文鳥が健康に暮らすために適した湿度は50~60%です。乾燥対策は濡れタオルと加湿器がおすすめです。

文鳥ケージ、ペットヒーターの選び方と使い方

文鳥に適した温度は健康な成鳥で20℃~25℃です。文鳥のケージを状況に応じて適切な温度にするには、ペットヒーターとサーモスタットを使います。

更にケージにビニールカバーをかけると温かい空気を逃がすことがなく効果的に温度を保つことができます。

これから文鳥を飼いたいと考えている方は、ヒーターを選ぶにあたり、どのメーカーにするのか、何Wがいいのか、また実際に使うにあたりどんなことに気を付けたら良いのか等々、疑問があると思います。

白文鳥のパセリくんをお迎えして寒い冬を過ごした中で、文鳥飼育に必須のヒーターの選び方や実際の使い方で工夫したことを私なりに記録しておきます。

日本の中でも温暖な静岡県東部に住む、暑がりな飼い主の場合ですが、ご参考にしていただければと思います。

ペット用のひよこ電球がおすすめ

文鳥ケージの保温には、ケージ全体を暖めることができる、カバー付きのひよこ電球がおすすめです。

電球なので、いつか切れます。切れてしまったときに困らないように、1シーズンごとに新しい電球に交換するという話も聞きます。

でも、まだ使える電球を毎年捨てるのはもったいない気もします。私は朝晩ケージの温度チェックをするとともに、予備の電球を用意しています。

万が一電球が切れたときにはすぐに交換できる体制にしたうえで、使えるところまで使おう、という考えです。

カバー付きひよこ電球でよく使われているのが、マルカン保温電球とアサヒペットヒーターです。ネット上の評価をザックリとまとめると、価格はマルカンの方が安価、電球の耐久性はアサヒの方が長持ちの傾向、というところでしょうか。


CASAというマルカンのブランドもあります。ヒートランプという名称です。縦向きにも横向きにも設置が可能で、コードの途中に中間スイッチがあるので便利だということです。従来のマルカン保温電球より少しお値段が高めです。

ペット用ヒーターにはパネル形式のヒーターもあります。SANKO外付け式バードヒーターは、小鳥が寒いときに自分から近づいて暖を取ります。

コスパもいいし、外付けなのでケージ内が広く使えます。ヒーターの外側が暑くならないので直にカバーをかけられるのも利点です。

ただ、ケージ全体を暖めることを考えると、ひよこ電球の方がしっかりと暖まります。バードヒーターは、部分的、補助的に使うと考えた方がいいと思います。

メーカーとW数によるヒーターの大きさの違い

ペット用ひよこ電球は、マルカン、CASA、アサヒともに見た目の色の違いはありますが、カバー付き、ケージに引っかけて取り付け、コードは金属コイルで保護されている、等、ほぼ同じ形状です。

ただメーカーとW数によって本体カバーの大きさが違います。マルカン保温電球とアサヒペットヒーターの大きさです。

マルカン保温電球
100Wはセラミックヒーター
アサヒペットヒーター
20W φ60×H133 φ80×H130
30W × φ80×H130
40W φ75×H170 φ100×H200
60W φ95×H170 φ100×H200
100W φ95×H170 φ100×H200

マルカンは30Wはありません。同じW数を比べると、アサヒの方が若干大きめだということがわかります。ヒーターを選ぶときに、今のケージにこの大きさの物を取り付けることを想定しておきましょう。

アサヒペットヒーターは、本体カバーの大きさが同じならW数が違う電球を付け替えることができます。例えばアサヒの20Wと30Wのカバーは同じサイズなので、カバーが1つあれば20Wと30Wの電球の付け替えが可能です。

何Wを用意すればいいか

何Wのヒーターを用意すればいいのか、迷うと思います。室温が何℃で、ケージ内を何℃に暖めたいのか、その差によって、用意するひよこ電球のW数が決まります。

用意するヒーターのW数を決めるためにまず、ケージを置く部屋の温度が何℃なのかを知る必要があります。昼間は室温が高くても、夜中や明け方は冷え込むので、最高気温と最低気温を把握します。

次に、文鳥のケージ内を何℃にしたいのかを確認します。文鳥が生後どのくらいかによって適温が違います。健康な成鳥なら20~25℃です。ヒナの時期やシニア期、また成鳥でも体調が悪いときはもっと温度を高くする必要があります。

室温とケージ内目標温度の差が、ヒーターで暖めたい温度です。室温とケージ内の温度、両方を常に把握する習慣をつけると良いと思います。最高温度と最低温度を表示できる温度湿度計を、部屋用とケージ用の2つ用意すると便利です。

生後間もないヒナの場合、30℃前後をキープする必要があります。週齢によって適切な温度と湿度が違ってきます。週歳や年齢、健康状態による適温や環境の整え方は、飼育書を参考にして確認しましょう。

ヒーターで何℃から何℃に暖めたいのかわかれば、用意するひよこ電球のW数が決まります。マルカン保温電球とアサヒペットヒーターは、何Wの電球が室温プラス何℃まで暖められるかの目安が同じです。

W数 温度の目安 マルカン/アサヒ
20W 室温+4℃
40W 室温+7℃
60W 室温+10℃
100W 室温+15℃

私の場合はパセリくんをお迎えしたときに、ホームセンターで「保温はこれです」とマルカン60Wを渡されました。アサヒは置いてなくて、40Wはちょうど品切れだったようで、選ぶ余地がありませんでした。

その時は1月で寒い時期でした。エアコンの暖房をつけた室内は20~22℃ぐらいだったと思います。生後3~4週齢でお迎えしたパセリくんはケージ内を30℃ぐらいにする必要があったので、その差は8~10℃。今考えれば60Wで正解でした。

ビニールカバーとサーモスタットを一緒に使う

ビニールカバー

ヒーターはケージ内を暖めますが、メーカーが提示している温度の目安は密閉空間の中という条件の元です。密閉されていなければ、ケージ内の温度は充分には上がりません。

ケージ用のビニールカバーを一緒に使うのがおすすめです。年間を通してケージにビニールカバーをかけることで、エサや換羽期の羽の飛び散りを防ぐことができます。更に冬は暖かい空気を保温でき、夏はクーラーの冷たい風が直接当たるのを防ぎます。

ビニールのニオイが気になる方もいらっしゃると思います。私は一週間ぐらい広げて干しておきました。問題なく使えています。

サーモスタット

ケージ内の温度を適温に保つ為には、ヒーターと一緒にサーモスタットが必須です。サーモスタットは設定温度より気温が下がってきたら電源が入り、設定温度より気温が高くなれば電源が切れるので、適温を保つことができます。

私はアサヒ電子サーモスタットを使っています。最低気温と最高気温を表示する温度計をケージのすぐ横に設置して、1日の温度の振れ幅を毎日チェックしています。
うちの場合、実際のケージ内の温度は、サーモスタットで設定した温度から概ね±1℃の範囲です。ビニールカバーを併用しているので、温度が比較的安定しているのだと思います。文鳥にとって適した温度環境を維持できています。

マルカンCASAのデジタルサーモ300はケージ内の温度を表示してくれるとのこと、便利そうなのでぜひ使ってみたいと思っています。

季節はいつから必要か

昼間は暖かくても春や秋は朝方に冷え込むことがあります。繰り返しになりますが、健康な文鳥の成鳥は20~25℃が適温とされています。ケージ内の気温が20℃を下回ることが予想されたらヒーターを使うべきだと思います。

温度湿度計を用意してケージ内の温度を確認するとともに、文鳥が実際に寒がっていないか様子を見ることも大事です。人間も寒がりと暑がりがいます。体調によって寒い暑いの感じ方が変わります。文鳥も同じです。

文鳥は寒いと羽をブワッと広げて空気を羽に溜め込みます。くちばしを羽に埋めていることもあります。

私は何気にケージの温度湿度計を確認し、文鳥たちの様子を見ながら、「寒くない?」と声をかけたりします。「大丈夫だよー」「ちょっと寒いかなー」などと返事をしてくれるわけではありませんが、飼い主として常に、今、文鳥は快適だろうかと気づかう気持ちが大事だと思っています。

設置はケージの中か外か

ヒーターは意外と大きい

うちのケージはSANKOイージーホームクリアバード35なので、前と後はクリアパネルです。ヒーターを取り付けることができる左右のサイドワイヤーの部分は、ベースカバー部分を除くと高さが285(mm)です。マルカンのH170にしてもアサヒのH200にしても、ヒーターがかなりな存在感になります。

SANKOイージーホームクリアバード35の横幅は内寸で315(mm)です。アサヒの40W以上の場合φ(直径)100なので、ケージ内寸の横幅の約3/1をヒーターが占めることになります。ケージ内が狭くなってしまうのはどうかと思いました。

もしマルカンの40Wならφ75です。それでも、ケージが狭くなる気がします。しかも私が最初にホームセンターで勧められるままに買ったのはマルカンの60W、φ95×H170でした。やっぱりケージが狭くなります。

パセリくんケージデビュー前、マルカン60Wはケージの中でした

文鳥が直接触ると危険

問題は他にもありました。ヒーターをケージ内に取り付けた場合、文鳥が熱くなったヒーターカバーの上に直接乗ってしまうと、やけどの危険があります。

乗らないようにヒーターをケージの最上部につければ、という考えもあるかもしれません。暖かい空気は上へ上ります。ケージ全体を暖める為には、ヒーターはケージの下の方につけた方が効率的です。

乗って熱いと覚えれば乗らなくなる、という意見もあるようです。また、文鳥が直接ヒーターに乗らないように上部にステージを設置している飼い主さんもいらっしゃいます。

でも、急に何かに驚いたときなど、本人(本鳥)も意図しないまま横や下からヒーターにぶつかってしまうこともあり得ると思いました。心配性と言われればそれまでです。

うちは外付けに決めた

ペット用ヒーターを付けるのはケージの中か外か、状況と考え方次第だと思います。いろいろと工夫してケージの中にヒーターをつけている飼い主さんも多くいらっしゃいます。

ケージによってはヒーターを中に付けてもケージ内のスペースが充分取れることもあるでしょうし、小鳥がヒーターに触らないように出来れば良いと思います。

でも、ケージ内の広さを確保するためと、文鳥が熱いヒーターに触らないようにという観点から、パセリくんがケージデビューして以降、私はヒーターを外付けにしようと決めました。

文鳥ケージの温度湿度管理

ヒーターを外付けにすることで、また問題がでてきます。熱くなったヒーターの上からどうやれば安全にビニールカバーやおやすみカバーをかけられるのか、です。

また、夏はエアコンの風対策、冬は保温対策と同時に湿度も確保する必要があります。これらの温度湿度管理の環境については、こちらの記事をご覧ください。

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