全ては右ももに2cmしこりができていることに気づいたことから始まった。
(注:この記事はぼくの個人的な体験記です。きちんと医師の診断を受けることをお勧めします)
しこりの原因は炎症が起こっているんだろうと最初は思った。
薬を飲めば、すぐにひくだろうと。
しかし、普段行っている内科の診断は
「これは形成外科に診てもらった方がいい」
あれよあれよと大きい病院の紹介状を書いてもうことに。
そして、紹介された外科医に診てもらったところ
「何かあるのかはわかるけれど、皮膚の上から触っているので、布団の上から触っているとわからないように、何かはわからない」
と言われる。
幸いなことに、しこりは皮膚の近くにあるから、切除しやすいところにあるらしくて、あっという間に一週間後に手術することに決定した。
外科医から手術について説明を受けて同意書を書く。
他の人が同意書を書いているところは見たことがあるけれど、いざ自分が書く立場になると
”なんか大事になってしまったな”
とびびる。
感染予防のためにPCR検査を受けて、手術の準備は完了。
自宅に帰った後、友人たちに手術することになったことを報告する。
優しい友人が多いので、心配しているメッセージを皆くれる。
家に帰って落ち着いてみると、なんか不安というのは無くなっていた。
変な話だけれど、”もう長く生きられなくてもいいかな”
という気持ちがなんとなく浮かんできていた。
この気持ちに関しては、書いても面白い記事にならそうなそうなので、書くのはやめておく。
そして、保険の営業マンに「自分の手続きに不備があったから、手術前日にまた会って欲しい」と言われて、さすがに腹が立って断った話も書くのはやめておく。
そして、手術当日の話。
体調の確認などの問診を受けて、看護師に手術室に案内される。
手術室は職員がもつカードキーがなければ入れない厳重な作りになっていて、いやでも緊張感が高まる。
看護師にも
「緊張してますか?」
とツッコまれた。
本人確認のために氏名・生年月日を聞かれたので、答える。
言うの拒否する人もいるんだろうか。いるだろうなぁ。
手術の日が、誕生日の二日前で
「もうすぐ誕生日なんですね。おめでとうございます!」
と看護師が言ってくれた。
歳をとって喜ぶような年齢でもないけれど、お祝いしてもらえると嬉しくなる。
いざ手術へ。
血圧とか心電図を計測する機械を装着する。
よくドラマの手術のシーンに出てくる強い光を放つライトも目に入る。
いやでも物々しさを感じる。
局所麻酔だから、意識ははっきりしていたけれど、ほとんど痛みはなかった。
歯医者で処置を受けるよりも痛くない。
手術中に医者が内線をうけていたりしたから、それほど難しい手術でもなかったんだと思う。
「観た感じ悪いものではなさそう」
手術後に医者もそう言っていた。
そういってもらえると、なんだかんだ安心できる。
手術代も¥7,000で、一安心。
手術から一週間後は、抜糸。
抜糸のときは手術室に入ることもなく、診察室に通された。
「悪性の腫瘍ではありませんでした」
と開口一番、医師から検査結果を教えてもらった。
抜糸もあっという間に終わる。
ぼくはLDLコレステロールが高く、脂質異常症の薬を飲んでいる。
脂肪の塊がしこりになっているんじゃあ、ないか?
「コレステロールが高いのが、原因でしこりができたんですか?」
と聞いてみた。
「細菌が入ったみたいですね。詳しいことはわかりません」
医者はサラッとそう答えた。
よくわからなくても、悪性腫瘍みたいに悪いもんじゃないなら、かまわない。
受けたくはないけれど、ぼくも歳を重ねれば大きな手術をすることもあるだろう。
命に別状がないところで、手術を経験できたのはよかった。
手術が必要になっても、思ったよりも冷静にいられるということもわかったし、どういった流れになるのかもちょっとだけ理解できた。
ただ、手術と無縁でいられればそれが一番ではあるわけで。
月並みだけど、健康とは大事だなと思った次第である。