『アナロジー思考』書籍紹介と感想

読書

アナロジー思考

細谷功先生の著作、感想を書くのが今回で5回目となります。

『具体と抽象』『具体←→抽象トレーニング』『メタ思考トレーニング』『地頭力を鍛える』に引き続いて今作。

僕の場合、これら全部オーディブルの朗読版を聴いて学びました。オーディブルマジ便利です。

細谷先生のいう思考力は、ただ本を読んですぐに身につくようなものではないものの、目指すべき方向性はわかるので、これから生きる上で絶対役に立つと思います。

今回のメインテーマとなるのはアナロジー、すなわち類推です。

この記事はあくまで本書を読んだ個人の感想だということをあらかじめご了承ください。

人はアナロジーので生き延びた

人間は古来からアナロジーの力によって未知のものを既知のものに置き換え、サバイバルしてきたと言っても過言ではありません。

身の回りにいる頭のいい人というのは、何かを説明するときに上手なたとえを使ったりすると思います。

昔のパソコンと今のパソコンのスペックは、初期のピッコロ大魔王とフリーザくらい違う、みたいな(これは僕が今適当に考えたやつです)。

アナロジーを使うことで、他人に説明しやすい以前に自分自身の理解も深まるという利点もあります。

アナロジーと駄洒落

「このホットケーキはほっとけー」などといった駄洒落も広い意味ではアナロジーといえるのですが、表面的な言葉の音で遊んでいるにすぎません。

本書で説明している、仕事や生活に役立つアナロジーというのは、物事の本質的な部分や構造の似ている部分を扱います。

『オーバーロード』と『転生したらスライムだった件』は、主人公が異世界に生まれ変わったらめっちゃ強くて、仲間を大切にするなど共通点は多いですが、パクったパクられたという人はほとんどいないと思います。

具体的なキャラの造形などがかぶってしまったら気にする人が多いかもしれません(あえてそうするテクニックもあるみたいですが)。

抽象化して、再度具体化する

物事の構造や本質を見抜くには抽象化して考える必要があるので、アナロジーと抽象化は密接に絡み合っています。

ただ、抽象化することに特化してしまうと、誰かの具体的な話を一般論でまとめてしまったり、先のオーバーロードと転スラを「似たようなものだ」で片付けてしまうかもしれません。

なので、抽象化したものをまた別のものに具体化するといった、具体と抽象を往復する力がすごく大切なのです。

この往復能力が鍛えられれば、フィクションを読んだりゲームをしたりしても、そこから学んだことを役立てる機会が増えます。

その上で、フィクションと現実を混同して困ったりせずに、上手に切り分けて考えられるようになります。

ニュートンもアナロジー思考で引力を発見した

過去の偉人たちによる大発見、大発明もアナロジーの力だといえます。

たとえばアイザックニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見しました。

このエピソードがどこまで真実なのかはわかりませんが、ニュートンが普段から考えに考え抜いた結果、リンゴの落下をきっかけにこれまでのすべてがつながったとしても不思議ではありません。

ちなみにニコラテスラが考えた交流電力の仕組みも、幼少期に見た水車から着想を得たらしいです。

終わりに

以上、アナロジーすなわち類推することがいかに大切かが本書で述べられていて、個人的に記憶に残っていた部分をまとめていきました。

一部の科学者や芸術家、小説家といった特別な人たちだけがアナロジーを使うのではなく、みんながアナロジーを活用して物事の理解に役立てたり、生活を良くしたりできます。

自然に本質をみる能力も養われていきます。

たとえば僕の場合、映画やマンガなどのフィクションに触れる際も、枝葉にとらわれず大事なメッセージを汲み取れるようになってきました。

ここ最近で紹介してきた細谷功先生の書籍、読む順番は気にしなくていいのでどれでも気になるものから手に取ってみることをおすすめします。

細谷功著『アナロジー思考

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