所感・解説 [メモの引用は緑字表記]
今回のメモには、『両腕を貫通している中筋』という言葉が何度も登場します。
この言葉が私の弓道練習メモに初めて登場するのは2022年10月なので、現存するメモで最古の2014年から8年以上過ぎてからということになります。社会人になってからのメモにそれほどの間出てこなかったということは、高校で弓道を始めて以来20年以上、私の弓道にはその概念はゼロだったということになります。それは言うまでもなく、かつての私の弓道にとって肩は支点であり、中心~肩~上腕において一直線の力の流れなど存在し得なかったからです。
そして「両腕を貫通している中筋」はその初出から半年ほど出てこなくなっていましたが、今回メモの2023年3月で再び登場し、この先、ちょくちょく登場することになります。
この「両腕を…」とか、二つ前の記事で初登場した「天弓降体」とか、この辺りの言葉を見ると、ようやく今現在リアルタイムで取り組んでいる内容と近くなってきたというのを感じます。
それは、このブログのタイトルである、三角弓(サンカクユミ)をいよいよ鎮圧し、新しい射形を組み立て、それが板につくという “そのとき” が、間違いなく近づいてきているということだと思っています。まだ確証はないですが、本当にあと少し、逆に言えばこれで駄目ならもう駄目でしょって感じです。
ここ最近のメモで「両腕を貫通している中筋」が登場するようになったのは、決して偶発的なものではありません。
これまでの打倒三角弓の取り組みにより、従前の力の使い方が間違っていることを本人がしっかり理解し、その上でどのようにするのが正しいのかを試行錯誤し続けた末に見出した仮説と、過去に教本で見たことのある表現が似ていることに気づき、矯正のための旗印として採用するに至ったのです。
しかし、目指す姿そのままに「中心から両肘に向かって左右均等にまっすぐ張り合うように」とやっては駄目なのだというのは、当ブログではおなじみの話です。
なぜならば、いや、言うまでもなく、現状の感覚が狂っているからです。
今までも、本人的にはまっすぐ均等に張り合っているつもりでありながら、「左はつっかえ棒として、右は肩を支点に前腕と手先で引っ張りこみ、結果的にある程度バランスがとれる」射をずっとしてきたのです。
そんな状況で、「まっすぐ均等に」という本人の感覚を頼りに矯正にかかってもうまくいくわけありません。いやもしかしたら、着手当初は矯正対象に意識を最優先で集中させているため、少しは良い方に変化があり、それによってうまくいきそうな気になることもあるかもしれません。でも、時間の経過とともに、他事への意識の分散により、ほぼ間違いなく着手前のまっすぐ=肩支点射法に戻ってしまいます。自覚があればまだいい方で、本人的にはうまくいっているつもりなのに元に戻っている、というケースも往々にしてあります。
それでは悪癖の矯正にはどうすればよいかといえば、まずは「現状」と「ありたい姿」との違いを考え、次に「その違いをなくす=現状側からありたい姿側へ移行する」にはどのようにしなければいけないかを客観的に判定するところからだと思います。
ごく単純な例で言えば、胴が懸かってしまう場合、ありたい姿である中胴との違いは「上体が左側にある」で、その違いをなくすには「上体を右側にする」となります。ここで「正しく両脚の上に置く」とやってうまくいくならそれに越したことはないのですが、相手が染みついた悪癖であったなら、確実にうまくいきません。いや途方もない時間がかかる、くらいにしておいた方がいいかな。
例がちょっと単純すぎたかもしれませんが、もっとハイレベルな矯正であっても、考え方はこうでなければなりません。
そして、そのようにやったとしても即解消とはいかないでしょうから、やった先の状況を見ながら次の手を考える、といったサイクルになっていきます。
上記のようなアプローチは、矯正の障害となる従来の常識を強引に変更する、すなわち脳の再教育(矯正)であり、ときに荒療治的な側面もあります。
なので、そもそも正しい(とされる)引き方を知らなかったとか、やろうとしていなかったという場合にはあてはまりません。まずはそのようにやろうとしてみればいいです。あくまで「そうやっているはずなのに」という場合に採用すべき手法です。
私自身もそれによって、思い描く引き方と実際との差が埋まってきつつあるように感じています。久しぶりに射影とか動画も撮っておきたいですね。そしてなにより、安定した的中という結果を得て、これまでの取り組みが間違いではなかったことの証明としたいものです。
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この日のメモ [メモの活字版 (画像は最下)]
230309
馬手脇が伸びなくなっている。
「両腕を貫通している中筋」、
極端には「逆マック」のイメージで。
230310
貫通する中筋を天弓降体で矢筋と合一させる。
230320
引き過ぎ考察
一つは馬手を手先で詰めてしまうこと。少なくとも引分けは両腕を貫通している中筋と脇で詰め切る。
そして弓手も原因の可能性が高い。前腕から手先で押さえつける力により肘が伸びて手先で矢筋を稼いでしまう。弓手も引分けは馬手と同じく両腕を貫通している中筋と脇で詰め切ること。
そしてこれによって離れ残心で末弭が前に倒れるのがなくならんかとか。
230325
引分けは終着点(会の位置)を意識して進めること。
弓手の位置の感覚を脳に定着させるのが目下やるべきことだが、馬手もしっかり引かないと会が張り合わずに離れが呼べない
230328
3/25を第一にして、あご浮かないように。
しっかり天弓降体
張り合い
230330
貫通する中筋の馬手側が一直線になっていない。かなりの脳トレが必要