※アイキャッチ画像は「Erich WestendarpによるPixabayからの画像 」
Royal Domain of Drottningholm ( Sweden ) OUV(iv)
1991年世界遺産登録 2019年軽微な範囲変更
■王妃の愛した宮殿
ストックホルム近くの湖に浮かぶローベン島に、森の中に囲まれた宮殿があります。ヴェルサイユ宮殿を模して造られたとされ、17-18世紀のイタリアやフランスのバロック様式の宮殿と庭園の影響を強く受けています。
※バロックなど西洋建築様式についてはコチラも参照ください。
ドロットニングとは「王妃」を意味し、その意味の通りに王妃に纏わる歴史を持ちます。
造られたのは17世紀、スウェーデン王のカール10世の王妃であるヘートヴィッヒ・エレオノーラの命によります。彼女は戦争でカール10世と死別したあと、息子の即位後は政治をサポートし、孫娘ウルリカ・エレオノーラが女王となった時も政治面でのサポートをしました。
この孫娘のウルリカ・エレオノーラは女王の退位後、夫のフレドリク1世が推挙されてスウェーデン王となります。
時がたち、国王アドルフ・フレドリクの時代に王妃となったロヴィーサ・ウルリカは、結婚祝いにフレドリク1世から宮殿をプレゼントされます。
ロヴィーサも、その息子グスタフ3世も非常にこの宮殿を気に入り、この時代に多くが増改築されました。宮廷劇場、中華風のパビリオン、村や庭園がそろうと、それは王室の夏の避暑地となり、宮廷劇場は200年経った今でも使用できるそうです。
写真の宮殿正面に広がるバロック式の庭園とは別に、付近にはイギリス風の自然的な庭もあり、グスタフ3世の死後使われなくなったものの、その自然環境は保持され、17-18世紀に存在した北欧を代表する建築が今もなお保存されているのです。
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