5年生時代 その④ 話し始めた子リスは…

声が出るようになっても、親の私達は相変わらず、「今日はちゃんと喋れたの?」というチェックなどは一切しませんでしたが、先生から電話などで、子リスが学校で友達と話をしていることは聞いていました。

実はその頃、私の心に浮かんでいた、新たな不安がありました。それは、今まで全く話さないで来た子が、うまく友達と喋れるものだろうか…?ということでした。
他の子が幼稚園から小学校4年間までの時間をかけて自然に学んで来た”友達とのコミュニケーションの感覚“といったものは、すぐに身に付いてくれるのかしら。何といっても、声を出すことに関しては”初心者“なわけで…。

でも毎日の子リスの表情や態度からは、学校を嫌がっていたり、怯えているような様子は感じられなかったので、案外大丈夫なのかもしれない、とも思っていました。
大人に比べたら、はるかに順応性が高い子供は、大人のようにあれこれ、過去にこだわったりしないのかも知れません。

前回書いたように、新年度という大きな区切りがついたということも、子リス本人の背中を押してくれていたのではないかと思います。口に出さないまでも、「僕はもう大丈夫になったんだよ」という気持ちが、朝出かけて行く子リスの顔に現れているような気がしていました。

ただ、そうはいっても新しいことに挑戦し始めたことに変わりはなく、それなりの緊張感やストレスはあったのでしょう。一学期の間は、相変わらず欠席が多かったことが、連絡帳を読み直して思い出されました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA