時間がないときでも簡単に作ることができる短期野営型の暖房機能付ナチュラルシェルターをご紹介
立ち上る焚き火の熱気を活かしつつ、就寝中の安全も確保したベッド型シェルターとなっており、同じ暖房機能を備えたナチュラルシェルターの定番【チムニードラフトベッド】と違い、傾斜地を利用した立体構造とするため、凍てついた地面に穴を掘る手間もなく、パラコードや蔓などは一切使用しないので30分もあれば設営可能という手軽さ
日が落ちるのが早く、森の中での活動時間が必然的に短くなる冬季サバイバルにはピッタリですね
ちなみにこの記事で紹介するシェルターは、雑誌などでブッシュクラフターが丁寧に作った『見せるシェルター』とは違い、ナタやノコギリ・手斧などの道具を一切使わず、ワンパクの己の肉体のみを駆使して作っており、本来の意味での『サバイバル』ともいえる状況下での設営なので、シェルター自体は少し不格好に見えるかもしれません
『見せる』シェルターは、『設営』『撮影』が目的なので丁寧に作ってもいいのかもしれませんが、ワンパクは『体温確保』というシェルター本来の目的を達成していれば見た目などは二の次であり、限られた時間を生命維持のための水や食糧確保などにも時間を割く必要があるという点をご理解いただけたら幸いです
まずはフィールド選び ~原生林へ~
さて、今回のサバイバルの目的は「ウサギかトリが食いたい!!」というもの
こうやってワンパクはいつも衝動的な理由によりサバイバルを敢行しています
トリとは『市販の鶏肉』という意味ではなく、『狩猟鳥獣鳥類28種のどれかの旨い肉』という意味
そして銃猟ではなく
【スリングショット】(自由猟具)を使ったもの
かねてから入ってみたいと思っていた森へ行ってみます
早速、森の縁でワンパクを出迎えてくれたのがこちら
大きなコブをつけた【ダケカンバ(岳樺)】です
ワンパクの数倍の大きさはあるコブです
【シラカンバ(白樺)】のコブであれば数十万円~で取引されますが、こんなでかいダケカンバのコブは一体いくらくらいで取引されるんでしょうか
かなりな価格がつきそう…
不法な伐採があってはいけないので詳しい場所は伏せますね
ちなみに本物の【ククサ】はシラカンバのコブから作られる高級品
数万円の値段がつきます
画像はワンパク所有ニセモノのククサで2,000円くらい
さぁ話が少し脱線しましたが、森の奥へと歩を進めます
12月末とはいえ、まだ冬眠していない【穴持たず】と呼ばれるヒグマの遭遇の可能性もあるので、クマ除け鈴は必須です
雪がまったくないので、歩きやすそうと思うでしょうが…
このように地面が凍り、ボコボコとデカイ霜柱状に固まっているためとても歩きにくいんです
【青木ヶ原樹海】でトレキッングコースを外れ、起伏のある溶岩石の上を歩くような歩きづらさがあります
青木ヶ原樹海はワンパクにとって懐かしきアウトドアフィールドなんですよ~
あ、また話が脱線しましたね
完全に凍っていましたが、沢がありました
沢筋には木が無く、空が吹き抜けているので暖かな陽射しが入ってきていましたよ
その暖かな陽射しのせいでしょうか【ミズバショウ】の芽がいたるところから出ています
【アカエゾマツ】の子供も成長して緑を見せているので、この辺りは春先の風景のようです
沢筋をしばらく下りていくと
立ち枯れの木と谷地坊主が広がる湿地に出ました
見通しがよく風も受けにくい場所にあり、南向きに開けているためシェルターを設営する場所として最高です
鳥たちもこの立ち枯れの木にとまり、羽を休めながら日光浴をしています
よし!
ここにシェルターを設置して、獲物が来るのを待ちましょう
ここを野営地とする!!
※この森での野営や焚き火等の許可を取っています
設営してみよう!
笹原から湿原にかけては傾斜になっているので、その落差を利用した立体構造のシェルターを設営することにしましょうかねぇ
まずは材料集め
倒木ならいくらでもあるので、そこから薪や『Y字枝』を調達しましょう
手斧やノコギリはないので、力任せに折っていきます
『Y字枝』を量産
easy!easy!
動物の骨(画像はエゾシカ)もナイフなどを作成するのに最高の材料となるので、回収しておきます
まずはY字枝を立ち枯れの木に立て掛けて、渡し木が水平になるようにセッティング
このとき、立て掛けていたY字枝の高さや角度などをグラつかないように微調整
体重を支えられる強度があるか少し乗ってみたりしてチェックしたけど、画像のこの渡し木とY字枝はすぐに折れちゃったYO☆
『ちっ!つかえねぇなぁ!お前なんぞ薪にしてくれるわ!』などと独り言をいいながら、デブ族ワンパクを支えることができるもっとブッ太い丈夫なものにしました
さらにY字枝で補強したので、少し不格好ですが我らデブ族を支えることができるようです
あとは渡し木に適当な長さに折った木を並べていくだけ
紐や蔓などで縛ったりして固定しなくても、まったく不便はありませんよ
一応これでベッドは完成です
焚き火で少し炙った針葉樹の枝葉を敷くと、かなり暖かいのでオススメです
できるだけたくさん敷きましょう(倒木などから採取してください)
マイナス8℃の中でもデブ族は常に暑い
大量の汗をかいてしまいジャケットを脱ぎました
湯上がり級で湯気がすごい!
少しの運動で大量のエネルギーを消費してしまう超燃費
ワンパクが唯一、サバイバルにおいての弱点とするのがこの発汗
この時期の発汗は、『低体温症』や汗が凍ってしまうことによる『凍傷』を招きます
ナチュラルシェルター 冬の森後編【野営】 - East End Wilder
YouTube用にも動画を撮影しているのですが、デブ族ワンパクの息づかいが『フーフー』激しくて、せっかくの鳥のさえずりなども聞こえず、音声だけ聞くとオッサンが気持ちいいことしてるような息づかいに聞こえます
そしてその口がクサい!
暖房用の薪を組もう!
仕組み的にベッドの下で焚き火を熾して暖を取るのですが、通常の焚き火の形でやってしまうと森の奥からデブ族の生焼けが発見されてしまうだけなので、暖房用の焚き火を組みますよ
火熾しの基本【焚き火の型】 - East End Wilder
①適当な長さの少し太い丸太を隙間無く2本並べます(だいぶ隙間が空いてますが、隙間がない部分を使って火熾しします)
②両端に少し太めの薪を渡し、その内側には火口や焚き付け、小さな薪を配置します
③あとは上から激太の丸太を置いて、火口に着火するだけ
こうすることで、ゆっくりと丸太に燃え広がります
少々の雨などでも消えることはありません
あまりに隙間があると早く燃えてしまうので、できるだけまっすぐな太い薪を選んで、ピッチリと薪を組むことがポイントです
焚き火は、延焼しないように石で囲むとか穴を掘るとか草などをよけるなどの対応を必ずしてくださいね
熱を溜める屋根を作ろうとするが…
まだこれだけでは暖房用の焚き火の熱を効果的に利用できません
このベッドの上に屋根を作り、熱をため込んで反射するようにしなくてはなりませんね
タープなどがあればそれを設置するのが一番手っ取り早いんですが、ナチュラルシェルターにこだわりたいので針葉樹の枝葉を使って屋根を作っていきま…
…
ヤバイね…
やっぱりいるよね…
尋常ではない気配を感じます
そして臭いも…
少し距離はあるけどエゾシカの臭いじゃない…
実はシェルターを設営しているときから感じていました
ワンパクが山や森に入ったときの五感と第六感は研ぎ澄まされています
これは確実に…
相手が【穴持たず】である可能性が非常に高いため、撤退を即決します
ただでさえヒグマは執念深い性格であるのに、穴持たずは攻撃性が加わります
時間の猶予はありません
ワンパクがこの森に入ってきたときからストーキングされていたのかもしれません
動物からの追跡など、細心の注意を払いながら来たはずですがやはり彼等の方がうわ手ですね
【※ここから先については、ワンパクの日頃の訓練や熟練した経験・知識(自分で言っちゃってるけど)に裏打ちされた行動であるため、絶対にマネはしないでください】
まぁ、慌てることはありません
状況を整理します
■日没まで40分ほど
■武器はスリングショットのみ(ナタ等なし)
■夜間装備なし
■携帯電話電波なし
絶望的に思えるでshow?
ヒグマに対してダメージを与えることができない武器しかないなんて(笑)
とはいうものの、この夕方の時間帯からは、相対的に陸より海の方が気温が高くなるので、海側からシェルター方向に強く風が吹きこんできてます
その風に乗り【穴持たず】の臭いがするわけですから、風下であるワンパクが地理的には圧倒的有利です
もちろん日が沈んでしまったら、為す術はないので、制限時間40分一本勝負
【穴持たず】の画像や映像も撮りたかったことだし、少し無茶しましょう☆
さすがに画像にはありませんが、シェルターのY字枝を鋭角に折って2mほどの『槍』を護衛用に作りました
制限時間40分一本勝負とは言っても、物理的にやり合うわけではありませんよ
やり合ったら即DEATHりますから!
この40分の間に【穴持たず】を画像に抑え、ストーキングを撒き、無事に帰還するとこができたならワンパクの勝ち
ストーキングを撒き帰還したが、画像を押さえることができなければ引き分け
それ以外はワンパクの負け
なお、数キロ先に駐車しているワンパクの車に直接撤退することはルール違反とする
穴持たず×ワンパクデスマッチ
ヒグマを画像に収めようとするなら、ある程度近づかなくてはいけませんが、一番避けなければならないのは『偶発的な遭遇』
ヒグマは目が非常に悪い動物なので、風下から近づいてきたワンパクに気付かずに、クマの方が至近距離になって初めて視認するという状況は避けなければなりません
これにはクマ鈴が有効なので、ヒグマとの距離を詰める場合も携行することにしましょう
『サバイバル』『秘境』などのワードが安っぽく飛び交う世の中になりましたが、ワンパクは命を削るような状況こそが本当の意味での『サバイバル』だと思っています
クレイジーだと言われるかもしれませんが、ワンパクはそれが一番楽しいとさえ思っています
それに伴う日々の鍛錬は必要ですし、年間何泊しているかわからないくらい手付かずの大自然に身を投じています
もちろん色々な覚悟もしています
沢を下り、谷地坊主地帯へ…
谷地坊主の先はワンパクの背丈以上の高さがあるヨシ原
やはりここから臭いますが視認できません
確実にいるはずですが、相手は野性
どれだけデカイ図体でもヒグマは高さ30㎝の背丈の草があれば、身を伏せてこちらからまったく見えないように隠れることもできます
膠着状態が少し続きましたが、日もだいぶ落ちてしまったので強行手段にでましょう
腹から低い声を出し、相手を威嚇しながらヨシ原を進みます
【穴持たず】がワンパクの威嚇に動揺して逃げれば、場所を特定でき、その姿を撮影できるかもしれません
逆に威嚇が効果をなさず、【穴持たず】が『ブラフチャージ』(手前で止まり地面を叩く突進行動)をしてくるようであれば、無理せず撤退することにします
昔のケンタッキーフライドチキンのCMソング(~~~ケンタッキーho☆みたいなメロディーのやつ)を低い声で歌いながらヨシ原に踏み入れた瞬間
『ガサッ!!』と音がして、逃げていく後ろ姿のヒグマが一瞬見えました!
え~っと…
…
『ちっちぇーっ!!!!』
ま~るい耳とぽてっとしたお尻がかわいい☆
子グマではないようですが、もっともっとデカイ個体をイメージしていたので拍子抜けしました
大型犬くらいかな??
かなり痩せていたので、かわいそうですがおそらくこの冬は越せないでしょう
持っていた槍がとんでもなく邪魔で、写真撮影できなかったけど、動画では押さえているはずです
この後もしつこくストーキングされては面倒なので、シェルターには戻らず(後日解体しました)そのまま振り切ることにします
相手が小さいヒグマでも物理的にやり合ったら、地球上最弱の動物である人間は為す術もありませんからね
ヨシ原を抜けると急に視界が広がり、絶景が出迎えてくれていました
もうそこは海
走り出したくなる気持ちを抑えて正解!
めっちゃ崖!!
懸垂降下する道具も持ってきていないので、生身で崖を降ります
これが一番怖かった
岩肌から流れ出した沢の水が小さな滝を作り、いまは凍りついていました
浜辺に降り立ち、海を見ながら『生きている』ことを実感します
車まで遠いなぁ…なんて先ほどまでの緊張感がまったくない言葉を発しながら帰ったワンパクでした