午前中の散策を終えて、いったん帰宅し、昼食をティエリが用意してくれた。
ソーセージを焼いたものがメインだったが、ソーセージ類は日本のものとは比べ物にならないほど、美味しい。
バーベキューの様な豚肉の串焼きも焼いてくれた。
付け合わせはクスクスだ。
生ハムと玉ねぎのマリネ。
ケチャップで和えられたものは、何だったか思い出せない。
デザートは、ローランスが用意してくれたリンゴのパイ。
シンプルだが、フランス人はこのお菓子がとても好きで、私も簡単で美味しいので、お気に入りのお菓子になった。
そして、午後の観光は、隣村のクリッソンだ。
ナントから電車でも20分くらいで行けるそうだが、もちろん車で向かった。
途中には、白ワイン「ミュスカデ(Muscadet)」で知られる葡萄畑を通る。
クリッソンは私の好きな小さな村だった。
石畳、廃墟の様なお城、心躍る。
市場、↓
ちょうどその時、お父さんのフランシスから電話があった。
「代わって」という言葉をほんの少し期待していたけれど、それはなく、私と一緒だと告げると、「いい旅を続けてね」という伝言だけだった。
まあ、それだけでも、嬉しい。ちょうど散策をしているときに電話があるのも嬉しい偶然だった。
「長靴をはいた猫」の看板を見かけた。(クレープリーのようです。)
「赤ずきん」の作者のペローはフランス人だと分かっていたが、そうか、これもペローだったと気が付いた。
「知っているの?」と逆にティエリはびっくりしていたので、「日本ではよく知られているよ。赤ずきんも、シンデレラ、眠れる森の美女、もね」と、説明した。
子供のころ親しんだ童話には、フランスの童話も意外に多い。
ローランスの体調が完全でないこともあり、夕食は私がと申し出た。
アルザスの両親の家で作ったお好み焼きを、またここで作ろうと考えたのだった。