時はかなりさかのぼる。

俺が4歳のある日‥


かーちゃんの親、つまり俺のじーちゃんの家に泊まっていた。


母親の実家だ。


何日泊まったとか何をしたかとかは覚えていない。


そして俺が俺の両親がいるいつもの家に帰るって時、

じーちゃんが車で俺1人を助手席に乗せて送ってくれた。


天気が良い日の昼間ってことだけは覚えている。


その実家から俺のうちまでは車で大体30分てとこだろう。

じーちゃんと俺は何を話してたかは覚えてないが、

とりあえずは楽しく車内で話していたと思う。



そしていよいよ家に到着。


じーちゃんの車から俺は降りて俺はちょっと駆け足で家の玄関にむかった。

多分じーちゃんに会えたのと家に帰ってきて嬉しかったのだろう。


その後ろをじーちゃんがゆっくり俺の後ろを歩いていた‥


そして俺は元気よく玄関を開けた‥


おれ「ただい‥‥」

ま?


と、

その時‥



俺が帰宅したことに気付いた母親が、、

叫ぶように泣きながら俺のところに駆け寄ってきた。

そして俺を抱きしめながら

「死んじゃったぁ!!!」


「わぁぁぁぁぁん!」


もう文字では表せられないぐらい泣き叫んでいた。


見たことがない位かーちゃんの顔はぐちゃぐちゃになっていた。


え‥



妹が死んだ?


人って1年で死ぬの?


うそ?



おれは靴を脱いで奥の部屋に歩いて行った‥

‥‥。


妹が布団の上で仰向けで両手を繋いで寝ていた‥


‥‥。


まだ生きてる様に見える‥


「触ってみて」

と誰かが言ったので妹のほっぺたを触った。

冷たい‥

なんの反応もしない‥



やだよ。


もっと遊びたいよ‥


まだ産まれてから1年。


妹が産まれてからさ‥


1人の時より妹がいて純粋に楽しかったのよ‥


ほんとにもう遊べないの?


毎日妹と遊ぶのが楽しみだったのに‥


妹が寝てる時とかこっそり寝顔とか見に行ってたのに‥



なのに‥


もうこれからは‥


1人なの?



当時の俺としては悲しいって感情より寂しいって表現の方が正しかっただろう。


今考えるとじーちゃんは俺を車で家に送る時‥

その事を知っていたのだろう。


車内では笑顔で俺と楽しく会話してたのに‥

きっと複雑な気持ちだったに違いない。


そしてその数日後、

自宅で葬式が行われた。


そしてその後火葬場へと‥


‥‥。

気付いたら俺の妹は骨になっていた。

真っ白い骨‥


一瞬やん‥


意味が分からん‥


俺の記憶はここまでだ。







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