仮義足で富山

2021年01月23日


歩けるようになった2日後。

 

筆者はもう、仮義足と松葉杖2本で富山へ。

 

まだ早いかな、と思ったけど、車いすの選択はなかった。

 

やっとで一つ、お母さんの負担を減らすことができる。

 

それは必然の流れだった。

 

お母さんに駅まで送ってもらって、誰の手も借りずに車を降りた。

 

自信がないから、歩きの大部分を松葉杖に頼る。

 

後にも先にも、この時だけだ。

 

松葉杖を突いて富山の病院へ行ってきたのは。

 

車いすと違って、切符売り場でも改札でも、駅員さんが声をかけてくることはない。

 

例え松葉杖で手帳持参でも、特別ではないわけだ。

 

地味に嬉しい反面、そこから先は他人を頼れない世界でもあった。

 

その時点ではまだ、ホームの案内板が見えなかった。

 

エレベーターの行き先ボタンもまともに押せなかった。

 

両手の塞がる松葉杖に四苦八苦した。

 

何度か通ったから、目的地へ行けただけ。

 

この時の筆者には、寄り道するような心の余裕はなかった。

 

なるべく最短ルートで病院へ向かった。

 

義足で現れた筆者に、女医先生。

 

「お、歩けるようになったんですね」

 

くらいの反応ではあったけど、温かい言葉だと思った。

 

目だけでなく、足の方も頑張っている。

 

そう印象付けられたかどうかはともかく。

 

それまで半月に一度の頻度だったのを、月に一度にしてくれた。

 

義足で歩けた成果だと思う。

 

今振り返ればかなりの荒療治。

 

手も足も使って物凄く疲れたし、慣れない義足だから浅い傷もできていた。

 

でも、特にトラブルなく帰宅できて、結果オーライ。

 

この時は、足で歩くことよりも慣れることを優先に考えていた。

 

ライナーを履き続けるのが、思ったより大変だった。

 

義足生活は甘くないと、いきなり洗礼を受けた気分だった。

 



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