お堅いことに定評のある新潮文庫のティーンズ向けレーベル。
早坂吝著「探偵AIのリアル・ディープラーニング」新潮文庫nexより。ちなみに作者の読みは「はやさか やぶさか」です😅
主人公は探偵小説マニアの高校生 合尾輔(あいおたすく)。名前は語呂合わせも入っているでしょうね。AIを助ける。あるいはiOSとtaskを掛けているのかも。
名前の通り、探偵であるAIの助手を務めます。それから本作の語り手も。
探偵役のAIは、仮の名を「相以」(あい)。AIをそのまま読んだだけでもありますが、AIは人間に似るということで「相似」とも掛けています。
早くに母を亡くし、不遇なAI研究家の父と暮らしてきた主人公。しかし、その父が密室で焼死体となって発見されるというショッキングなニュースが飛び込んできました😢
密室ということもあり、警察は早々に自殺と判定しますが、それに納得いかない主人公。ある日、父の形見を眺めていたら不審なSDカードを発見します。それこそ生前の父が密かに開発していた探偵AIの相以でした。
さっそく相以とともに父の死の真相を探り……たいのは山々ですが、生まれたてのAIである相以は思考能力は高いものの、肝心要の世界に対する知識が空っぽのまま。
助手である主人公がまずやることは相以に世界のことを教えることでした。
つまり、それがタイトルにあるリアル・ディープラーニング。
わたしたち人間は世界が美しいものであることをほぼ直感で知っていますが、それをAIに説明するにはどうしたら良いのか。あるいは人の死をどう説明するのか。なぜ他人が死んで自分が悲しくなるのか。それをコンピュータに言葉で説明するためにはどうしたらいいか、よくよく考えるとかなり難問奇問であることが理解できるかと思います😵💫
やがて現れる犯罪者AIの以相(いあ)。相以の製造過程で開発されたこの犯人AIも、事あるごとに相以に介入してきます。物語は連作の形で進み、さまざまな事件の推理をしていく一方で、この以相との絡みも大事な要素です。
好む好まざるに関わらずAIは既に生活にお馴染みのものになりつつあるかも。
そんなAIがどんなものを知るためだけでも読んでみる価値はあるかも、です🤖
漫画版もあるようです👇
以下👇は続編あるいはスピンオフです。
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