多動、癇癪、強い不安感、こだわりと副交感神経 その1 | アメリカ発 発達障害のお子様を持つご家族へ伝えたいこと

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こんにちは!

 

今日は 去年の11月に書いた記事を

 

少し手直ししました。

 

副交感神経についてのオンラインサミットから

 

学んだことをシェアします。

 

 

自律神経には

 

交感神経と副交感神経の二つの神経系があります。

 

 

交感神経(Sympathetic Nervous System)は

 

英語でFight or Flightと呼ばれる「戦うか逃げるかの神経」です。

 

脳からの活性化信号を受けて動きます。

 

最も原始的な仕組みで、

 

自分が 生命の危険にさらされたと

 

脳が判断したときに稼働され、

 

心拍数をあげて

 

末端神経や筋肉に血流を集めて

 

体の緊張感を最大限に高め、

 

瞳孔を開いて

 

戦う或いは逃げるのどちらかに

 

素早く適応できるような

 

コンディションを作ります。 

 

 

生命の危険を感じているため、

 

体の他の機能は

 

一旦シャットダウンして、

 

命を守ることに

 

全神経とエネルギーをつぎ込みます。

 

 

副交感神経(Parasympathetic Nervous System)は

 

英語でRest and Digestと呼ばれる

 

心身を鎮静状態におく作用をします。

 

 

生命の危険がないため、

 

安心して体を休め、

 

栄養素の消化吸収、体の修復、

 

毒素の排出などなどの

 

健康を保つために必要な働きに

 

エネルギーを使うように促します。

 

 

迷走神経(Vagus nerve)は、

 

脳から腹部までにわたる広域に広がり、

 

副交感神経の働きをつかさどります。

(厳密には他にもいろいろ働きがありますが。。。)

 

 

ということは、

 

日常的に脳が

 

自分は生命の危険にさらされていると判断して、

 

交感神経を稼働させている状況に陥ると、

 

心身を鎮静化させて健康を保つための

 

副交感神経が働くことができない状態が

 

慢性的に続くということになります。

 

 

そうすると消化吸収や体の修復が

 

適切にできないために

 

いろいろな弊害が出てくるというわけです。

 

 

今の世の中は急ピッチで物事が進み、

 

人はストレスにさらされることがとても多いです。

 

 

また、世界がパンデミックで

 

前代未聞の状態になっている今、

 

まさに脳が生命の危険とみなすべき

 

ウイルスのことが毎日ニュースで流され、

 

命の危険、そして経済的な不安という要素が

 

慢性的に人々のストレスとしてのしかかっています。

 

 

人は苛立ち、

 

自分と意見の違う人に対する寛容さを失い、

 

SNS上でも攻撃的な投稿が激増して、

 

ギスギスとした雰囲気でいっぱいです。

 

 

これは

 

交感神経と副交感神経の仕組みを考えると

 

至極当然の反応になるわけです。

 

 

その他の理由として、

 

人は生まれる前、

 

胎内にいるときからすでに

 

原始反射(Primitive reflex)と呼ばれる 

 

本能的な反射動作をします。

 

 

有名なのは

 

赤ちゃんが驚いたときに

 

手や足をビクッとさせたり、

 

両手を広げたり、

 

曲げたりするなどの動きをする

 

モロー反射ですが、

 

 

その他にも

 

いろいろな原始反射があります。

 

 

赤ちゃんは決まった時期に

 

順番に原子反射を繰り返し、

 

取り込んでいく(統合する)ことによって

 

脳や体の健康な発達をしていきます。

 

 

ところがなんらかの理由で

 

この原始反射が

 

うまく取り込まれなかったり、

 

適切に取り込まれる前に

 

次の原始反射に移ってしまったりすると、

 

その原始反射は統合されることがないまま

 

育って行ってしまうことになります。

 

 

原始反射がうまく統合されるのに、

 

赤ちゃんが生後早い時期から

 

腹ばいになり、

 

ズリバイやハイハイをすることが

 

とても大事になります。

 

 

腹ばいになることで

 

脳神経の正常な発達を促して、

 

感覚統合や体幹を鍛え、

 

バランスを身に着けることで

 

原始反射の統合が

 

うまく行われるようになります。

 

 

現代社会では赤ちゃんが

 

親御さんのお腹の上にうつ伏せに寝たり、

 

床にうつ伏せで寝たりする

 

機会が減っています。

 

 

また、バウンサーや歩行器、

 

外向きの抱っこひも

(内向きは親とお腹とお腹がくっつくのでOK)、

 

ベビーカーに座っていたり

 

カーシートに座っていたり、

 

ベビーチェアに座ったり

 

仰向けに寝かされることが激増しています。

 

 

これが多動だったり、

 

衝動的に行動したり、

 

キレやすかったり、

 

感覚過敏などの増加に貢献しています。

 

 

そうすると、

 

例えばモロー反射は

 

「驚きの反射」と言われ、

 

何か危険が迫ったときに

 

交感神経系を活発に動かす反射です。

 

 

それが適切に統合されていないと、

 

本来ならば

 

生命の危険とみなさなくてもいいようなこと

 

(人間関係、すこし驚くようなことがあった、

プライドが傷ついた、叱られた、

人とぶつかった、何かの手違いがあった、

友達が目をそむけた、等々)

 

を生命の危険とみなして

 

交感神経を動かし、

 

また、

 

例えば危うく事故を起こすところだった、

 

というような

 

本当に交感神経が動くべき

 

物事が起こったときに、

 

それがもう危険でなくなっていたとしても

 

交感神経が働き続き、

 

緊張状態が続いてしまったり

 

するようになります。

 

 

 

また、Neuroplasticity(神経可塑性)といって、

 

脳内の神経細胞(Neuron)は、

 

訓練によって

 

組み換えや修復が可能です。

 

 

ですから慢性的に

 

交感神経を働かせていると、

 

その神経回路はどんどん強化され、

 

どんどん少ない刺激に対しても

 

交感神経とが

 

反応しやすくなってしまいます。

 

 

 

常に交感神経が稼働していて

 

慢性的に

 

緊張状態におかれた子どもたちは

 

健康に弊害が出るとともに、

 

ささいなことにも反応し、

 

多動、癇癪、

 

強い不安感やこだわりが出てきます。

 

 

長くなってしまうので、

 

次回はこの仕組みが

 

自閉スペクトラムや

 

ADHDに

 

どういう意味を持つか

 

ということについてお話します。

 

 

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