朝晩の冷え込みもいよいよ本格的になってきて、各地の紅葉の便りを最盛期を迎えている。
師走目前最後の週末の今朝、ニュースの見出し最前列には何やら不穏な見出しが。。
南部アフリカで新たなコロナ変異株が見つかり、世界保健機関が注視していると。
これを受けて世界経済情勢は即座に反応し、日本政府も水際対策の強化を打ち出すと発表した。

世界中の国境が閉じるまさにその瞬間、何とか帰国便に潜り込めた私だが、他の多くの人々はそれほど幸運ではなかった。この時はまだ我々が慣れ親しんだ現世界がこれほどまでに激変するなどとは誰も想像していなかった。。

またかよ! というかまだかよ!
世界の一部でようやく開国機運が高まりを見せ始め、我が国でもGoto事業再開が見え始め、私の主な生息域である東南アジアでも外国人受け入れが徐々に再開され始めたその矢先にこれかよ!

紆余曲折、幾多の困難、途方もない混乱、そして無数の人命の損失を経て、ようやく2度のワクチン接種が済んだ後に本当の地獄の扉が開くのか?
欧州や隣国の状況を見ると、東京の感染者が一桁台と聞いても素直に喜べない。
あわよくば、年末年明け頃に2年ぶりの出国かと期待していた私だが。。
なにやら前途には新たな暗雲が。。。

八ヶ岳北麓にひっそりと佇む人口貯水池の御射鹿池。標高1500mを超えるこんな所にくればコロナの事などしばし忘れていられると想ったのだが。。現場には実際の池のサイズには不釣り合いな程の駐車スペースと近代的なトイレ設備が整備されていて、午前中にもかかわらず多くの人出が。。やれやれと想いつつマスクをとりに車へ戻る羽目に

もしかしたらまたパンデミック下、我が国で不毛の2度目の長い冬を過ごす羽目になるのか?
頭の中では漠然とこの冬の東南アジア帰還の青写真を勝手に描いていた私だが、対抗措置として残留した場合の身の振り方も考えておいた方が良い気がしてきた。
そんな訳で今、パンデミック下に始めた撮影活動の履歴を見返している。
そのうちの幾つかを紹介しよう。

本州中部に位置する長野県。
そのほぼ中央部、行政区分上では茅野市にある御射鹿池。
八ヶ岳北側にある奥蓼科に位置し、日本画家東山魁夷の作品のモチーフにもなったとされる農業用溜池。
過去数十年間に渡って茅野市を訪ね続けている私だが、恥ずかしながら今回初めてその存在に気が付いた。
深緑や紅葉の時期にその幻想的な風景が絶好の被写体になるとして、まずまずの知名度があるというのだ。

朝靄に霞む新緑6月期の御射鹿池、早朝の水面は静謐で幻想的。聞こえるのは野鳥の鳴き声と水流の音だけだ。

所在は中央高速の諏訪インター、諏訪南インターから40~60分程。
高原ドライブルートとして有名な信州ビーナスライン、八ヶ岳山麓を南北に抜けるか風光明媚な広域農道八ヶ岳エコーライン、同じく高原山岳ドライブルートのメルヘン街道からも至近。 (殆ど、繋がっている)

80年代の高原ブームを牽引した八ヶ岳山麓の原村、高原野菜畑を縫うように山麓を上がると奥蓼科の別荘地に入る。
一時の庶民向けの別荘ブームは下火になった筈だが、森林エリアにはゴルフコースや法人向けと思しき高級別荘地が拡がり、そこには人や車の姿がチラホラと散見される。
コロナ渦のアウトドアブームと相まった少人数での余暇スタイルが、再度見直されているのか。
蓼科と言えば元から首都圏からの手軽なスキー場、温泉地としても有名。

先月初めに訪れた時は、残念ながら紅葉には少し早すぎた様だったが。。最盛期にはかなり見ごたえのある風景になる筈

そんな御射鹿池(みしゃがいけと読む)だが、ここ数カ月で私は3~4回程訪れている。
どうやらこの御射鹿池、同じく奥蓼科にある標高が最も高い湖をして知られる白駒池と並んで有名な観光地らしい。
近隣には観光バスも余裕で停まれる広い駐車スペース、ウオシュレット付きの公衆トイレ、池周りの防護柵、観光案内パンフレット用のブースまで完備されている。

朝早い時間では本格的な撮影機材を抱えた画像関連の人々を除けば人の姿はない。
しかし、日が昇り暖かくなる頃には熱心なスマホ・セルフィー撮影者で盛況だ。
高原の幻想的な湖を目当てに来るなら多少、拍子抜けかも知れない。

しかし、天候さえよければ日帰りドライブルートの選択肢の一つとしては悪くない。
発展して利便性が良くなった茅野市街地は郊外都市としても他と遜色がない様に見え、高原ドライブ、ツーリングルートとしても名高いビーナスラインやメルヘン街道との接続性も良い。
まして辺りには、温泉宿や立ち寄り湯が点在している。

蓼科温泉郷にある小ぶりで程よく寂れた感じの立ち寄り湯、小斉の湯は私の常用風呂と化している

以前の様に海外旅行が手軽になるまでは、このように国内で気晴らしをしながらなんとかやり過ごす他ない。
感染予防は判ってはいるが、連日のように国内ニュース欄にとりあげられるヘンテコな事件の羅列を見る限り、これ以上屋内に篭り続けるのは危険だろう。
既に2年が過ぎ、まだ終わりは見えないのだ。

次回は隣りの国内最高地点にある湖とされる白駒池を紹介しよう。