今回は、当社の仲介手数料についての考え方を記事にします。
これは、特に繁忙期になるとお客様から
「仲介手数料を半分にして頂けませんか」
「保険は自分で探して入っても良いですか」
「保証会社をたてずに親を連帯保証人に出来ないか」
「鍵は交換しなくて良いので鍵交換費用を免除できないか」
こういうリクエストをよく伺います。先ずは仲介手数料について。
これは賃貸も売買も永遠のテーマのようになっておりますが、案外正確に不動産の報酬について把握している方は少ないです。
この記事を書こうと思ったのも、あるyoutubeを見たのがきっかけです。
この方の仰ってることはざっくりとは正しいですのが、若干説明について正確に説明しきれていないところがありますが、それは次回解説致します。
先ず、当社の仲介手数料についての考え方。
当社は賃借人様から一ヶ月分および消費税の仲介手数料を頂きます。これは、物件紹介時、案内時にご説明致しますし、当社の募集図面にもweb掲載にもその旨を記載し、申込を頂く際も読み合わせと文章で理解して頂いた上で申込の署名を頂きます。
但し、次の場合はその限りではありません。
◆ 当社の既存ユーザー様(すでに違う物件で契約頂いたお客様)およびユーザー様の紹介顧客かつ、ご自身で物件を見つけられて、当社はお客様をその物件にご案内してスムーズに決まって特に条件交渉等を要しない場合は、仲介手数料を半額とさせて頂いております。※当社が物件を探し、精査しご案内し、成約の場合は一ヶ月分と消費税を頂戴しております。また物件の希少性も関係します。当社のみが持っている情報(未公開物件)等など
最近、不動産仲間内でよく話題になるのが、Instagramやyoutubeでこういう仲介手数料は半額になる!!と業界裏話を拡散することで再生数を稼ぐ方がいるので、(それを否定しませんが)お客様に不動産業界自体に不安と不満を与えてしまって困る状況があります。
町には仲介手数料半額の大手業者様もたくさんいらっしゃいます。それを否定するつもりはありません。
また、youtubeにあるようにAD200出る物件もございます。
繁忙期前やラストスパートにAD300という物件も出てきます。これを上手に上京したての焦ってるお客様を煽って決めさせる営業マンは賃借人様からも仲介手数料を頂戴するので、コアドラプル手数料と喜んでいる業者さんもいます。
しかし、この仕事に本気で取り組みたいのであれば、ADが高すぎる物件はお客様にお勧めしません。
時期と物件でAD100%出る物件は当社も管理させて頂いております。
アパート飽和地域で閑散期に3ヶ月空かすぐらいであれば仲介業者様にお支払いしてガソリンとすることもこれはオーナー様が決めることなので、従います。
ただ、ADが出るということは何らかの理由で決まりにくい、ターゲットが少ない層の物件であることが多いです。
ADというのはただのカードであって、決まりにくい物件を後一押しで決まるという時に仲介手数料を半分にします、一ヶ月フリーレントにします等の条件カードなのです。そのカードを切るか切らないかは営業マン次第なのです。
また、殆どの不動産営業に特化した営業マンというのはせっかちで、面倒くさがりなので
上記のyoutubeのようにいきなり「仲介手数料半分にしてください」「AD出る物件だけ紹介してください」というお客様が来られたら優先されるお客様からは外されると思います。
実際に私は、社員が契約ギリギリのあと初期費用入金ってタイミングで仲介手数料半額交渉をしてきた顧客をお断りしたケースがあります。
その理由は、その営業マンが必死に車で他社物件も含めて何件も案内し、メールでフォローもし、スムーズに特に失敗も無く申込を取ったこと。手数料交渉が契約直前の夜だったことから、タイミングに意図的なものを感じたこと。
今まで、同条件でお客様から仲介手数料は一ヶ月分報酬を頂いておったので、このお客様だけ半額にすることは出来ませんでした。
また、よくある話ですが仲介手数料半額の業者様は抱える案件数が多くて常に営業マンが忙しいので、契約に至るまではしっかり仕事をされますが申込を取って、仲介手数料が入金されたらいきなりサービスが悪くなるどころか、契約に立会もしない、重要事項説明もしない(そもそも宅地建物取引士が少ない)物元業者に丸投げ、そして入居後、問題があっても無視されるということが多々あります。
これも不動産屋側から言うと、物件を借りてsuumoにのっけて反響入った瞬間、メール電話ラッシュして、物件空き確認しまくってあの手この手で部屋押えをして契約出来たんだからそこまでが仲介手数料だという意見と
お客様からいうとコンビニや歯医者ほど数多くある不動産屋の中からやっと選んで愛想の良い、気の利く営業マンに出会えたと思ったのに契約決めたら一気に冷たくなって、入居後管理会社とうまくいってないから助けてと相談したのに無視される。こんなことなら仲介手数料払うのでは無かった。
こんな話はよくあります。また、裁判にもなり、高等、最高裁までいくお客様と不動産業者のトラブルの判例も実際にありますが、ネットや新聞になるのはその一部の分かりやすい文字だけが公開されますが「仲介手数料半額!!」のように。
実際は、上記のようにそれ以外のコミュニケーションであったり、全然違う問題で揉めていて唯一責められるのがそこだったために訴訟になり、それが判例となったケースがあります。
長々した記事となってしまいましたが、仲介手数料というのは我ら不動産業界では昔から大激論されてきた話題なのでつい熱くなってしまいました。