本編「イタリア永住権の試験会場で」の前に
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と言うわけで本編スタート
おざまーっす!
イタリアに3ヶ月以上滞在するヨーロッパ圏外の人にとって「滞在許可証(ペルメッソ ディ ソッジョルノ)の取得」は避けては通れない道である。
次男が生まれた事で彼の滞在許可証も申請する必要があり、
その手続きをして、昨日、ようやく受け取りが完了した。
申請から受け取りまで約1年5ヶ月かかりましたよ。。。
僕と嫁ちゃんは一応、無期限の滞在許可証を持ってるんだけど、
久しぶりにクエストゥーラ(移民局)に行って
永住権取得の際のエピソードを思い出したので書いてみる。
滞在許可証取得に関して、沢山の方が大変な思いをされていると思うが、僕も例に漏れずひどい扱いを受けてきた。
4年間の学生時代には1年毎に1回、就労ビザになってからは2年毎に1回、滞在許可証を申請してきたが、
申請から取得までの期間は心の何処かにその事が引っかかりスッキリしない。
警察署(移民局)に出向く日はストレスで朝からう◯こさんが止まらない。(僕は緊張すると出るタイプ)
それくらい大変な事なのである。
そして、イタリア在住9年目だったかな。(嫁ちゃんは5年目くらい)
永住権を申請する条件が揃っている事を知り
2年毎に感じるあのストレスから解放されるのならば、と思い切って申請してみる事にした。
ただし、僕と嫁ちゃんの場合、イタリア語の試験に合格しなければいけなかった。
試験と言っても僕の様に9年間(当時)もイタリアに住んでいれば、普通に合格出来るレベルのテストであるが、
皆さんご存知の通り、僕はイタリア語が苦手なので試験の問題集を買い、それなりに勉強したのである。
そして、試験当日を迎え、嫁ちゃんと僕は試験会場へ到着した。
そこには2~30人の外国人が受験しにきていた。
一つの教室に入り、試験官から試験に関しての説明を受ける。
僕と嫁ちゃんは緊張で余裕が無かったが、他の受験者たちは友達同士おしゃべりしたり、
試験管に質問したりと、余裕がある様に見えた。
一通り説明と質問が終わると、試験が開始された。
問題集での予習が功を奏し、落ち着いてできたが、
試験が中盤に差し掛かった頃、嫁ちゃんが隣のおばさん(受験者)に話しかけられている。。。
「試験中に話したりしたら不合格になっちゃうかもしれないのに」と思いながら、何を話しているかを盗み聞きしてみると、
嫁ちゃんは「ノン ポッソ ディーレ(私は言えないです)」と仕切りに言っている。
そしておばさんは、聞き取り問題で「今なんて言った?」と聞いたり、「ここどう言う意味?」とか「ここ何て書いた?」と嫁ちゃんに聞いている。
おいぃ!
試験の時、私語厳禁なのは世界共通だろう!?
しかも「ここ何て書いた?」って、もう答え聞いてんじゃんかよ!!!!
おばさんは途中で嫁ちゃんに聞くのを諦めたっぽいが、
嫁ちゃんの心はもう、グラングランに揺れてしまって試験どころじゃ無いのは横で見ていて明らかだった。
嫁ちゃんは心ここに在らずで、試験時間の半分程を残して、他の誰よりも早く退出してしまった。。。
僕は見直しを一通り終えてから退出し、教室の外に居た嫁ちゃんに話を聞くと、やはり横のおばさんがいっぱい質問してきたらしい。
それで、もう嫌になって見直しを全くせず、退出したとの事だった。
心にモヤモヤを残したまま結果を2日くらい待っただろうか。
さすがの嫁ちゃんも出来るだけ早く結果を知りたかった様で、一人でトコトコ車を走らせ試験会場まで結果を見に行った。
二人とも無事合格していた。
あんだけ心を揺さぶられていたにも関わらず合格した嫁ちゃんはさすがだなと思った。
こうして無事、永住権を取得できたのであるが、
その後、ここ1〜2年で法律が変わり、5歳までの子は2年毎に滞在許可証を更新しなければいけないらしい。
それ以前であれば、イタリアで産まれた子供は親と同等以上の滞在許可証を取得(僕らの場合、無期限の滞在許可証が)できたんだけど。。。
もう分かんねーよ。
嫌だけど、またプロに相談しないとわからない。
なんだかまた振り出しに戻った気分。