「科学は死んだ。政治と経済によって」・・・ちょっと前に、そのようなことを書いた記憶があります。此度の新型コロナ[対策]禍は、まさに、その結果もたらされたものだろうなあと、しみじみ思う今日此頃です。

 

 

⚫スティーブン・ピンカーさん

 

スティーブン・ピンカーという人をご存知でしょうか?

 

基本的には、(色々あっても)「それでも人類史上もっとも平和な時代を我々は生きている」という考えの人でして。

 

 

ず〜っと前に、ワタクシ、そういう趣旨のプレゼンを観て「ほほ〜」と思った次第。

 

 

 

これも、かなり前のことになりますが、拙ブログで触れたことがあります。

 

 

 

で、何年か前(2019年末=コロナ前です)『21世紀の啓蒙』という翻訳本が出まして。それなりに売れました。

 

上下巻、大部のモノですが、恥ずかしながら、ワタクシも、つい買っちゃったりしまして。

 

 

 

世界は暗黒に向かってなどいない。飢餓、貧困から平和、人々の知能まで、多くの領域が啓蒙の理念と実践により改善されたことをデータで提示する、全米ベストセラー。

 

 

 

 

人類は今、史上最良の時代を生きている。未来は衰退に向かうと主張する反啓蒙主義者の嘘・誤りを、データにより指摘。知の巨人が綴る、事実に基づいた希望の書。

 

 

 

 

今回は、この本の中で、時節柄、特に「科学」に関するところを引いて、あれこれ思いを巡らせてみようかと思います。

 

 

とりあえず、前提として大雑把な目次を。

 

【上巻】

 

 序文

第一部 啓蒙主義とは何か
 第一章 啓蒙のモットー「知る勇気をもて」
 第二章 人間を理解する鍵「エントロピー」「進化」「情報」
 第三章 西洋を二分する反啓蒙主義

第二部 進歩
 第四章 世にはびこる進歩恐怖症
 第五章 寿命は大きく延びている
 第六章 健康の改善と医学の進歩
 第七章 人口が増えても食糧事情は改善
 第八章 富が増大し貧困は減少した
 第九章 不平等は本当の問題ではない
 第一〇章 環境問題は解決できる問題だ
 第一一章 世界はさらに平和になった
 第一二章 世界はいかにして安全になったか
 第一三章 テロリズムへの過剰反応
 第一四章 民主化を進歩といえる理由
 第一五章 偏見・差別の減少と平等の権利

 原 注

 

 

【下巻】

 

 第一六章 知識を得て人間は賢くなっている
 第一七章 生活の質と選択の自由
 第一八章 幸福感が豊かさに比例しない理由
 第一九章 存亡に関わる脅威を考える
 第二〇章 進歩は続くと期待できる
 第三部 理性、科学、ヒューマニズム
 第二一章 理性を失わずに議論する方法
 第二二章 科学軽視の横行
 第二三章 ヒューマニズムを改めて擁護する

 

 原 注

 参考文献

 索 引

 

 

例によって、長〜いマクラでしたが、では、まいりましょう。

 

 

⚫第一部 啓蒙主義とは何か

 

第一章 啓蒙のモットー「知る勇気をもて」 から。

 

  啓蒙思想家たちは、科学革命による無知と迷信からの脱却を目にして、一般通念がとんでもない間違いを犯しうることを、そして科学の手法――懐疑主義、可謬主義〔あらゆる知識は原理的に、将来間違いであると判明し修正される可能性をもつという考え〕、開かれた議論、経験的検証――こそ、確かな知識を得るための頼りであることをはっきり理解した。(「科学」による無知と迷信からの脱却 P.38)

 

仰るとおりなんですが・・・

 

 

残念ながら今日、新型コロナウイルス感染症とその対策については、懐疑主義、可謬主義、開かれた論議、経験的検証、いずれも(殊に公空間において)死に絶えてますよね。

 

政治(根強く存在するコロナ怖いの世論迎合)と経済(いわゆる2類相当扱いによる補助金等利権利益)とによって。

 

結果、新型コロナ自体ではなく、それへの対策による「禍」が(殊に我が国においてだけ)長く続いているわけで。

 

 

⚫第二部 進歩

 

第一九章 存亡に関わる脅威を考える から

   いや、実は影響はその程度ではすまされない。終末論的な思考には深刻なマイナス面があるのである。その第一は、大きな被害をもたらす可能性のあるリスクについて誤認警報を発すると、その警報自体が大きな被害をもたらしうるということだ。(むやみに脅威を語ることが危機をつくり出す P.120)

 

さすがに「終末論的」なことまで言った人はいなかったけれども。

 

 

「42万人が死ぬ」と宣う「専門家」がいたり、感染した場合(広く一般に)死亡する、重症化する、後遺症が残る、あるいは、無症状でも感染するという事例が(広く一般に)ある、といった「過剰(誤)情報」が飛び交ったのは事実。

 

まさに、その警報(に基づいた対策)自体が大きな被害をもたらした(今ももたらしている)わけで。

 

s   終末論的なシナリオを列挙して脅威を煽るやり方の二つ目の問題点は、人間がもてる資源や頭脳、不安の量には限りがあるということだ。人はすべてのことを心配することなどできない。例えば気候変動や核戦争など、現在わたしたちが直面している脅威のいくつかはまぎれもない本物の脅威であり、それを防ぐには大きな努力と知恵が必要である。こうした真の脅威と、発生する可能性がごくわずかだったり、発生しないかもしれないSF的な脅威とを一緒くたにするのは、たんに真の脅威への危機感を弱めるだけである。(同 P.121)

 

ホントにね。

 

新型コロナに対する「不安」で頭いっぱい、他のことは何も考えられないという人が大勢いました(今もいます)。

 

そして「感染力が強くて毒性も高い。しかも潜伏期間が長い」という、まさにSF映画の設定にあるようなウイルスへの変異を恐れ、いつまで経っても「緊急事態」気分が抜けず、新型コロナに対する「特別扱い」体制を止められないという・・・

 

 

第二一章 理性を失わずに議論する方法 から

 

   公的な議論を理性的なものにするには、対象となる問題からできるかぎり政治的要素を取り除く必要がある。これまでの研究で、人はたとえば福祉制度改革といった新たな政策を耳にすると、提案したのが支持政党なら良い政策だと思い、その逆ならひどい政策だと思うが、それでいて自分は客観的に評価したと思い込むことがわかっている。したがって、スポークスマンは慎重に選ばなければならない。(物事が「政治問題化」すると人は理性を失う P.288)

 

何しろ、政治家(例えば「緑の人」とか)が率先して政治的なものにしてしまったわけで。

 

その影響かどうかは分からないけれども、今や下々の個人に至るまで政治的反応を示すようにもなっていて。

 

 

マスク、ワクチン、その他諸々、あの人が言うことなら全部賛成(反対)とか。

 

あるいは、ずっと賛同していた人の中に、極一部でも自分と違う部分を見つけた途端、全否定のアンチに変貌したりとか。

 

 

もうね、とにかく、白か黒か、敵か味方か、どちらかにカテゴライズしないと気が済まない(ように見える)人が多過ぎます。

 

今となっては、理性を失わず「政治」から自由に、それこそ「科学的」に判断するのは至難の技かもしれません。

 

1から10まで安全とか100%危険とか、そんなこと、あるはずないのに。

 

 

ということで、長くなるので、引用はここで一旦切ります。

 

次回以降に続きます(の予定です)。

 

 

閑話休題。

 

 

⚫超過死亡

 

テレビ・新聞は、2月、3月同様スルーを決め込んでいるようですが、SNS界隈では、相当取り上げられてます。なので、ご存知の方も多いでしょう。

 

「人口動態統計速報」8月の死亡者激増です。

 

 

 

 

 

 

もちろん、様々な要因があり、多様な見方ができるわけですが・・・

 

超過(過小)死亡数とワクチン接種数のグラフ、時系列を揃えてみたものです。

 

 

 

 

 

 

ワクチンの頻回接種だけが原因、ということではないにしても・・・

 

ワクチン推しの「専門家」および厚生労働省は、ワクチンだけは要因のひとつとしてさえ認めない、という姿勢でして。

 

これまで、散々「可能性はゼロではない」で脅し続けてきたのと同じ面々とは思えませんね。

 

「ワクチンではなく、コロナのせい」と言うのであれば、だったら「ワクチン効いてないじゃん」ってことになりますし、医療逼迫を理由にするなら、それは対策が間違ってるからだぞって話で。

 

何より、全てを疑わなければならないはずの「科学的態度」とは言えないでしょう。

 

 

こちら、(立憲民主党所属ということは、この際置いといて)「子どもへのワクチン接種とワクチン後遺症を考える超党派議員連盟」川田龍平さんの質問に、(自分が用意したのか、他人がかは知りませんが)厚生労働省のお役人さん、非常に苦しい答弁の様子です。

 

 

 

お時間のある方は、こちらも是非。

 

 

 

 

⚫最後に決めるのは(責任は)自分です

 

さて、こちら10月24日付中日新聞1面の左肩、

 

新ワクチン「替え時」難題 自治体接種

BA.5対応待ち 接種控え懸念 BA.1予約済み 不公平感心配

 

という見出し記事に添えられてました。

 

 

 

人間での臨床試験(治験)のデータはない

マウスの実験ではBA.5を含む複数の派生型に対し、効果が確認されている」

 

「従来のワクチンを上回る感染や発症、重症化の予防が期待できる

「有効性や安全性に重大な懸念はない

 

 

「マウスの実験」だけで「期待できる」「重大な懸念はない」・・・

 

厚生労働省(と出入りの「専門家」)の頭ん中には、

 

何故、そうなる? 

 

というところが多分にあるみたいなのだけれども・・・

 

 

いずれにせよ、どれだけ勧められても、努力せよと言われても、最後に決めるのは、それぞれ一人しかいない自分です。

 

それでも打つの? 打たせるの? 

 

よ〜く考えませう。

 

 

そうそう、太平洋の向こうでは、こんなツイートが。

 

 

 

 

ツイート主は「第25代フロリダ州保健局長兼外科医長」さんだそうで。

 

親御さん、期待しないでください...CDCとFDAは任務を放棄したのです。直感を大切にし、コビドジャブ(注射)を子供たちに打たせないようにしましょう。

 

くらいの意味になると思います。

 

 

大手メディアから消えて久しいので、自分で「出羽守」してみました。

 

 

 

 

 

 

 

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CBC(TBS系列)が頑張っている愛知県ですが、こんなニュースがありました。

 

 愛知県教育委員会は、学校給食の黙食を緩和するようガイドラインを改訂し、11月から適用すると発表しました。  

 

 県教育委員会は、新型コロナの感染対策で、学校生活に長期間様々な制限がかけられ、子どもたちの成長や発達に影響することが危惧されることから、学校給食の際の対応を緩和します。  

 

 これまで、座席については「全員正面を向かせるなど向かい合わせにならないように配置する」としていましたが、改訂されたガイドラインでは「全員正面を向かせる」の文言が削除されます。  

 

 会話については、食事中は控えるよう指導していましたが「大声での会話は控える」として、大声でなければ会話はできるようになります。  

 

 新たなガイドラインは、11月1日から適用され、県立学校や各市町村の教育委員会に周知されます。

 

 

 

一応「一歩前進」には違いないと思うのですが、「大声でなければ」なんていう、これまた判断の難しい条件がついてたりして、現場では「結局、何も変えられない」になりそうな・・・

 

 

それはともかく、記事へのコメントに、こんなのがありまして。

 

「子どもたちの成長や発達に影響することが危惧される」 エビデンスあるんすかこれ

 

いやいや、そこに「エビデンス」が必要ですか? 

 

てか、逆に、それこそエビデンスもなしに「あれダメこれダメ」「アレせよコレせよ」と言われ続けて、それで成長や発達に影響がないとでも? 大人でも参っちゃってる人が(実際此処に)いるのに?

 

 

何でこうも子どもたちからマスクを剥ぎ取ろうとするバカな大人が出て来るのだろう。第六・第七波では10代の死者が目立った。最も簡便な感染症対策はマスクなのは明白。 未知の感染症を大人は舐め過ぎだろうよ。大人も子どももマスク着用。学校や公共交通機関ではマスクは義務化をすべき。 第八波がもう来ている。こんなときにマスクを剥ぐなど、言語道断。鬼畜の所業に他ならない。

 

「剥ぎ取ろうとする」ってアナタ・・・

 

「第六・第七波では10代の死者が目立った」? 「最も簡便な感染症対策はマスクなのは明白」? 

 

いつまで「未知」でとどまってるのよ。マスクは(そこに人を感染させるほどのウイルスが含まれるとして)飛沫を(一応)塞き止めてるだけ。エアロゾル・空気感染に関しては無力なんですけど。

 

 

何ともはや、

 

「科学的」を履き違えていたり、欠片も「科学的」でなかったり、いろんな人がいますなあ。

 

 

そう言えば、これも、ちょっとニュースになりましたが・・・

 

文部科学省による「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」というものがありまして。

 

2 暴力行為

小・中学校では新型コロナウイルスの感染症の影響から、ストレスを抱える児童生徒が増えたことなどが、暴力行為の発生件数の増加の一因となった。

 

【文部科学省の対策】

調査結果からは、新型コロナウイルス感染症によって学校や家庭における生活や環境が大きく変化し、子供たちの行動等にも大きな影響を与えていることがうかがえる。人と人との距離が広がる中、不安や悩みを相談できない子供たちがいる可能性があること、子供たちの不安や悩みが従来とは異なる形で現れたり、一人で抱え込んだりする可能性があることも考慮する必要があり、引き続き周囲の大人が子供たちのSOSを受け止め、組織的対応を行い、外部の関係機関等に繋げて対処していくことが重要である。

 

 

 

令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要  (PDF:1,437KB) 

 

 

 

ワクチンだけは(!)超過死亡の原因ではない、という人にしてみれば、マスクだけは(!)暴力行為、不登校の原因ではない、のでしょうね。

 

 

うん、やっぱり、科学は死んでる。