【SPYD】12月大減配という結果を経てもなお落ちない株価

こんにちは、いなかのです。


SPYDの2021年12月期の分配金が前年同期比▼78.98%と大きく減配し、SPYDへ投資している投資家以外も困惑させた出来事はまだ新しいですね。


前年同期比でみるとどえらい数値の減配率ですが、単年で見比べてみるとどうなのか見てみました。

年間分配金総額は過去3番目の最低額

↑左側を見てください。これはSPYDの年間毎の分配金総額を記載したものです。

SPYDは2015年から運用が始まったETFですが、すっきり年間で比較できるのが2016年からなので
2016年からにしました。
青文字は前年より減配した年、赤文字は前年より増配した年で示しています。



SPYDの2021年の年間分配金は1株1.54921ドルになります。


これは「2016年・2017年」よりも多く、「2018年・2019年・2020年」よりも少ない額になります。
そのため直近6年間の分配金状況で言えば過去最低にはならなかったみたいです。





インデックスの配当利回り水準は維持している

出所:ステートストリート

こちらはSPYDの利回り指標になります。
利回りは、過去1年間の分配金÷基準価格×100で求めることが出来ます。


今のファンド配当利回りは3.59%、インデックス利回り(SPYDがベンチマーク※1.としている指標)は3.86%の水準であり大きく乖離があったわけではない事が分かります。


実際に1月5日時点のSPYD株価で算出してみると

1.54921÷42.96ドル(1株)×100=3.60%の配当利回り

でありSPYDの運用に大きな問題があったわけではなく、インデックス利回りに合わせてきたようにも見えます。
このような事から、売りが殺到して株価が下落するか思ったのですが案外落ちずにいた理由なのかな?と思いました。


FOMCの予想より早い利上げに備えてヘッジファンドによるハイテク株に大きな売りが殺到してたりするんで、今後SPYDの株価が大きく下落する可能性も無きにしも非ずですが・・・。



各単年ごとの配当利回り水準


ちなみに、各年の配当利回りを見てみましょう。
一応ここでは12月27日を基準にしてみます。
2021年:3.71…%
2020年:4.95…%
2019年:4.43…%
2018年:4.77…%
2017年:3.79…%
2016年:4.30…%
と各年の配当利回りでみると2021年利回りは一番乏しい結果だったようです。



過去最低額の2016年と2017年の利回りが2021年より大きいのは1株が今よりはるかに安かったことに尽きるわけですが、特に2021年度のSPYDの年間トータルリターンってQQQの2021年より大きかったので利回りの数値が落ちるのは仕方ないと言えば仕方がない。



ベンチマークから大きな乖離はしていないものの、SPYDはインカムゲインを狙いにいくのが大きな目的になるETFなので、今回の減配と利回りの低下は投資先を変える立派な理由にはなりますね。



※1.SPYDはS&P500®高配当指数をベンチマークとし、S&P500®指数の採用銘柄のうち配当利回りが高い約80銘柄を組み入れています。


最後に

配当金・分配金を生活のあてにする部分が大きい投資家の場合、年間より毎期ごとの分配排出額に大きな差がないかどうかが重要だったりします。


毎月5万の配当金が入るとして家賃5万円を分配金で補っている投資家にとっては、
1月=3万    1月=5万
2月=7万    2月=5万
3月=5万    3月=5万
4月=3万    4月=5万
5月=7万    5月=5万
合計=25万   合計=25万

合計は同じでも家賃5万に足りていない月は分配金以外から不足分を集めてこないといけないので予定が狂うわけですね。
なので今回のSPYDの▼78.98%減配によって1株0.127557ドルはもしかすると大きな分岐点になったかもしれませんが、利上げに備えてヘッジファンドが高値だったハイテク株から資金を引き揚げています。


セクターローテーションの期間が目まぐるしくなるとも言われていますし、今回の大減配を見て即全売却というのも早とちりにならないようしっかりと今後の投資戦略を考えていきたいですね。


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