今年は選挙の年です。ただいま参議院選挙のまっただ中に記事を書いているのですが、新聞を見ると各選挙区・比例代表の候補者をすべて紹介した上で選挙情勢を掲載しています。情勢の行方も気になりますが、今回の選挙でひと際目につく存在なのがNHK党の存在です。

 

 

今回の参院選、NHK党から出馬する候補者は選挙区・比例区合わせて82人、これは政権与党の自民党と同じ数です。そして選挙区の候補地の分布を見てもすべての選挙区で立候補者を立てており、その選挙区の当選定員枠に合わせるかのように候補者数も立てています。そのため他政党を圧倒する候補者数となっています。

 

 

国政選挙に立候補すると供託金を収めなければなりません。NHK党の場合は選挙区300万円×73+比例区600万円×9=2億7300万円を収めることになります。当選もしくは一定以上の結果を残した場合には供託金は全て返還されますが、有効投票総数に対して一定票(供託金没収点)に達しない場合は没収されてしまいます。

 

 

今回の参院選でのNHK党の情勢は一人当選するかしないかという厳しいもので、下手すれば億単位の供託金が没収されることになりかねません。NHK党の国会議員は僅か一名、国政政党に上り詰めたとは言え、少数政党が候補者を立てるにも資金繰りが相当大変なはずですが、いったいどうやって資金を集めているのでしょうか?NHK改革を掲げるワンイシュー政党として世間から注目を集めましたが、今回はNHK党の資金面を中心としたお金にまつわる話ですすめていきたいと思います。

 

 

国政政党であれば受取れる政党交付金

 

 

こちら上の写真の中央にNHK党の立花孝志党首を挟む形で(左)丸山穂高当時衆議院議員と(右)上杉隆当時幹事長が脇を固める形で写真に納まっています。この写真は前回の参院選(2019年7月)後のNHK党の躍進後の新体制としてこの3人が党運営を担ってきました。しかし既に両脇の2人はNHK党から離れています。この党は内紛トラブルが絶えず、この2人に限らずこれまで多くの人間が色んな理由で党を去っていくことになります、

 

 

今の政党No2は幹事長の黒川敦彦氏ですが、彼も党首に負けず劣らずそうとうなキャラクターの持ち主のようで、NHKの討論番組で放送事故レベルの演出でやらかしました。

 

 

 

内紛しまくりとは言え、国政政党に上り詰めたNHK党には今後の政治活動において優遇的措置である政党交付金が支給されることになりました。政党交付金とは国から政党へ政治活動費を助成する目的で交付される資金です。特定の企業や団体組織などの寄付を制限する代わりに、政党活動を資金的に支える仕組みを設け、政党活動費を確保して健全な政治を目ざすためのものです。そしてこれが昨年度の政党交付金の分布図です。

 

 

 

ご覧のように政党によってかなり差があるのが分かります政党交付金を受け取るには5人の国会議員が所属していること、または1人の所属議員がいて得票率2%を超えていることで国政政党としての要件を満たす必要があります。そして議員数や投票数に応じて割振りされてそれぞれの党に支給されることになります。ちなみに日本共産党は政党交付金制度発足してから一度も受け取ったことはありません。

 

 

政党交付金は導入時に国民1人当りの負担額として「コーヒー1杯分」の年間250円と決められています。これに最新の国勢調査による日本の人口を乗じた額を年4回(4月、7月、10月、12月)に分けて各政党に配分しています。配分比率は毎年1月1日を基準日とし、交付金総額の半分を現職国会議員数に応じて配分し、残り半分を 直近の国政選挙での得票数に応じて配分します。

 

 

NHK党が全国すべてに候補者を立てている理由は、こうした得票獲得を伸ばすことで、政党交付金を増やす目的があると言えます。

 

寄付金よりも借入で運用するN国のポリシー

 

 

NHK党の政党交付金は1億6600万円ですが、当然ながらこの額では選挙活動はおろか党運営も厳しいです。そこでNHK党は政治資金を借入で賄っています。

 

 

党首の立花氏が同じ時期に国政政党になったれいわ新選組との比較で資金源の解説をしています。動画で説明しているとおりで、れいわは寄付金を広く募っているのに対してNHK党は借入金で賄うと公言しています。寄付ではなく、借入で資金有権者に忖度しないためと理由も付けていますが、もう一つの理由は「寄付」は年間5万円を超えると日付や住所が記載した収支報告書が必要になるのに対し、借入金は不要なので、寄付ほど煩雑な手続きを省くことができるのが利点です。

 

 

ここでNHK党の収支報告書をご覧ください。

 

 

2021年11月に公表されたNHK党の2020年(令和2年度)分のものですが、これが公表されている最近のものになります。収入が7億2094万2194円。支出が6億9071万7482円。翌年への繰り越しは3022万4667円です。そして下の項目にある寄付欄には3640万円の数字が記載されていますが、内訳を見るとNHK党の唯一の国会議員である浜田聡議員から毎月100万円、そして所属する地方議員からの寄付ですが、これは半ば所属議員に強制的に寄付を募っているものです。所属する議員が増えればそれだけ(強制的な)寄付が増えることになります。

 

 

そして新たなプランとしてネットで個人から寄付ではなく借入を募っています。221人から4億4600万円分の申し出があったと報告があったようで、その借入における金利は年間5~10%の利息をつけて返すことになります。

 

 

NHK党の人脈・金脈

 

 

借入で、しかも年利10%という高金利を付けて党運営資金を捻出しているNHK党ですが、この先、所属する国会議員を増やしていけば政党交付金も増えるし、資金面でも安定してくることにはなると思います。しかしここである疑問が浮かびました。

 

 

政党交付金は (政党交付金による支出の定義など)には『政党交付金で借入金の処理をしてはなりません。(借金政党助成法14条)

 

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政党交付金がいくら増えようが借金返済で使うことは一切禁止なので、政党交付金の使途を記載する政治資金収支報告書規正法に借入と記載することはできません。仮に借入でない違う用途として書いた場合には虚偽記載となり政治資金規正法違反となる訳です。

 

 

NHK党が集めたお金の大半が借入となり、NHK党の政党交付金が増えたところで、それを一円たりとも返済に充てることは不可能です。先述した身内議員からの寄付金でも全額返済にあてがうのも厳しいです。ではこれまでたくさん集めた借入金をどうやって返済するのか?それはこれまで培ってきた人脈がヒントになりそうです。今回の選挙でNHK党は多くの候補者を擁立しています。暴露系ユーチューバーのガーシーやアダルトサイト経営者の高橋理洋氏、謎の会社経営者etc・・・そして堀江貴文のマネージャーといったように一体なぜこれほどまでに豊富で拡散力ある人材を集めて立候補させたものだと感心します。

 

 

そしてヒカルや青汁王子、ゆたぽんのパパといったような強力なインフルエンサーたちが支援しているのは他の政党にはない強みと言えるでしょう。NHK党と立花氏にとってこれだけの人脈は物凄く心強い援軍です。選挙でこれだけ候補者を立てられるのは大きな人脈と金脈金脈他なりません。10%の利息も表面上約束したように見せかけてチャラということもあり得ます。内紛離脱繰り返しても、組織はそれを肥しにして更にのし上がっていく恐るべし生命力のNHK党、今回の参院選での議席獲得もですが、なにやらかしてくれるのか今後も注目です。

 

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追記(2022.7.11)

NHK党の参議院選挙の結果は比例区で1議席でした。当選したのは暴露系ユーチューバーのガーシーでした。このガーシー日本にはおらずドバイ滞在で日本では選挙活動していない候補者という前代未聞の当選者となりました。議席は1議席だけでしたが、得票率2%を超えたので国政政党として継続されることになり、政党交付金も引き続き支給されることになります。正直イロモノ過ぎて獲得議席0と思われていましたが、恐れ入りました。ガーシーという史上まれにみるイロモノ議員が誕生することになりますが果たして日本の行く末は・・・知る由もありません(笑)

投稿者

yuuponshow

こんにちは、このサイト編集者のyuuponshowと申します。私たちが生まれてから死ぬまで決して欠かすことのできない「お金」。人間が生きる上でとても大切なものですからお金に執着する人って凄く多いと思います。このブログはお金を稼がせるといった怪しい情報商材などの勧誘ではなく、あらゆる角度からお金について探求するものです。難しい話でならないよう分かりやすく、たまにマニアックな話題も混ぜながらみんなの大好きなお金を語っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

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