実践に学ぶ30分カウンセリングを読んで【書評】
細澤仁・上田勝久編『実践に学ぶ30分カウンセリング』(日本評論社)を読んで思うこと、感想を書いていきたいと思います。
1.どういった人におすすめ?
カウンセリングといえば心理士(師)のイメージが強いですが、この本では医師やソーシャルワーカー、看護師の立場から短時間・低頻度のカウンセリング場面を取り扱っています。医療や教育の現場において、なかなか50分という枠を確保できず自分のカウンセリングの進め方は果たして正しいのだろうかと悩んでいる方にはおすすめの一冊です。理論と事例が書かれていることもあり、現場で働く経験がまだ無くても学びとなる側面は多いでしょう。
2.ココが興味深い
スクールカウンセラーとして教育の現場に入っていく中で、配置回数や勤務時間の問題というのは常に考えながら過ごしています。この本で考えさせることは多かったです。限られた時間の中でどのように介入していくかという視点でこの1冊を読んでいくと、自分の臨床の中に活かしていけるヒントは多く含まれているように思います。
3.これからの臨床現場の変化の中で
カウンセリングのフィールドがオンライン上に移行しつつある現在、時間と頻度の枠組みについてはオフライン同様に議論されるべきことでしょう。また、ユーザーのニーズに的確に応じていけるようカウンセラー側も枠の中でどのようなことに焦点をあて、洗練された場を提供し向き合うことができるのか。この書をきっかけに、自身の臨床心理士を振り返りつつ、今後のカウンセリングに活かしていきたいと思いました。
「2020年、2万円分の本をレビューするまで年を越せまてん」
残り、11200円
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