シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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免疫パスポート

最近ヨーロッパを中心に話題になっているのは、ワクチンを接種した人に証明を与えることで、より多くの行動ができるようになるためのパスポートのようなものを与えるべきかどうかだ。

Covid の予知映画ではと話題になった2011年の「コンテイジョン」でも、恐怖の感染症への免疫がある人やワクチンを接種した人には ID ブレスレットが与えられ、それを提示することによってショッピングセンターに入ることができるという描写があったが、まさしくあの発想だ。

実際に最もワクチンの接種が進んでいるイスラエルでは、すでに「グリーンパス」という形で実用化されていて、カードまたは電話に入っている専用アプリを使って、ジムやイベント会場への入場をチェックするというように使われている。ヨーロッパではこれが飛行機の登場や入国などに使用されることも前提で議論が進んでいる。

なかにはWHOがAppleやGoogleと、パスポートの仕組みについて、すでに話し合いを始めているなどという噂まで流れているが、これはデマらしくWHOが公式に否定した。

この免疫パスポートには様々な問題がある。一番わかりやすい問題点は、すでに実施しているイスラエルで話題になっているように、パスポートの所有が、優位性へとつながり、最終的には、差別につながる可能性があることだ。

と同時に、このパスポート制度があれば、これまで感染拡大抑制のために停止していた様々な経済活動が再開される道がひらけ、様々なビジネスに再び顧客を呼び込むことができ、旅行やレジャーも復活することで、コロナ不況に苦しんでいる分野のビジネスにとっては大きな突破口になるのも容易に想像できる。

その良さも悪さもわかりやすい、免疫パスポートだが、世界的に実用化されるかされないかの最大の分かれ道は、ワクチンを接種した人は本当に感染拡大に寄与することは無いのかどうかということだと思う。現在の研究結果では、まだそこは証明されていないため、基本的には接種したとしてもウィルスを保持して感染に寄与する可能性はあるという可能性で、専門家は対応を進めている。なにしろ開発から実用まで10ヶ月のワクチンなので、安全性については問題はないが、効果については現在進行系で確認されている部分もある。

イスラエルやアイルランドや英国のデータを見る限り、どうやらワクチンの接種は、発症を抑えるだけではなく、感染拡大を抑制する効果があるような傾向を示してはいるが、それを証明するにはまだまだ時間もデータも足りない。

また、ワクチンの効果の継続期間も未だに判明していないため、期限切れがいつなのかわからないパスポートというのも怖いものだ。いつのまにか期限が切れていて、感染および発症がはじまるかもしれない。これも、現在進行系の研究テーマである。

そのような様々な背景から、免疫パスポートが本当に発行されるかどうかは現段階では未定である。もし発行されたら、それを持てば日本を訪問できるのかなとちょっと考えてみた。

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