楽天は社内の英語公用語化に失敗はウソ!ちゃんと成功しています

2010年、楽天が社内公用語を英語にすると発表した時の世間のネガティブな反応を覚えてますか?未だに「楽天の英語公用語化は失敗」と言いたがる人が多いことに驚きます。楽天は英語公用語化で成果を上げています。

 

ファーストリテイリング(ユニクロ)や楽天が、英語を社内公用語とすると発表してから10年以上経ちました。

 

発表当時は、日本人同士が英語で仕事をすることを笑ったり、反対する批評家もいましたね。

しかし、その後、アサヒビールや資生堂、ホンダ等、続々と大手企業が英語公用語化に名乗りを上げました。

 

特にメディア等で社内英語公用語化の経過について語っている楽天は、その成果がわかりやすい企業です。

楽天が英語公用語化に踏み切り、他の企業も続々と後に続いているのには理由があります。

そして、今まで英語とは無縁に一般企業で働いてきた人たちも、この英語公用語化の波とは無関係ではありません。

 

楽天は、どのように英語公用語化を成功させたのでしょうか。

 

カエデとは ☞ >> 大人になってから英語とフランス語を習得したマルチリンガル。IBM、キャノンなど有名外資系及びグローバルカンパニーにて勤務。カナダ在住。

この記事のおすすめ読者

  • 英語を使った仕事をしたい人。
  • 社内英語公用語化に興味のある人。
  • 外資系に転職を考えている人。
  • 英語学習者。

 

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【楽天・社内の英語公用語化】目的は事業のグローバル化

 

グローバル化

英語を公用語化することをEnglishnization(イングリッシュナイゼーション)、共通語をリングワ・フランカ(伊:Lingua franca)といいます。

楽天の三木谷会長兼社長(以後三木谷会長)にとって、英語をリングワ・フランカとすることことは、やらなければならない事業でした。

彼を英語化に駆り立てたのには理由があります。

 

世界市場を広げる

少子高齢化により縮小を続ける日本市場だけを見ていては、企業は先細りです。

グローバル化を目指す企業にとって、英語公用語化という言語戦略は、世界中に散らばっている社員が効率的にビジネスを進めていくために不可欠です。

 

英語公用語化以後、楽天は海外事業の展開や買収に積極的になりました。

カエデも、カナダで楽天のテレビコマーシャルをよく見かけるようになりました。

 

海外展開するには、海外スタッフとのスムーズな連携は必須です。

 

カエデはカナダで大手日系企業で働いてきました。

派遣されてきた日本人駐在員は、日本本社と現地カナダ人スタッフとの間に挟まれて大変そうでした。

日本からは文書を日本語にしてから送ってもらうことを期待される上、ビジネスの考え方が違うので、その違いに折り合いをつけるのが難しいのです。

日本本社のスタッフも英語ができ、海外の商習慣を理解したら、間に人を介さず、迅速にビジネスを展開することができます。

 

日本的な企業風土の打破

三木谷会長は、グローバル企業になるには、日本的な企業風土を打破することが大事だと考えました。

ダイバーシティの獲得

三木谷会長は、言葉だけでない本当の意味でのダイバーシティー(多様化)を追求したかったそうです。

言葉を変えることは意識や考え方を変えることにも通じます。

そこから、新しい発想が生まれます。違う言葉や文化と共存することは、1つのレンズではなく2つ以上のレンズで社会や世界を見ることです。

アントレプレナーシップ(起業家精神)も楽天が社員に期待する要素です。英語という武器を増やすことで、新しい発想を生むことが可能になります。

 

カエデ
ダイバーシティは企業生き残りの切り札

 

世界中のリソース(人材、予算、情報)にアクセス

たとえば、アメリカ、イギリス、日本のマーケティングチームが同じリソースを共有することができれば、社員はリソースを有効に活用できて、効率的に仕事ができるようになります

また、広く情報収集する場合も、英語で発信される情報は日本語の200倍ともいわれています

英語で情報にアクセスできることは、情報のスピードが早く内容が詳細であること、日本的な偏見が存在しないことでメリットとなります。

ライバル企業との競争に勝つためには、社員一人一人が英語の豊富な情報にアクセスして理解することが必至です。

 

人材を世界中から獲得する

優秀な人材は企業の心臓です。世界には有名大学を出た優秀な人がたくさんいます。

社内公用語が英語であれば、世界中から優秀な人材をスカウトできます

しかし、彼らをウェルカムするには、日本人社員全員が外国人社員とコミュニケーションができ、異文化に対して理解を示すことが必要です。

異文化や多様性を理解するには、上辺だけでなく、心から相手の文化や考え方を尊敬しようとする態度が大事です。

 

 

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【楽天・社内の英語公用語化】何をしたのか

クエスチョンマーク

 

さて、社内英語公用語化を目指す楽天は、その実現のために何をしたのでしょうか。

役員自ら参加

役員だから勉強は免除ではなく、全ての社員を対象にしました。リーダーたちが旗を振らなくては社員は踊りません

グローバルな部署はもちろん、ドメスティックな部署でも関係なく対象としました。皆が対等に頑張ることで不公平感を排除したようです。

経営陣の成績も、社員全員が見えるようにしたそうです。役員だから勉強しなくてよいではなく、役員だから皆の手本とならなければいけません。

 

目標を設定して管理

楽天はKPI (重要業績評価指標)を設定し、会議やメールがどれだけ英語化されているのかをまずモニタリングしました。

その後、TOEICなどのスコアと学習時間を各社員ごとに管理して、全員が見えるようにしました。英語力が伸びていない社員が一目で分かるという、ちょっと厳しい状況ですね。

楽天の採用サイトを見ると、新卒採用に英語力は考慮されないようですが、内定が決まったら、入社までにTOEIC800点を取ることを義務付けています

800点とはかなりの高得点で、がむしゃらに頑張らなくては取れません。

800点が目標になった時、英語が苦手な既存の社員は昇進できないどころか降格も覚悟したようです。しかし、楽天はしっかりサポート体制を整えました

 

カエデ
点数を見える化するとはかなり大胆

 

費用やトレーニングは会社持ち

三木谷会長は、最初、英語学習はそれぞれの社員が自腹を切って、自分の時間を使って勉強すべきだと考えていたようです。(ちょっと甘かったんですね。)

しかし、それでは中々成果は出ませんでした。

英語に対する苦手意識や心の垣根を取り去るには、会社が費用を負担し、全面的なサポートをすることが不可欠です。

学習する費用はもちろん、人事部でトレーニングを考案するなど手厚いサポートをして、英語公用語化を社を挙げてのムーブメントに昇華させました。

 

勉強を楽しむ

英語の勉強を楽しんでもらうには、楽しい仕掛けも必要です。

楽天では、ゲーム形式で英語を学べるトレーニングを開発したり、TOEICの目標を達成するまで居残る合宿もあるそうです。

 

カエデ
居残り…やっぱり創業社長はスパルタですね。

英会話は楽しくないと続けられないし英語力は上がりませんね。

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異文化理解

異文化理解を深める研修もあるそうです。

専門の外国人講師を呼び、ベーシックとアドバンスの2種類の講座を開いています。

 

英語はたとえ話せても、日本人的な考え方から出るのが難しいのです。異文化理解とは、自分が経験してきたことや信じてきたこととは違う文化や考え方を受け入れることで、これがなかなか難しいのです。

 

カナダに長年住んでいるカエデはカナダ文化を理解しているつもりですが、中には受け入れられない部分もあります。これが、日本の外に住んだことがない日本人なら尚更難しいでしょう。

自分の固定観念の枠をはずすことが国際理解の一歩になります。

 

カエデ
国際理解は、まずは歩み寄り。

 

海外には、日本人には普段の生活では出会わない文化の中で生きている人たちがいます。

① イスラム教は豚肉を食べず、女性は被り物をする人がいる。ヒンズー教は牛肉を食べない。ユダヤ教は祈りを捧げた物しか食べない。等。

② LGBTQの人たちに対しての理解も必須です。日本のようにゲイを冗談にするなどはもってのほかです。

③ 外国人社員の国の政治事情にも関心を持ちましょう。

 

【楽天・社内の英語公用語化】メリット

フレンチブルドッグ

 

三木谷会長は、英語社内公用語化は楽天にとって大きな出来事であり、それがなければ「楽天は終わっていた」と言っています。

そして、 英語化こそが、真のグローバル企業を目指す楽天の成功への大きなステップであったとしています。

楽天の社内英語公用語化は、ハーバード・ビジネス・スクールも教材にするほど、しっかり成功を収めています。

 

TOEIC平均は830点

社員の英語力を上げることは、もちろん会社の取り組みですが、社員にとってもキャリアの選択肢が広がるというメリットがあります。

TOEICの点数は、帰国子女などを除いた平均で830点を超えています。この点数はすばらしいものですね。

また、海外の展示会や研修の派遣に、ほぼ全員が参加できるようになっているそうです。海外赴任も身近になり、海外子会社の社員も英語で仕事ができるので日本に来やすくなりました。ー 海外に行けたり、海外から人が来ていっしょに働くというモチベーションがあると、英語の勉強にも身が入りますね。

そして、なんと、新事業として、外部企業へ公用語化のノウハウを伝授するコンサルティング事業も始めたそうです。

さすが楽天、使った費用の元は取ります。

カエデ
TOEIC830点は高得点です!

 

バイリンガルになるとやはり年収は上がる?カエデのこの記事を参考にしてくださいね。

☞ >> 【バイリンガルやトリリンガルだと年収は上がる?】まとめて検証します!

 

外国人エンジニアは50%

公用語化前は日本国内の外国人比率が2%でしたが、今では20%を超え、エンジニアでは50%近くになります。世界70カ国以上から社員が集まってきており、エンジニアはインドと中国からが多いそうです。

「日本で英語で働ける企業といえば楽天」というイメージもできあがりました。世界の有名大学から優秀な卒業生を採用できるようになり、人材獲得にかける広告費を削減できたそうです。

また、カエデが考えるには、日本人社員が何かの目的を持って海外に飛び出す時も、楽天というグローバル企業で英語を使って働いていたことが、きっと役に立つでしょう。

 

統一した日本的ビジョンの共有

週1回の朝会(もちろん英語で)とデスク周りの清掃は全世界的に行うそうです。そうすることで、世界中の子会社や社員が、同じビジョンを共有することができます。

そして、英語という共通言語を持つことで「面白い現象」が起きました。

 

ハーバード・ビジネススクール経営学のセダール・ニーリー教授は、楽天の英語公用語化で三木谷会長を助け、5年間その動きを注目しました。

教授が言うには、英語を公用語とすることで、当初英語圏の社員は、これで仕事が効率的になると喜んだそうです。

しかし、実は、英語が水路の役割をして、楽天の社内ルールや企業文化が海外に流れていったようです

名札がきっちり左胸に付いているかチェックされる等、海外にいながら彼らが日本の文化に馴染まなければならなかったようです。

一方、言語と文化の両方のハードルを課された非英語圏のアジアやアフリカ出身の社員は、英語化に対する覚悟が固まっており、順応性が高かったそうです。

 

三木谷会長は、英語を採用しても、企業文化を欧米化しませんでした。
カエデ
日本の企業文化を世界に浸透させるために英語化を推進

 

【楽天・社内の英語公用語化】デメリット

怒ってる猫

 

社内の言語を変えることには苦痛が伴います。産みの苦しみですね。楽天も、英語を社内公用語に移行してしばらくの間は、産みの苦しみを味わったようです。

 

社員の離脱

英語公用語を導入するにあたって、どうしても馴染めない社員は会社を離れていったようです。

二ーリー教授が言うには、「三木谷会長のやり方は過激だったが、大胆で、素早く、楽天に成長の種を蒔いた」と言っています。社員にとっては苦痛を伴うことでしたが、楽天の将来にはプラスでした。

また、二ーリー教授は、「母国語の能力が高い人ほど外国語で自分の語学力が低く劣っていると思う」と言います。

カエデが思うに、ある程度の役職についている人ほど、英語という未知の世界に踏み込むことを恐れるのではないのでしょうか。自分が劣って見えることにプライドが許さないのです。

 

カエデも日本で、自分の働いている会社がフランスとアメリカで合併した時、英語(またはフランス語)を話せない社員と話せる社員の間に溝ができました。

面白かったのが、事務系社員より技術者のほうが、ブロークンの英語を使って海外出張時に仕事をこなしていました。技術という共通の言語があるから、英語がブロークンでも通じるようでした。

しかし、テストだけ見ると、楽天ではエンジニアの英語力の点数の伸びが鈍かったそうです。

 

カエデ
エンジニア同士はブロークン英語でも結構分かり合えるのよね

 

生産性の低下

公用語化当初、社員意志の意思疎通が難しく、生産性が低下したそうです。

そうですよね、カエデも現在フランス語を勉強中ですが、いきなり会社で話す言語が社員同士もフランス語となったり、フランス語ネイティブと仕事をしなければならなくなったら、生産性は一時的に下がると思います。

また、楽天では、会議中に社員それぞれが英語でさまざまな表現を用いるため、確認にかえって手間がかかりました

言葉というのは約束事なので、その使い方のルールがないと、それぞれ好きな言葉を使うからです。

楽天は、その問題解決のために、経営会議にはこの英単語を使う等、まず「社内英語用語集」を作ったそうです。

 

カエデ
トライアンドエラーの繰り返し

 

まとめ:楽天は英語化に成功している

このブログ記事を書くために、色々資料を探していると、未だに「楽天の英語公用語化は失敗した」と言う人がいるので驚きます。

 

あの、ハーバード・ビジネス・スクールで、グローバル化の成功例として教材にまでなっているのにです!

二ーリー教授が言っていましたが、「外国語に対して拒否反応を示すのは日本人だけではなく、ドイツ人もフランス人もチリ人も、英語で仕事をすることに抵抗感があったり不安がある」そうです。

しかし、英語をビジネスの世界で共通語とすることは、公用語化の程度や差はあっても、避けて通れません。

英語を勉強することを先延ばしにすることは、さまざまなチャンスを逃すことなのです。

 

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この記事を書く為に参考にしたもの:
東洋経済オンライン「楽天は「英語公用語化」でどう変わったのか
朝日新聞GLOB+「【三木谷浩史】英語を社内公用語にしなければ、楽天は終わっていた