リートリンの覚書

日本書紀 巻第十六 小泊瀬稚鷦鷯天皇 五 ・大伴金村連の請い ・即位



日本書紀 巻第十六 小泊瀬稚鷦鷯天皇 五

・大伴金村連の請い
・即位



十二月、
大伴金村連
(おおとものかなむらのむらじ)は、
賊を平定しおえて、
政(まつりごと)を太子にかえしました。

尊号(みな)を
上(たてまつ)ろうと請い、

「今、
億計天皇(おけのすめらみこと)の子は、
ただ陛下のみであります。

億兆(おおみたから)の帰するところも、
いまだかつて二つとありません。

また皇天(あめ)の
助けられる頼(みたまのふゆ)に
翼戴(よくたい)され、

凶党(きょうとう)を淨(きよ)く
除(のぞ)かれました。

英略雄断
(すぐれたるはかりことをしきたばかり)、

天威天禄
(あまついきおいあまつしるし)をもって
盛りにしましょう。

日本には必ず主(きみ)があります。
日本の主になる者は
陛下でなくて誰がいましょうか。

伏して願わくは、
陛下が、

仰いで靈祗(れいぎ)に答え、
景命(けいめい)をひろく宣べ、
日本を光で照らしてください。

おおいに銀郷(たからのくに)を
受けてください」
といいました。

ここにおいて、
太子は、
有司(つかさ)に命じて、

壇場(たかみくら)を
泊瀬列城(はつせのなみき)
に設けさせ、
天皇位に陟(のぼ)りました。

遂に、
都を定めました。

この日、
大伴金村連を大連としました。



・億兆(おおみたから)
人民
・翼戴(よくたい)
たすけて上位にいただくこと
・凶党(きょうとう)
わるものの仲間。悪人の集まり。悪党
・英略雄断(すぐれたるはかりことをしきたばかり
優れた略と雄々しい決断
・天威天禄(あまついきおいあまつしるし)
天の威光、天から与えられた幸い
・靈祗(れいぎ)
霊妙な神。霊験あらたかな神
・景命(けいめい)
天子・国王の命令。大命。または大きな運命



(感想)

仁賢天皇11年12月、
大伴金村連は、
賊を平定し終えて、
政(まつりごと)を太子に返しました。

尊号を奉ろうと請い、
「今、仁賢天皇(にんけんてんのう)の子は、
ただ陛下のみであります。

人民の帰するところも、
いまだかつて二つとありません。

また皇天(あめ)の
霊威に助けていただき、
凶党を除き清められました。

すぐれた政略と雄々しい決断、
天から与えられた幸いをもって
隆盛させましょう。

日本には必ず主(きみ)がいます。

日本の主になる者は、
陛下でなくて
誰がいましょうか。

伏して願わくは、

陛下が、
仰ぎ靈祗(れいぎ)に答え、
大命ひろく宣べ、
日本を光で照らしてください。

おおいに銀郷(たからのくに)を
受けてください」
といいました。

ここにおいて、
太子は、有司(つかさ)に命じて、

高御座を泊瀬列城に設けさせ、
天皇位にのぼりました。

遂に、
都を定めました。

この日、
大伴金村連を大連としました。

ついに、
天皇になった
小泊瀬稚鷦鷯尊。

どのような天皇になられたのか?

明日に続きます。

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