アニメ 「ゲッターロボ アーク」 第10話 異星の聖戦 感想

時空を越えた拓馬たちが無慈悲な進軍を続ける未来の人類とゲッターの進化に直面する
アニメ『ゲッターロボ アーク』の第10話。
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というわけで超未来の宇宙大戦へと舞台が移り
ついに真の物語が動き出した『ゲッターロボ アーク』。
まず前半は異星でのインセクター軍との遭遇戦がメインということで
ゲッターチェンジを駆使したメカアクションが中心となる展開。
原作ではここで初登場となるカーンの活躍が主でしたが
アニメではアーク、キリク、カーンそれぞれに見せ場を作っていたのが印象的ですね。
特にゲッターザウルスを助けるところで
回転や捻りを加えつつキリクへと合体するのが格好よくて良かったです。
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またアークの凶悪な顔を「いい面構えだ」と言っていたり
カーンの活躍に対し3号機に思い入れのある様子を見せていたりと
ゲッターに対する武蔵の反応が追加されていたのもアニメでのアレンジ。
アークを「神の戦士」と称えるくだりは漫画にもありましたが
アニメではそれに加えてザウルスを「パチモン」と蔑んでいる様子が挿入されたことで
人間とそれ以外に対するスタンスの違いが分かりやすくなっている感じです。
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その他にも漫画では自前だったヘルメットを
「持ってきてくれたのか」と拓馬から受けとる形になっていたりと
武蔵の描写にはちょこちょこと追加や変更がありましたね。
アニメ版には「あのヘルメットは武蔵~竜馬~拓馬と受け継がれたもの」という
裏設定があるみたいですし
それが回り回って武蔵のところに戻ってきた、というのは何だか感慨深いものがあります。
このあたりの丁寧な小道具の使い方は非常に川越監督らしいところですね。
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ただ残念だったのは戦闘ヘリがゲッターを模した姿へと変形するシーンが無かったところ。
前回のラスト、転移後にアークが襲われて二天一流で反撃する流れもカットでしたし
今回のアニメは「動きのあるところは削れるものなら削りたい」という
予算やスケジュール上での制作側の都合が
視聴者側からもありありと見えてしまっているのが残念な部分ではありますね。
戦闘ヘリの変形は「未来の兵器の異質感」が表現されていて好きだったんですが。
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そして後半の見所は武蔵が語る宇宙戦争の中でついに姿を見せるゲッターエンペラーの姿。
エンペラーの出現から合体までの流れは『アーク』の他に『真』からの引用もされており
漫画に描かれたエンペラーの緻密さを全部アニメで再現してやろう、という
意気込みを感じられますね。
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漫画ではセリフだけで軽く流されてしまった百鬼帝国についても
しっかりと「ブライ誕生」のエピソードから引用してくれているのが嬉しいところです。

そんな中で気になったのが転移に関する「時間と空間のシステム」に対して
かなりSF的に踏み込んだ説明がされていたこと。
ゲッターエンペラー自身が特異点となっており
エンペラーの誕生前、その存在が確定する前ならば歴史の改変が可能、という設定には
『真マジンガーZERO』のZEROっぽさも感じますね。
両者はゲーム等のクロスオーバーでは同レベルの存在として語られることも多いので
意図的に似通った設定を持ってきたのかもしれません。

ちなみに津島直人氏の『ゲッターロボ飛焔』には火星に飛んだゲッターが存在しており
『アーク』とはパラレルな関係にあると思われるんですが
それを裏付けるように『飛焔』には別の宇宙からやってきたカムイ(と思われる人物)が
主人公たちのゲッターを破壊して「これで一つの未来が守られた」と語る
外伝エピソードがあるんですよね。
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まあ石川先生以外のゲッター作品を持ってきてしまうのは
さすがに考えすぎかもしれませんが
本話でのカムイが「過去を修正しても新しい世界が生まれるだけでは」と
世界が分岐するパラレルワールド論を唱えていたことを考えると
興味深いところではあります。

あ、それとゲッター軍艦に所属しているゲッター人間(仮)たちの姿がすごいですね。
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漫画ではそんなに違和感がなかったんですが
こうしてアニメで色がつくと変というか笑えるというか謎のコスプレ感があります。
ゲッターに導かれた結果がこれだよ!

そんなこんなで拓馬たちが迷いながらも決戦へと向かうところで次回に続く。
コーメイやマクドナルドたちがいる星があの惑星ダビィーン
(『真』の終盤でエンペラーの合体により消滅した惑星)だったという
アニメ版独自の設定が加わったことが
今後の展開にどう関わってくるのかがちょっと気になるところですね。
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『真』のクライマックスでは真ゲッターに乗った竜馬と隼人が
ダビィーンを消滅させたエンペラーと束の間の邂逅をしていたんですが
この時間軸が今の『アーク』での戦いと同じだとしたら
ここで拓馬と竜馬が鉢合わせしてタイムパラドックスが起こってしまう、
というオリジナル展開も考えられるのかなあ、と思ってしまったり。

ともあれ物語が加速して
漫画では13話までの部分を一気に消化した今回のアニメ版『アーク』。
漫画は残り1話ですがアニメはまだ3話残っているので
細かな回想やラスト20Pのダイジェスト部分を丁寧にやったとしても
まだ余裕がある気がしますね。

いやーここに来てこうして尺に余裕があることが分かってくると
逆に戸惑いすら覚えてしまうというか
マジでオリジナル展開が来るのか? って感じですね。
とにもかくにも泣いても笑ってもあと3話! 運命を超えろ!

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