編み物で使うiPadとApple Pencil
編み物をするときに、編み物道具以外で欠かすことのできない道具があります。それは、表題通りですが、iPadとApple Pencilです。どちらも、仕事で使うために購入したものですが、それがそのまま編み物でも使えることに気づいてからは、いまではむしろ、頻度としては仕事で使うよりも、編み物で使う方が多いくらいです。数年前までは、編み物をするときに用意していたのはノートまたはメモ紙とペンでしたが、別ものに取って代わってしまいました。やっていることは同じなのに。
編み物SNSサイトRavelryやLove Craftといった毛糸屋さんなど、ウェブで配布・販売しているパターンは、多くの場合PDFファイルで用意されています。PDFとは、Portable Document Format（ポータブル・ドキュメント・フォーマット）のことで、閲覧者の電子環境に左右されることなく、製作者が意図したレイアウトとほぼ同じものを見ることができる、Adobe アドビが開発したファイルフォーマットです。電子上で見られる紙と言っても過言ではありません。
私の場合ですが、ウェブからダウンロードしたパターンのPDFファイルは、まずiPadで保存しています。iPadにプリインストールされているブックやファイル、またはアプリを通して使うクラウド（GoogleドライブやDropboxなど）に保存し、必要なときに、PDFへ書き込みができるアプリ（私はGoodNotesを使っています）で開いて、Apple Pencilでパターンにいろいろとメモを書き込んだりしながら使っています。
またほかにも、自分で作ったメモリーシート（PDFファイル）をアプリのGoodNotesに読み込んでおき、いつでもすぐに使えるようにしています。このアプリでは、Apple Pencilでシートに書き込みをしては消して、コピーして貼り付けて、といった作業をくり返し行うことができる上に、メモリーシートのコピーが簡単にできますし、とても便利で、私にとっては編み物をする上で必要不可欠なものになっています。いま編んでいるセーターのMagnoliaでも、もちろん、模様編みのパターンをこのメモリーシートに書き出して使っています。写真に写っているのは自作メモリーシートをGoodNotesで開き、Apple Pencilでパターンを書き込んだものです（書いたパータンはMagnoliaのそれではありません）。
データがとんでしまっても慌てることがないよう、下記の記事にも書きましたが、パターンを紙で保存するようにもしています。
紙とペンでは実現できないことが、iPadとApple Pencilではできるため、とても重宝しているのですが……外出先での編み物には不向きだと思った出来事がありました。
2019年のある日、Knitting GroupへiPadとApple Pencilを持って行きました。このときに編んでいたものは忘れてしまいましたが、メモを見ながら編む必要のあるもので、それを見ないと編み進められないものでした。その日は出かける用事があり、時間があまりなかったこともあって、慌ててグループを後にしました。用事が終わって、家で編み物の続きをしようと、かばんから荷物を出したときに、Apple Pencilが入ってないことに気づきました。大慌てでかばんの隅々を探してみましたが、見つからない。決して安いものではないので、このときの私は顔面蒼白だったと思います。その後冷静さを取り戻して、ここまで探して見つからないなら、どこかで落としたか忘れたかしたのかもしれないと、グループの人たちに連絡を取ったところ、Apple Pencilを見たという編み友が見つかり、グループで集まる部屋に置いおいたことを教えてもらいました。そして翌日の朝に取りに行き、無事手元に戻りました。
このときはたまたま私が取りに行った翌日まで、その部屋が誰にも使われていなかったから良かったものの、もしなにかで使われていたら見つけられなかったと思います。自宅で使っているのと同じ感覚でいて、気が抜けていたことは否めません。その後猛省し、どうやったらこんなうっかりがなくなるのかを考えた結果、外出時はこの2点がなくても編めるものを持っていくことで落ち着きました。根本的な解決にはなっていませんが、紛失しないためにも自宅で使うに限る。
電子機器は編み物で使う分にもとても便利ですが、持ち歩きにはあまり向いていないと感じる出来事もあって、なかなか難しいところです。なんだかんだ言っても、やっぱり紙とペンも併用していくのがいいのだな、と思った次第です。
でも自宅にいる限りは、やっぱりiPadとApple Pencilが最強。
