【公平世界仮説はいいとこどりで】小説家は勧善懲悪をどう扱うべき?

 公平世界仮説という言葉を聞いたことはありますか?作家であれば、ぜひ抑えておきたい用語です。ここでは、公平世界仮説とは何か、小説にいれるメリットと影響、上手く使う方法をご紹介していきます。1つの小説の魅力UP要素として認識いただけたら幸いです。

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公平世界仮説とは

 公平世界仮説とは、世界に「安定・秩序」を求める人々の認知バイアス(思い込みや環境により、無意識のうちに合理的ではない判断をしてしまう心理現象)を表す心理用語です。

 具体的にいうと、「勧善懲悪」を信じている状態です。

 ではなぜ人は「安定・秩序」を求めるのか。それは、人は理由もなく辛い思いを強いられるような世界ではあってほしくないと考えるからです。これは小説の世界も同じで、読者は物語にも「勧善懲悪」を求める傾向があります。

小説に入れるメリットと影響

 人は公平世界仮説を信じることで、主観的な幸福感が高まったり、将来の目標のために努力をしようという気持ちになります。ゆえに公平世界仮説を取り入れた話を読んで心を楽にしたいと思う。つまり自然と読者に読みたくさせるというところが公平世界仮説をベースにするメリットです。

 また公平世界仮説の裏には「栄光には代償がつきものである」という強い考えが走っています。「楽してる人は成功できない」という考え方です。

 往々にして、チートキャラ(強く、ずるいキャラ)が嫌われてしまう理由は、その「代償」「どれだけ苦しんだか」という描写が少ないことに起因します。努力をしないで報われる世界を描く「なろう系(異世界転生)」の小説に嫌悪感を抱く人がいるのも同じ理由です。

 では、小説は全て公平世界仮説押しであればよいのか?というとそれも違います。「よくある勧善懲悪の物語ね」と捉えられ、結果的に面白くないと判断する人がいるからです。かといって、公平世界仮説を無視したチートキャラメインの話にすると読者に嫌悪感を抱かせ、手にとってもらえなくなる。

 このように、どちらに転んだとしても読者層が絞られてしまうことが、公平世界仮説の影響として考えられます。

公平世界仮説は「いいとこどり」がおすすめ

 ではどうしたら公平世界仮説をうまく小説に取り入れられるのでしょうか?具体的な案としては、「苦労し続けた人がチート能力を手にいれて成功する」もしくは「大きな代償を抱えたチートキャラ」というような話にすることです。

 つまり「チート能力」と「苦労や代償」という相反するものをうまく織り交ぜて、「いいとこどり」をすることで、読者の心を大きく揺さぶり、話を面白くさせます。落としどころは、「誰しも善にも悪にも成りうる。善人も悪人もみな同じ」というのがおすすめです。

 公平世界仮説で人の心を安定させつつも、スパイスとしてあえて「反公平世界仮説」を利用すれば、小説の魅力を多いにUPすることが可能です。

まとめ

 人は誰しも公平世界仮説の中で生きており、そういった話を自然と読みたくなるものです。しかし世の中にある小説がすべて公平世界仮説ベースの話であったら、面白みがありません。「反公平世界仮説」という考えをスパイス的に利用することで、一味違った面白い小説が出来上がります。公平世界仮説のいいとこどり、ぜひ意識してみてください!

ここまで読んで頂きありがとうございました。
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