「难怪」の用法
中国語で「难怪」という言葉があります。
副詞の用法と動詞の用法があり
副詞の場合は
「どうりで」「なるほど」という意味、
動詞の場合は
「無理もない」「とがめることはできない」
という意味で使います。
いずれも原因や事情が分かっていて
納得したことを述べる表現になります。
「風の谷のナウシカ」の中でも
この言葉はセリフで使われていました。
ひとつ目は
ユパ様が王蟲に追われているところを
ナウシカが助けた後の2人の会話です。
ユパ:
它被大王蜻蜓抓走
tā bèi dà wáng qīng tíng zhuā zǒu
こいつが羽虫にさらわれたのを
我误以为它是小孩
wǒ wù yǐ wéi tā shì xiǎo hái
人の子と間違えてな
一着急就开了枪
yī zháo jí jiù kāi le qiāng
つい銃を使ってしまったのだ
ナウシカ:
难怪王虫会那么生气的发动攻击
nán guài wáng chóng huì nà me shēng qì de fā dòng gōng jī
それであんなに王蟲が怒ったのね
ここでのセリフで出てくる「难怪」は
副詞として使われています。
動詞や形容詞の前に置かれることもありますが
主語の前に用いることもあります。
「王蟲があんなに怒って攻撃した」
ということについて
「なるほど」「どうりで」と言ってるわけですね。
副詞の「难怪」は
「怪不得」と同じ使い方をするようで
置き換えることができます。
この部分の字幕では
違った表現をしていました。
所以王虫才会那么生气啊
suǒ yǐ wáng chóng cái huì nà me shēng qì a
「难怪」の部分が「所以」になっています。
「所以」は接続詞で
「だから」「それで」というように
前で述べた原因を受けて
結果を述べるときに用います。
ユパ様が取った行動に対して(原因)
王蟲が怒ったという結果を表す形になっています。
「难怪」と「所以」では
ニュアンスは少し違ってくるかもしれませんが
同じような形で使うことができるんですね。
もうひとつは
ナウシカとアスベルが
ふたりで腐海の底に落ちた場面です。
ナウシカの意識が戻った時のふたりの会話です。
アスベル:
我是培吉特的阿斯贝鲁
wǒ shì péi jí tè de ā sī bèi lǔ
ぼくはペジテのアスベルだ
谢谢你救了我一命
xiè xiè nǐ jiù le wǒ yī mìng
助けてくれてありがとう
ナウシカ:
我是风之谷的娜乌西卡
wǒ shì fēng zhī gǔ de nà wū xī kǎ
私は風の谷のナウシカ
这里是哪里
zhè lǐ shì nǎ lǐ
ここはどこ?
アスベル:
也难怪你会这么吃惊
yě nán guài nǐ huì zhè me chī jīng
驚くのは当たり前さ
ここでの「难怪」は動詞として使われています。
「あなたがこんなに驚く」ということについて
「無理もない」と言っています。
「怪」は「怪しい」という意味の形容詞のほか
「とがめる」「責める」という意味の
動詞としても使われます。
「难」は「〜するのが難しい」
という意味があるので
「とがめるのは難しい」というニュアンスからできた言葉だと思います。
動詞で使われる場合は
「也」が伴うことが多いようです。
こちらのセリフは
字幕でも同じく「难怪」が使われていました。
同じく副詞の「难道」と間違えそうなので
区別して覚えないといけませんね。
よかったらこちらも参考にしてください。
↓ ↓ ↓
「まさか〜じゃないよね?」の中国語表現 - ジブリで中国語を学ぼう!