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「三省堂 新現代川柳必携」(田口麦彦)感想レビュー ロングセラー必読書の一冊 5000句を超える秀句がテーマ別に収載

2021年1月7日木曜日

川柳 本の感想

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三省堂 新現代川柳必携

「三省堂 新現代川柳必携」(田口 麦彦)です。写真にある本は2014年9月10日第一刷発行のものです。
三省堂 新現代川柳必携

『三省堂 新現代川柳必携』はロングセラー『三省堂 現代川柳必携』の続編です。

三省堂 現代川柳必携
初版は2001年9月。明治から現代に至る佳句を網羅的に収集。

三省堂 新現代川柳必携
現在活躍中の川柳作家による新鮮で旬の5、000を超える秀句をテーマ別に収載。「震災」「原発」「津波」「絆」「メール」「ツイッター」「介護」「終活」など最新のテーマが取り入れられています。

特徴は4点。
1. 全テーマ、全作品の内容を一新し、二十一世紀の川柳辞典とした。
2. 現在活躍中の作家の1000テーマ5000句を超える作品を収録。うち震災ジャンル40テーマ、200句。
3. 「必携」とするため入門講座「現代川柳のこころ」(日本経済新聞社)2014年12月4回連載講座、および、「朗読」心の本棚「川柳の楽しみ」(キングレコード2004年リリース)ライナーノーツを収録。
4. 季節のジャンルでは春夏秋冬1月~12月の各テーマを収録するほか、俳句の季語季題となるテーマ「花冷え」「花曇り」「春嵐」「立春」「梅雨」「冬景色」「冬籠り」などのテーマも踏み込んで収録。季節の把握の違いを実感して楽しめるようになっている。

また、現代川柳のアンソロジーの定番として、三省堂から『三省堂 新現代川柳必携』『三省堂 現代川柳鑑賞事典』『三省堂 現代女流川柳鑑賞事典』の3シリーズが発行されています。



内容

目次を見て頂いて分かる通り、テーマごとに詳細に分類されています。


各テーマごとに、川柳がまとめられています。事典ですので、内容は全ページほぼこのような感じとなります。432ページの事典で、ボリュームは完璧です。知りたいテーマに沿って調べるのにも、好きな川柳を見つけるのにも十分な内容になっています。ただし、句の説明、解説はついていません。


私の好きな川柳をいくつかピックアップします。句の解説がついていないからこそ、自分の中で想像を膨らませ味わうことが出来ると思います。

テーマ:咲く
花一輪今年も咲きました あなた (西郷かの女)

テーマ:地雷
遠く遠く誰かが地雷踏んだ音(居谷真理子)

テーマ:花は咲く
花は咲く東日本に花は咲く(田中新一)

2014年の本ですが、川柳を読むと、その時のことがありありと思いだされます。しかし、終わった事ではなく、今も続いている、同じことが起こっているということもまた実感されます。時流を詠み、それでいて、普遍的なことを詠む、そんな川柳の面白さを味わうことが出来ます。

現代川柳のこころ

入門講座「現代川柳のこころ」(日本経済新聞社)の4日分が巻末に収録されています。

1.国も家庭も恋も詠む(2013年12月5日 日本経済新聞 夕刊に掲載)
2.世相を映す17文字 (2013年12月12日 日本経済新聞 夕刊に掲載)
3.人生を詠む 女性に軍配 (2013年12月19日 日本経済新聞 夕刊に掲載)
4.自分を見つめて  (2013年12月26日 日本経済新聞 夕刊に掲載)

縦15㎝×横11㎝×厚み1.5cmの小さめサイズの本ですので、ちょっとカバンに入れて好きなときに読むというのに適しています。

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